プリウスは故障が多いのか徹底解剖!必ず知っておきたい故障箇所と修理費用から中古車の選び方

革新的なデザインが目を引き付けるプリウスは、発売当初からいま現在も幅広い世代に人気の高い1台です。今回はそんなプリウスの故障に関する情報や中古車の選び方などを併せてご紹介します。

プリウスは故障が多いのか?

プリウスに関する故障の声

・30代/男性
プリウスは人生で2台目の車でした。注文してから待つこと1ヶ月、楽しみにしていた納車日。それから試運転をはじめ3日後、警告灯が点灯。あまりに突然のことにビックリし、即販売店へ向かいました。点検を行い、翌日には部品の一部に問題があったので、部品の取り寄せ及び交換するとの連絡があり。それから4日後に車を取りに行くと、「バッテリーに不具合があり交換した」とのこと。ただ、なぜそのようなことが起きたのかなどは特に説明してもらえず。

購入したばかりで、早くもこのようなトラブルがあると、この先乗り続けるのが不安です。

・40代/男性
高速を走行中に警告等が表示されました。慌てて路肩に停車し、幸い馴染みの車屋が近かったためレッカーにて移動。点検してもらうと、ウォーターポンプの故障で、プリウスではよく発生する事例とのことでした。ウォーターポンプが故障したまま走りつづけると、エンジンがオーバーヒートしたり、高額な修理が必要となったりするとのことですが、今回は早めの対応が功を奏しました。

・30代/女性
家族で旅行中に車がストップ。特に警告灯などは表示されていませんでした。車屋さんで点検してもらうと、ガソリン残量は4分の1程表示されているにもかかわらず、ガス欠。

原因はガソリンタンク内にある燃料レベルゲージの故障で、実際のガソリン残量とガソリン残量計の表示に差が出てしまっており、走り続けてしまっていたとのことでした。

家族でスノーボードなどへ行ったりもするので、もし雪山でガス欠になっていたらと考えるとぞっとします。

・20代男性
プリウスを購入して約1年が経ったころ、ラゲッジルーム周辺から異音がするようになりました。走行中にプラスチック同士が擦れるようなカタカタという音です。速度や道路の舗装状態には関係がないようです。ラゲッジルームとリヤハッチの内貼りを全て外して確認しましたが、特に原因は見つからず。同じような現象に悩まされている人がいたら、解決方法を教えてください。

・30代女性
高速道路を走行中、少し加速をしようとしてアクセルを踏んだところ、ポーンという音が鳴り異常が発生したと同時に警告音がでました。急に停車することもできず、そのまま最寄りのSAまで20km程走ったあと、1度エンジンを切り、車の電源等を入れ直すも状況は変わらず。

旦那がボンネットを開けて確認しましたが、冷却水の漏れや異常な箇所を見つけることはできませんでした。その後、販売店へ持ち込み点検してもらうと、ウォーターポンプの異常が記録されているとのこと。部品だけでも3万円以上するため、悲しい出費となりました。

プリウスの故障が多い箇所

工業製品である以上プリウスが全く壊れないことはありえません。
プリウスにも故障しやすい箇所というのがいくつかあり、次の様な部品は比較的故障が多いものです。

ハイブリッドシステムの故障

プリウスで最もトラブルが多い箇所がバッテリーです。プリウスはエンジンとモーターからなるハイブリッドシステムを搭載しており、モーターを動かさす際にハイブリッドシステム専用のバッテリーを必要とします。

このバッテリーが長年乗っていると、経年劣化によって電圧が下がり、警告ランプが点灯します。車が壊れてしまったり、すぐに動かなくなったりすることはありませんが、ゆくゆくはバッテリーを交換しなければなりません。

バッテリーはとても高価なため、中古車を購入する際はバッテリーが交換されているか注意して選ぶことが必要です。

中古車購入後すぐにバッテリー交換が必要となり、追加で高額な金額を支払うことになったという話は少なくありません。

電動パワーステアリングの故障

プリウスではハンドル操作が不能になる事故が年に数回発生おり、いずれも走行中急にハンドルが固まり、操作できなくなるという現象が起きています。

実際に、体験され方の中には対向車がいなかったので大惨事には至らなかったものの、高速走行中で80km程でていたため、壁にぶつかって止まることができたなどの報告もあります。トヨタはリコール対象を否定していますが、販売店へ持ち込むことで、無償修理・無償交換の対応はしてもらえるようです。

