レクサス SCは故障(不具合)が多い?故障事例や修理費用など徹底解説

レクサスブランド化に伴い、旧トヨタ ソアラがレクサスSCとして名前が変更され、販売されてきた、レクサスSC。お洒落なカラーが特徴で、ワクワク、ドキドキさせてくれる車両であり、最もレクサスらしい車両として人気を博したレクサスSC。ここでは、そんなレクサスSCの故障や不具合、リコール情報など解説していきます。

レクサス SCは故障(不具合)が多いのか?

レクサス SCに関する故障(不具合)の声

50代/男性

デザインに一目ぼれし購入してから10年程乗っていました。その間の故障といえば、リアウィンドウの下角から雨漏りがあり、トランクが水浸しになった経験があります。そのほかは特にありません。

60代/男性

以前乗っていましたが、ルーフの電動開閉は結構故障していたかもしれません。そのたびに点検や交換を行ってもらっていたのも、今ではいい思い出ですが……。

70代/男性

オープンカーにはありがちですが、ボディの剛性はあまりないですね。なので、ボディから異音がすることはありました。それでもデザインは素晴らしかったと思います。

40代/男性

レクサスSCを中古車で購入しました。購入してから割とすぐにオイル漏れがありましたね。あとは、ルーフの開閉スイッチが点灯しっぱなしなどの不具合がありました。

レクサスSCの故障(不具合)が多い箇所

レクサスといえば国内トップの自動車メーカーであり、故障や不具合などの信頼性においても高い評価を受けています。

しかしながら、工業製品である以上、故障や不具合が全く起こらないとは言えません。

レクサスSCにも故障(不具合)が生じやすい箇所があり、下記の部分は注意しておくことをお勧めします。

  • ルーフの開閉に関する故障(不具合)
  • パワーステアリングオイルの漏れ
  • コンプレッサーの故障(不具合)

レクサスが発表しているSCに関する故障・不具合・リコール情報

助手席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)における不具合(2019年8月29日届)

助手席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なため、温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。このため、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
DBA-UZZ40(SC430) UZZ40-9000000~UZZ40-9021961(平成17年 8月 1日~平成22年 7月16日)

助手席用二段展開制御式エアバッグのインフレータ(膨張装置)における不具合(2016年3月2日届)

助手席用二段展開制御式エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、原因は判明していませんが、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあることから、全車両、予防的措置として、当該インフレータを交換します。

対象車両

型式 車台番号
DBA-UZZ40(SC430) UZZ40-9018378~ UZZ40-9021961(平成20年 1月 7日~平成22年 7月16日)

助手席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)における(2015年6月25日届)

全車両、予防的措置として、助手席用エアバッグインフレータを新品と交換、回収して不具合原因調査を実施します。なお、部品が供給できない場合には、暫定措置として助手席用エアバッグの機能を停止するとともに、助手席サンバイザ部に当該エアバッグが作動しない旨の警告を表示します。

対象車両

型式 車台番号
DBA-UZZ40(SC430) UZZ40-9000000~UZZ40-9018413(平成17年 8月 1日~平成19年12月27日)

レクサスSC各部品の修理費用

ここでは、レクサスSC各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

故障(不具合)箇所 費用
ルーフの開閉に関する故障・不具合 ほとんどの場合、無償交換となる
パワーステアリングオイル漏れ 10万円弱
コンプレッサーの故障 10万円以上
オルタネーターの故障・不具合 5万円程度~

なお、故障事例として多くあげられる“ボディからの異音”については、剛性の弱さが原因と言われ、ボディの変形などによっておこる症状です。

この場合、フレームなど歪んだ箇所を元に戻すことで直すことができますが、一時的なものに過ぎません。たとえ歪みを元に戻したとしても、元々の剛性が強くないため、走行を続けることで同じ歪みを発症する可能性が高いです。

どうしてもボディの異音が気になるという方は、定期的に板金店で歪みを補正すると良いかもしれませんね。

レクサス SCオーナーの評判

それでは、レクサスSCを所有したことのある方や、現在も愛用し続けている方の評判はどうなのでしょうか。

ポジティブな評判とネガティブな評判に分けてご紹介していきます。

ポジティブな評判

  • とにかく外装のデザインがかっこいい!
  • 高級感がある
  • 故障が少ない
  • 加速スピードにびっくりする!
  • 車の運転が楽しい
  • 優雅に走れる
  • 2人で乗るには十分な広さ
  • トランクも割と広い
  • 希少価値が高い
  • ゆったりなシートが良い
  • オープン時の解放感が素晴らしい!

ネガティブな評判

  • 内装のデザインはやや古い感じ
  • 若干、ブレーキが弱い
  • 長時間の運転は疲れるかも
  • きしみ音が多い
  • ラジオを聴こうとするとアンテナが伸びる(笑)
  • 若干、馬力が少ない

レクサスSCとはどんな車?

