レトロ感あふれる軽自動車として、発売が終了した今もなお「欲しい!」「乗りたい!」という声があるほど、たくさんの方に愛されたダイハツ ミラジーノ。販売終了から約10年という月日が経ちましたが、街で見かけることも多いですよね。そんなダイハツ ミラジーノですが、故障(不具合)はどうなのでしょうか。ここでは、ダイハツ ミラジーノの故障や不具合、修理費用などについて徹底解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
目次
ダイハツ ミラジーノは故障(不具合)が多いのか?
ダイハツ ミラジーノに関する故障(不具合)の声
40代/女性
形も可愛く、小回りが効くのでミラジーノの中古車を立て続けに2台乗り継ぎました。大きな故障はありませんでしたが、2代目となると故障しても交換部品があるのかどうか心配ですね。
50代/女性
10年くらいミラジーノに乗っていますが、これまでの故障は1回で、ウォーターポンプが壊れたことくらいです。車高が低くやや乗りづらい面もありますが、気に入っているのでこれからも乗り続けようと思います。ただ、車体自体が古いのでいつまでもつか心配ですね。
40代/男性
長いこと乗っているので、色々と壊れましたね。ウォーターポンプからの水漏れや、O2センサーの故障、オルタネーターの故障、パワステスイッチが故障など、本当に色々ですね(笑)頻繁にメンテナンスをしているので、まだまだ走れないということはありませんが、もうそろそろ手放す時期かなと思っています。
30代/男性
中古車です。購入してからは故障はありませんが、購入前に電動格納ミラーが故障していました。
60代/女性
十数年この車に乗っていますが、大きな故障はなく、オイル滲みが一度あったくらいです。故障もせずよく動いてくれる車だと思います。
60代/男性
エンジンの故障、エアコンの故障がありました。
ダイハツ ミラジーノの故障(不具合)が多い箇所
国産自動車メーカーのダイハツから発売されているということもあり、故障や不具合に関しては高く信頼している方も多いと思います。
しかしながら、工業製品である以上、ダイハツ ミラジーノに故障や不具合が生じない可能性はゼロではありません。
ダイハツ ミラジーノにも故障しやすい箇所というのがいくつかあり、次の様な部品は比較的故障が多いので注意が必要です。
- エアコンの故障(特に初代モデル)
- バブルタイミング機構の故障
- 電動格納ミラーの故障・不具合
- エンジンマウントの故障(不具合)
- オルタネーターの故障(不具合)
- EFエンジンの不調
ダイハツが発表しているミラジーノに関する故障・不具合・リコール情報
ダイハツ ミラジーノのリコールについて調査いたしましたが、ダイハツ公式サイトおよび国土交通省のリコール届一覧には記載がありませんでした。
過去の故障事例はあるものの、リコールが発表されることはなかったのかもしれません。
中古車を購入する場合は、リコールが出されていないか、リコール対応がなされているか確認することは当然ですので、心配な方は、購入前にダイハツに問い合わせてみると良いでしょう。
また、リコールの届けはありませんでしたが、下記のサービスキャンペーンは行われていましたので、記載します。
エンジンの燃料制御プログラムに関するサービスキャンペーン(2007年12月19日)
排出ガス性能が平成17年基準値の75%低減レベル認定車両において、エンジンの燃料制御プログラムが不適切なため、使用過程中の排出ガス性能が十分でないものがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-L650S | L650S-0000077~L650S-0055492(平成16年11月22日~平成19年2月26日) |
動力伝達装置に関するサービスキャンペーン(2005年3月29日)
動力伝達装置において、副変速機のインプットシャフトのオイルシール摺動面に荒れたものがあります。そのため、長期間に亘り継続使用すると変速機のオイルが移動して、副変速機の呼吸弁から徐々にオイルがにじむおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
CBA-L660S | L660S-0000062~L660S-0000796(平成16年11月22日~平成16年12月2) |
ダイハツ ミラジーノ各部品の修理費用
ここでは、ダイハツ ミラジーノの故障における、各部品の修理費用の相場をご紹介します。
故障(不具合)箇所 | 費用 |
---|---|
バブルタイミング機構の故障(VVT) | 2万円前後 |
エアコンの故障 | コンプレッサーの交換:20万円程度 |
エアミックスダンパーの交換:千円前後 | |
エンジンマウントの故障 | 2万~3万円程度 |
電動格納ミラーの故障 | 4万円前後 |
オルタネーターの故障(不具合) | 5万円前後 |
EFエンジンの不調 | ISCVの修理の場合5万円~ |
ダイハツ ミラジーノオーナーの評判
ここまで、ダイハツ ミラジーノに関する故障や不具合、修理費用などについてみてきましたが、それ以外の評判はどうなのでしょうか。
過去に所有したことがある方、現在も所有している方などオーナーの評判を集めてみました。
まずはポジティブな評判をご紹介します。
- 見た目がかわいい
- 現行車種にも引けを取らない燃費の良さ
- ハンドリングが軽い
- 乗り心地も意外と良い
- 小回りが効く
- 路地でも難なくスイスイ走れる
- 視界が良い
- 昔ながらのコンパクトな軽
一方で、ネガティブな評判として以下が挙げられました。
- やはり軽、積載性はない
- さすがに定員いっぱいのるときつい
- 路面の凸凹を拾いやすいため、乗り心地はいまいち
- 遮音性に欠ける
ミラジーノとはどんな車?