ハイブリッド用ウォーターポンプの故障

通常、車にはエンジンを冷やすためにウォーターポンプという冷却水が流れるポンプが付いています。プリウスには、このポンプとは別にハイブリッドシステムの一部であるインバーターを冷やすための、ハイブリッド用のウォーターポンプがついています。

このウォーターポンプが故障したり、冷却水が漏れることで冷やしきれず、インバーターが過熱しハイブリットシステムが停止してしまったり、インバーターの故障および交換が発生してしまいます。

 

人気の高いプリウスですが、このような故障箇所が挙げられます。
電動パワーステアリングの故障は、死に直結する事故につながりかねないので、購入を躊躇してしまうかもしれません。

しかし、上記であげた故障箇所のほとんどが発売当初や古い型のもので報告されていることが多く、比較的新しい型のプリウスであれば起こりにくいと言えるのではないでしょうか。

 

トヨタが発表しているプリウスに関する故障・不具合・リコール情報

エアバッグ制御システム(2018年2月1日)

内容:
エアバッグ制御システムにおいて、(1)加速度センサまたは(2)圧力センサ内ICチップの製造条件が不適切なため、IC内部で断線することがあります。そのため、エアバッグ警告灯が点灯し、エアバッグが正常に作動できないおそれがあります。

型式:
DAA-ZVW50、DAA-ZVW51、DAA-ZVW55

車体番号:
ZVW50-6000001~ZVW50-6006621、ZVW50-8000001~ZVW50-8004701、ZVW51-6000001~ZVW51-6002226、ZVW51-8000001~ZVW51-8001699ZVW55-8000001~ZVW55-8003463

EVヒューズ(2017年11月16日)

内容:
プラグインハイブリッド車の駆動用バッテリーにおいて、ハイブリッドシステム保護用ヒューズ(EVヒューズ)の容量が不適切なため、高負荷運転を繰り返すと当該ヒューズが疲労断線することがあります。そのため、警告灯が点灯し、最悪の場合、ハイブリッドシステムが停止して走行不能となるおそれがあります。

型式:
DLA-ZVW35

車体番号:
ZVW35-3000886~ZVW35-3072062

ハイブリッドシステムの電圧変換器における不具合(2017年10月9日)

内容:
ハイブリッドシステムの電圧変換器(インバータ)において、製造工程での異常処置が不適切なため、コンデンサが電圧変換器本体にボルト締結されず、端子のみで支持されているものがあります。そのため、走行振動により端子が折損して警告灯が点灯し、最悪の場合、走行不能となるおそれがあります。

型式:
DAA-ZVW50 / 車体番号 ZVW50-8001147~ ZVW50-8029877
DAA-ZVW51 / 車体番号 ZVW51-8000044~ ZVW51-8024523
DAA-ZVW55 / 車体番号 ZVW55-8000308~ ZVW55-8025471

 

ここでは、2017年~2018年に届出のあったリコールおよび不具合の情報をご紹介しました。
2017年以前のリコールおよび不具合情報が知りたい方は、トヨタ公式サイトのリコール情報をご確認ください。

これはプリウスに限ることではありませんが、所有している車両にリコールが出された場合は、速やかに最寄りの販売店へ問い合わせをし、修理や交換を実施してもらいましょう。

 

プリウスの各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

リヤハッチの雨漏り

歴代のプリウスの中でも3代目プリウスに多いと言われるリヤハッチの雨漏りですが、リヤハッチ開口部のゴムパッキンが劣化することで、雨漏りをしてしまうようです。この場合、リヤハッチ全体のゴムパッキンを交換しなければなりません。修繕費用は3,000円程プラス工賃となっています。(※ディーラーや工場によって、工賃が異なります。)

燃料レベルゲージの故障

ガソリンタンク内にある燃料レベルゲージが故障することでガス欠のような症状が起こります。この燃料レベルゲージを交換する場合、10万円前後の費用が掛かるようです。工場によっては20万円弱ほどかかる場合もあります。