レクサスSCは、車名の通りレクサスが販売していた乗用車で、初代はクーペタイプ、2代目はカブリオレタイプでした。

レクサスは、トヨタ自動車(以下、トヨタ)が展開する高級車ブランドで、北米で開業したのち、日本に逆輸入されたブランドでもあります。

実は、レクサスSCは、日本でも「3代目トヨタ・ソアラ」および「4代目トヨタ・ソアラ」として販売されていた実績があります。簡単に言えば同じ車が、異なる車名で販売されていた、ということです。これはトヨタとレクサスという別ブランドが販売していたためです。

2005年8月、いよいよレクサスが日本に上陸し、本格的に日本国内にレクサスブランドを展開し始めます。このとき、レクサスSCはすでに販売されていましたので、レクサスの開業にともない「ソアラ」の車名は廃止され、「レクサスSC」に変更(統一)されました。

ということで、レクサスSC=ソアラだったわけですから、「あれ?ソアラでは?」と思った方は正解です。

レクサスSCは1991年〜2001年にかけて販売された初代、そして2001年〜2010年にかけて販売されていた2代目があります。

2017年にはレクサスLCが登場していますが、この間(2010年からの7年間)は、いったん、レクサスSCおよびソアラの生産・販売が中止されています。実に約29年続いたソアラの歴史が、幕を下ろした瞬間でもありました。

SUPER GTにも参戦していた経歴を持つレクサスSC

レクサスSCの初代は1989年にすでに開発されており、当時、北米で開業していたレクサスブランドとしては初めてとなる「クーペ」タイプだったことから、早い段階から注目を集めていました。

そして1991年「レクサスSC400」、翌1992年には同「SC300」が発売されています。1992年「インポートカー・オブ・ザ・イヤー」の受賞を皮切りに、1992年から4年連続で「テン・ベストカー」に選出されるなど、北米では非常に高い評価を得ていました。

こうした海外での高評価を記念して、日本では1992年7月に「アメリカ・カー・オブ・ザ・イヤー受賞記念車」として2.5GTターボがベースの特別仕様車も発売されています。

なお、同モデルの日本版、つまり3代目のZ30型ソアラ4.0GTは、トヨタ・セルシオ(レクサスLS400)と同じ、4リッターのV型8気筒エンジン(1UZ-FE型)が搭載されていました。

2代目レクサスSCは、前述したようにカブリオレタイプで、自動開閉式のアルミニウム製ハードトップが採用されていました。カブリオレとは、いわゆるオープンカーの仲間です。

日本では2001年より「4代目トヨタ・ソアラ」として販売開始されていましたが、前述のように2005年8月より「レクサスSC」としてレクサスに移行され、同時にマイナーチェンジが施されました。

マイナーチェンジによって各種装備品がオプションから標準化されたほか、メーカー保証、コンシェルジュサービスなども強化されたことで、価格は4代目ソアラよりも高くなり、よりレクサス感が強くなっていきました。

また、レクサスSCは、SUPER GTに参戦した経歴を持っています。それまで参戦していたトヨタ・スープラの後継車としての参戦です。

しかも、デビュー年となる2006年、翌2007年と立て続けに鈴鹿サーキットで開催された開幕戦で優勝という快挙を成し遂げるなど、まさにレクサスブランドが自動車界に旋風を巻き起こした時代でもありました。

「高級の“本質”を追求する」というレクサスブランドの信念

「レクサス=高級ブランド」とは今でこそ当たり前になっていますが、そこにはレクサスブランドが掲げる信念「高級の“本質”を追求する」というテーマがしっかりと根付いているのです。

2005年7月、トヨタがレクサス開業およびGS、SC、ISの発表にともなって流したプレスリリースには

「最高の商品を最高の販売・サ-ビスで提供する」、「ユーザーがレクサスと過ごすいかなる瞬間も“ときめき”と“やすらぎ”に満ちた最高の時間とする」、そのためにも「開発・生産・販売の全ての面で妥協のない取り組みを続ける」と、レクサスブランドにかける熱い想いが綴られていました。

このとき、レクサスSCのテーマは「レクサスの華」であり、「極限の美しさを追求したスポーツクーペ」でした。

最高・極限など最上級の表現が並ぶコメントとなっていますが、レクサスSCをはじめとするレクサスブランドは、まさに一切の妥協なしにデザインから開発、品質などの基準を厳しく定めています。

開発では「Impressive(印象的)」「Dynamic(動的)」「Elegant(優雅)」「Advanced(先進)」「Lasting(普遍)」の頭文字をとって「I.D.E.A.L」を掲げ、500項目におよぶ商品基準を設けるなど、文字通り「高級の“本質”を追求」するブランドテーマを確立させています。