クラシカルなエクステリアが印象的なミラジーノは、ダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)が1999年〜2009年にかけて製造・販売していた軽自動車です。当初、5代目ミラの追加グレードとして設定されていましたが、2代目からは独立してミラジーノという車種が販売されていました。
その特徴は何と言ってもかわいらしい、クラシカルな出で立ちです。
車体の安さ、維持費の安さなどのみを求めるだけの時代は終わりつつあり、個性が求められるようになった1990年代後半に登場したミラジーノは、まさに異彩を放つ存在として注目を浴びた車種でした。
車名を知らない人でも、一見すれば「あれがミラジーノか!」と判別できるほどオリジナリティが豊かでありながら、いたってシンプルなエクステリアも人気を集めた大きな要因でしょう。
1999年に登場した初代ミラジーノは、かつて1960年代にダイハツが販売していたコンパーノの前期モデルをモチーフにしているとされています。木目調パネルを実装したインパネ、ウッドコンビハンドルなども特徴的でした。
その後、2004年にフルモデルチェンジが施され、2代目ミラジーノとして5年間、販売され続けた訳ですが、未だに初代・2代目いずれも人気が高いという息の長い車種でもあります。よりクラシカルだった初代ミラジーノの方はダイハツ好き、ミラジーノ好き、クラシカル好きに人気が高く、2代目よりも中古車価格が高いケースも珍しくありません。
そんなミラジーノの歴史やスペック、中古車価格などをご紹介していきます。
当時からすでに高い安全性能を備えていた
初代ミラジーノに設定されていたのは、EF-VE型3気筒DOHD12バルブエンジンの「ミラジーノ」と、EF-DET型3気筒DOHC12バルブ&インタークーラー付きターボエンジンを搭載した「ミラジーノターボ」の2モデルでした。
FF(前輪駆動)と4WDが設定され、トランスミッションはそれぞれ5速マニュアルトランスミッション、3速および4速オートマチックトランスミッションが用意されていました。
発売から1年半ほど経過してから一部改良が施され、安全性能が向上しています。
具体的には、「アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)」「トラクション・コントロール・システム(TCS=駆動輪空転防止装置)」そして「エレクトリック・スタビリティー・コントロール(ESC=横滑り防止装置)」などを組み合わせた「ダイハツ・ビークル・スタビリティー・コントロール・システム(DVS)」をオプションとして選択可能にしています。
DVSにより、雨や雪、そのほか滑りやすい路面状況下において安全かつ快適な走行を実現しています。1999年当時にしては、かなりしっかりした安全性能が搭載された軽自動車だったと言えるでしょう。
さらに2000年に入ってからも安全性能の向上が施されます。2000年7月の一部改良では、「プリテンショナーシートベルト」「助手席エアバッグ」が一部のグレードに追加設定されています。
プリテンショナーシートベルトとは、前面衝突時にシートベルトの“たるみ”を巻き取る機構と、乗っている人にかかる“シートベルトの拘束力”を一定に保つリミッター機構によって構成されているシートベルトです。
さらに、同年10月におこなわれたマイナーチェンジにおいて、衝突安全機能を総合的に向上させた進化ボディ「トータル・アドバンスト・ファンクション・ボディ(TAF=タフ)」や、安全面を考慮した使いやすいアイテムをそろえたインテリア「ソフィ」などを採用しています。
このように、ミラジーノは早くから安全性能を追求してきた軽自動車だったのです。
アフルモデルチェンジ以降は環境性能も大きく向上
2001年の一部改良では「トパーズ触媒」を採用して低排出ガス性能を向上させ、2004年には「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」認定を取得するなど、初代でも環境性能の向上に対する意識は高くあったミラジーノ。
2004年にフルモデルチェンジが施されたタイミングで、さらにその性能は格段と向上しています。
エンジンには、ターボチャージャーやスーパーチャージャーといった過給機を使用しない「自然吸気エンジン」を採用し、それを4速オートマチックトランスミッションとの組み合わせのみにしています。
さらに、ダイハツが世界で初めて実用化に成功した「インテリジェント触媒(※)」を採用したことにより、ミラジーノの2WD車は「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(2WD車)」認定を、4WD車は「平成17年基準排出ガス50%低減レベル」および「平成22年度燃費基準」を取得しています。
※インテリジェント触媒とは排気ガス中で貴金属が自己再生することにより、初期の性能を維持することができる自動車用の触媒です。2002年にダイハツが世界で初めて、実用化に成功した技術です。