アシスト用モーターの故障

アシスト用モーターが故障すると、電動パワーステアリングが重く感じたり、異音がしたりします。アシスト用モーターの修理費用は、工賃含めて10万円前後と言われています。中古部品で賄える場合は、少しではありますが費用が抑えられるかもしれません。

ハイブリッドシステム警告灯の故障

警告灯の修理に使用する部品としては、さほど金額がかからないと言われています。しかし、修理には日数がかかることが多く、その間の工賃も発生するため、2万円前後かかるようです。

修理中に代車を借りる場合は、代車費用も掛かる可能性があるので、多めに見積もっておくと良いでしょう。

プリウスは、ハイブリッドモデルとして一躍注目を集め、高い人気を誇る故、中古部品があまり出回っていなかったり、ハイブリッドならではの高額な部品を使用していたりと、修理費用が高くなってしまう傾向があるようです。

 

プリウスのオーナーの評判

30代/男性
プリウスを購入してから3年になります。その前はミニバンに乗っていたのですが、プリウスに変えた直後は、なかなか運転になれず走行が不安でした。普段はあまり使わないということもありますが、1ヶ月くらいするとようやく慣れたように思います。滑らかで、静かな走行をかなり気に入っています。今のところ不具合はありませんが、そろそろ何かトラブルが起きそうで少しビビッています。

50代/男性
最初は奇抜なデザインが気に入っていましたが、周りにもプリウスに乗っている人が多く、よく車を間違えてしまいそうです……。でも、乗り心地も良く、妻も気に入っています。燃費もとてもよく、もっと早くに出会いたかったですね。

40代/女性
購入時は主人と故障が多いのでは、修理費用が高くつきそうなど色々話していましたが、購入して5年以上特に問題はありません。むしろ欠点がなさすぎて、これまで乗っていた車は故障が多いようにまで思います。これからもお気に入りのプリウスでたくさん遠出したいと思います。

40代/男性
プリウスを購入してから8年以上、大きな故障もなく過ごしてきました。リヤハッチから雨漏りがあったときはビックリしましたが、工場ですぐに対応して貰えました。乗り心地もよく、8年乗っても飽きません。

走行性やデザイン性に優れたプリウスは、何年乗っても飽きることなく、所有者に楽しいカーライフを持たせてくれる一台と言えそうです。

 

プリウスとはどんな車?

ここまで、プリウスの故障や評判などをご紹介してきましたが、プリウスはどのような車なのかおさらいしてみましょう。

プリウスは1995年に開催された第31回東京モーターショーで、トヨタから出品されました。その後、1997年より世界で初めての量産型ハイブリッドモデルとして発売となります。

発売当初は、先進的で未来カーを想像させるようなデザインが話題となり、瞬く間に注目の的となりました。

プリウスの特長といえば、「デザイン」「走行中のモーター・エンジン音」「燃費性能」ではないでしょうか。

エンジンをかけても非常に静かなエンジン音で、走っているのに気づかない程です。エンジン音が抑えられたことにより、走行中の快適さが格段に上がったと言えるでしょう。

また、燃費性能においては、執筆時点(2018年7月2日)で最新モデルは40.8㎞/Lとなっています。抜群の燃費を誇るため、長距離移動が多い方にとっては非常に魅力的なポイントです。

 

プリウスを中古車で購入する際に気をつけること

プリウスに限らず、中古車を購入する際は、車両状態をしっかり確認した上で検討しなければなりません。

特にプリウスは、一般的な車などとは違い、ハイブリッドモデルとなっているため、駆動用バッテリーや電気制御系統には注意が必要です。

プリウスのバッテリーは、ハイブリッド車特有の駆動用バッテリーと通常の車同様の補機バッテリーの2つが存在します。ハイブリッド特有の駆動用バッテリーはプリウスを走らせるために重要な箇所ですので、念入りに確認をすることをおすすめします。

 

まとめ

今回は、発売当初から今でも高い人気を誇るプリウスの故障についてご紹介してきました。

これまでにはないデザインやシステムで、素晴らしいカーライフをもたらしてくれるプリウスですが、一般的な車では考えられないような故障の可能性も考えられます。

中古車購入時には、プリウスのことに精通した整備士の方に状態をしっかり確認してもらったうえで、購入を検討するようにしてください。