レクサスSCは生産終了からはや9年が経過しましたが、まったくもって色褪せることのないデザイン、走行性能、各機能、衰えるどころか未だにコアなファンが大勢いることなどを考えると、奥深いところにある魅力にも気づかされます。

レクサスSCのスペックなど基本情報

レクサスSC(2代目)の基本スペックを見ていきましょう。なお、2代目レクサスSCのデザインは、ギリシャ人デザイナーで、あのトヨタ・ヴィッツ(初代)のデザインも担当していたソティリス・コヴォス氏です。日本人の感覚とは違う美しさ、さすがですね。

レクサスSC(2代目)

ボディタイプ 2ドアクーペ(カブリオレ)
乗車定員 4名
駆動方式 後輪駆動
寸法 全長4535mm / 全幅1825mm / 全高1355mm
ホイールベース 2620mm
車両重量 1740kg
エンジン 3UZ-FE型(V型8気筒DOHC)
トランスミッション 5速オートマチックトランスミッション(2001年〜2005年)
6速オートマチックトランスミッション(2005年〜2010年)
最高出力 206kW (280PS) / 5600rpm
最大トルク 430N・m (43.8kgf・m) / 3400rpm
内径×行程 91.0mm×82.5mm
圧縮比 10.5
総排気量 4292cc
燃費 8.7km/L(10モード / 10・15モード)
燃料 無鉛プレミアムガソリン
燃料供給装置 電子制御式燃料噴射装置
燃料タンク容量(L) 75

なお2006年の年次改良によって、ETCと併せてSRSニーエアバッグが、運転席および助手席ともに標準装備となっています。

また、レクサスSCの生産終了のアナウンスにともなって発表された特別仕様車「The Eternal Jewel」では、インテリアに14種類のカラーコンビネーション、エクステリアに6種類のカラーコンビネーションが設定されています。

レクサスSCの中古車価格

ため息が出るような美しさ、過去のモノにしてしまうのは勿体なさすぎるほどのクオリティ、どれをとっても一級品のレクサスSC、手に入るものなら、一度は乗ってみたいと思いませんか?

新車の販売価格(メーカー希望小売価格)はおよそ710万円(レクサスSC430の例)でしたが、中古車価格はどれくらいになっているのでしょうか?

当然、人気車種ということもあり、中古車市場にはそこまで多く流通していません。希少車から比べればまだ多いほうかもしれませんが、2019年6月の調査時点で確認できたレクサスSCの中古車は95台ほどでした。

気になる価格帯ですが、60万円〜340万円程度、平均相場は160万円前後となっています。まったく手が届かないという価格帯ではないですね。

ただ、そうは言ってもレクサスSCです。100万円未満の個体は特に、走行距離20万kmオーバーや、そもそも走行距離が不明といったものもラインナップされています。

150万円前後であれば、10万km未満のものが多く本革シート、赤シート、「マークレビンソン・プレミアムサラウンドシステム(のちに標準装備となるオプション)」搭載などといった個体もかなりあります。

200万円前後になってくると、フルエアロ、車高調、レザーシートにワンオーナーなど、レクサスSCの魅力を存分に味わうことができそうなものも並んでいます。

予算との相談になるかもしれませんが、もしかすると掘り出し物が見つかるかもしれません。ぜひ中古車情報をこまめにチェックして、買いの一台を見逃さないようにしましょう。

レクサスSCを中古車で購入する際に気をつけること

最後に、レクサスSCを中古車で購入する際の注意点をまとめてみました。

購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • パワーステアリングオイルや、ラジエーターなどからの液漏れがないか
  • タイミングベルトの交換時期を過ぎていないか
  • エンジン始動時に異音がしないか
  • ルーフ開閉やウィンドウなどのスイッチ類に不具合がないか
  • ルーフの開閉はスムーズにできるか
  • サスペンションやブレーキフルードなどに錆が生じていないか
  • ステレオやエアコンなど内部装飾に不具合がないか

上記のような点に注意しておきましょう。

また、購入時の点検において部品がサビていたり、劣化したりしている場合は、納品前に交換しておいてください。

長く保管されていた車両であれば、さほど劣化していない部品でも出来る限り新しいものに交換しておくと、納品後のトラブルも最低限に抑えられるでしょう。

まとめ

今回は、レクサスSCの故障や不具合、修理費用などについて解説してきました。

平均相場160万円と手に届く価格帯でありながら、世界的に見ても信頼性の高いレクサス車両のレクサスSC。たとえ中古車であったとしても、前オーナーのメンテナンスが定期的に行われていれば、長く愛用し続けられることでしょう。

車の走りを楽しみたい、オープンカーで颯爽と走り抜けたいなど、レクサスSCは私たちのカーライフをより魅力にしてくれる1台です。

ぜひこの機会に購入を検討してみてください。