もちろん、フルモデルチェンジで変化したのは環境性能だけではありません。新たな上質感を加えた、クラシックとモダンの融合をテーマに開発されたボディーは、初代のクラシカルな出で立ちを継承しつつも上質さを向上させ、かつキャビンを広く設計するなど近代化に成功しています。
発売から10年後の2009年2月、ダイハツはミラジーノの生産を終了し、翌3月に販売を終了しています。わずか10年という短い歴史でしたが、その中でもミラジーノは確実にインパクトを与え、一時代を築いたと言えるでしょう。
ミラジーノのスペックなど基本情報
ミラジーノにはいくつかのグレードやモデルが設定されていますが、ここでは初代ミラジーノ、2代目ミラジーノそれぞれの基本的なスペックをご紹介します。
初代ミラジーノ(1999年〜2004年)
ボディータイプ | 3ドアハッチバック / 5ドアハッチバック |
寸法 | 全長3395mm / 全幅1475 mm / 全高1425mm |
ホイールベース | 2360mm |
乗車定員 | 4名 |
エンジン型式・種類 | EF-VE型直列3気筒 12バルブDOHC / EF-DET型直列3気筒12バルブDOHCインタークーラー付きターボ |
総排気量 | 660cc |
駆動方式 | 2WD(FF=前輪駆動) / 4WD(四輪駆動) |
トランスミッション | 5速マニュアルトランスミッション / 3および4速オートマチックトランスミッション / CVT |
2代目ミラジーノ(2004年〜2009年)
ボディータイプ | 5ドアハッチバック |
寸法 | 全長3395mm / 全幅1475 mm / 全高1515mm |
ホイールベース | 2390mm |
乗車定員 | 4名 |
エンジン型式・種類 | EF-VE型直列3気筒 12バルブDOHC |
総排気量 | 660cc |
駆動方式 | 2WD(FF=前輪駆動) / 4WD(四輪駆動) |
トランスミッション | 4速オートマチックトランスミッション |
ミラジーノの中古車価格
色褪せることのないスタイルで販売終了から10年が経過する今も、巷には「ミラジーノ専門店」もあるほど人気をキープし続けているなど、人々を魅了し続けているミラジーノ。中古車価格や狙い目はどのあたりか、見ていきましょう。
2019年7月の調査時点では、およそ1800台の中古車情報が確認できました。価格帯は1万円〜80万円程度、平均相場は30万円前後となっています。
狙い目となっているのは、1999年〜2004年に販売されていたミラジーノ、つまり初代です。L700型と呼ばれるモデルの人気が高く、ファンも多くいます。標準ベースの個体も人気ですが、特にフロントグリル内にフォグランプが実装され、アルミホイールを履いている“ミニライトスペシャル”が狙い目です。
価格帯も20万円〜50万円程度となっていますので、予算も組みやすいのではないでしょうか?もちろん、2代目ミラジーノもおすすめです。特に2006年に発売された特別仕様車「プレミアムL」は、メッキパーツ、木目調インパネ、ウッドステアリングホイールなど特別感満載で人気があるにも関わらず、概ね50万円前後で購入できます。
フル塗装済みだったり、ホワイトルーフ仕様車だったりなど、探していくと個性豊かなミラジーノも散見されます。ぜひ中古車情報をチェックして唯一無二のミラジーノを探してみてはいかがですか?
ダイハツ ミラジーノを中古車で購入する際に気をつけること
冒頭でもご紹介した通り、ダイハツ ミラジーノは販売終了してもなお、人気の高い軽自動車ですので、中古車で購入しようと検討している方も多いことでしょう。
ここでは、ダイハツ ミラジーノの中古車を購入する際の注意点をまとめてみました。
- 定期的なメンテナンスが行われてきた車両であるか
- エンジン始動時にガクガクとした異音や振動、違和感などがないか
- 電動格納ミラーやエアコンなど正常に稼働するか
- 下廻りにオイル漏れなどの跡がないか
- 車体に歪みやへこみがないか
上記の他、ダイハツ ミラジーノの中古車を購入する場合は、バッテリーやシャフトブーツに劣化が生じていないか確認することをお勧めします。
特にバッテリーは劣化が生じていなくても、ある程度年数が経っていることが考えられますので、クーラーを使用したりすることを考えれば、新品に交換しておくことで安心できるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、レトロな雰囲気を持つコンパクトな軽自動“ダイハツ ミラジーノ”の故障(不具合)について解説してきました。
現在、ハイワゴンタイプの軽自動車が注目を浴びていますが、小回りが効く、燃費が良い、レトロなデザインなど様々な魅力がたっぷり詰まった車両と言えるミラジーノ。
ぜひ、この機会に購入を検討してみてはいかがでしょうか。