BMW X５は故障（不具合）しやすい？過去の故障事例やリコール情報を交えてご紹介

高級SUVとして日本でも人気の高いBMW X５。その魅力と言えば圧巻させる外観と存在感ではないでしょうか。威圧的な風貌はあるものの、燃費性能が非常に高く、エコカー減税の優待額も大きくなっています。デザイン、燃費性能、走行性などあらゆる面において私たちを魅了するBMW X５ですが、故障（不具合）についてはどうでしょうか。今回は、BMW X５の故障や不具合に迫ります。

BMW X５は故障（不具合）が多いのか？

BMW X５に関する故障（不具合）の声

BMW X５の故障（不具合）が多い箇所

最近では、輸入車の故障（不具合）も減少傾向にあり、輸入車を含め購入を検討している方も多いことでしょう。

しかし、国産車に限らず輸入車も、工業製品であることに違いありません。そのため、車に故障や不具合が生じる可能性はあります。

BMW X５にも故障（不具合）しやすい箇所というのがいくつかあり、次の様な部品は比較的故障が多いです。

BMWが発表しているX５に関する故障・不具合・リコール情報

エアバッグ装置（インフレータ）に関する不具合（2019年７月25日届）

運転席用エアバッグのインフレータ（膨張装置）の補給用部品において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なものがある。そのため、車両の修理時に当該インフレータに交換し、そのままの状態で使用を続けると、高い湿度の環境下で大きな温度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化し、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがある。

対象車両

エアバッグ装置に関する不具合（2018年12月19日届）

運転席用エアバッグのインフレータ（膨張装置）において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切であった場合、高い湿度の環境下で大きな温度変化を繰り返すと、ガス発生剤が劣化することがある。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがある。

対象車両

エンジン（排気ガス再循環装置モジュール）に関する不具合（2018年11月27日届）

ディーゼルエンジンの排気ガス再循環装置（EGR）モジュールにおいて、排気ガス冷却装置の耐久性が不十分であるため、冷却水が漏れるものがある。そのため、排気ガスに含まれる煤が冷却水と混合して排気ガス再循環装置（EGR）モジュールの内部に堆積し、高温になった堆積物がインテークマニホールドに流入し付着して、インテークマニホールドが溶損すると、エンジン出力が低下するとともに、エンジン警告灯が点灯し、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

対象車両

エンジン（排気ガス再循環装置モジュール）に関する不具合（2018年８月31日届）

ディーゼルエンジンの排気ガス再循環装置（EGR）モジュールにおいて、排気ガス冷却装置の耐久性が不十分であるため、冷却水が漏れるものがある。そのため、排気ガスに含まれる煤が冷却水と混合して排気ガス再循環装置（EGR）モジュールの内部に堆積し、高温になった堆積物がインテークマニホールドに流入し付着して、インテークマニホールドが溶損すると、エンジン出力が低下するとともに、エンジン警告灯が点灯し、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

対象車両

原動機冷却装置（電動補助クーラント ポンプ）に関する不具合（2018年７月21日届）

ターボチャージャーを冷却するための電動補助クーラントポンプの作動用回路の設計評価が不十分なため、当該ポンプ内の温度及び圧力が上昇すると、回路基板上に金属物質が生成されることがある。そのため、回路がショートし、プラグ接続部が焦げ付き、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

対象車両

エンジン（ブローバイヒーター）に関する不具合（2018年５月10日届）

エンジンのブローバイガス還元装置において、ブローバイガスヒーターの成形加工が不適切なため、外装樹脂にクラックが発生するものがある。そのため、クラックに水分が浸入すると、クラックが拡大し樹脂内部にある電熱線ヒーターの回路が短絡して警告灯が点灯し、そのまま使用を続けると、ヒーターが異常発熱して外装が溶け、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

対象車両

エアバッグ装置に関する不具合（2017年10月23日届）

運転席用または助手席用のエアバッグのインフレータ（膨張装置）において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切であった場合、高い湿度の環境下で大きな温度変化を繰り返すと、ガス発生剤が劣化することがある。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがある。

対象車両

動力伝達装置に関する不具合（2017年３月24日届）

フロント プロペラシャフトにおいて、ユニバーサルジョイントの製造が不適切なため、ベアリング部に水や泥が浸入することがある。そのため、浸入した水や泥によりベアリングが腐食し、そのままの状態で使用を続けると異音や振動が発生し、最悪の場合、ユニバーサルジョイントが破損するおそれがある。

対象車両

かじ取り装置(電動パワーステアリング)に関する不具合（2017年３月３日）

電動パワーステアリングで、制御ユニット内の基板の製造工程が不適切なため、端子部の溶接が確実に行われていないものがある。そのため、端子部の溶接が外れてしまいパワーステアリングのアシストが失われ、最悪の場合、基板内に過大な電流が流れて過熱し、車両火災に至る恐れがある。

対象車両

エアバッグ装置（インフレータ）に関する不具合（2017年３月３日届）

運転席用エアバッグのインフレータ（膨張装置）の補給用部品において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なものがある。そのため、車両の修理時に当該インフレータに交換し、そのままの状態で使用を続けると、高い湿度の環境下で大きな温度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化し、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがある。

対象車両

エアバッグ装置（インフレータ）に関する不具合（2016年９月９日届）

車両により搭載しているエアバッグのインフレータの種類が異なるため、仕様に応じて以下の改善措置を行う。
①運転席用エアバッグユニットを対策品と交換する。
②運転席用と助手席用のエアバッグユニットを対策品と交換する。
なお、対策品の準備に時間を要することから、まずは全ての使用者に対しダイレクトメールにより連絡し、対策品が準備できた段階で再度連絡し、交換作業を行う。

対象車両

エアバッグ装置に関する不具合（2016年１月26日届）

運転席側エアバッグのインフレーター（膨張装置）において、エアバッグ展開時にインフレーター容器が破損して構成部品が飛散し、乗員が負傷するおそれがある。

対象車両

燃料装置（燃料ポンプ）に関する不具合（2015年２月13日届）

燃料ポンプにおいて、配線と端子の圧着作業が不適切なため、過度に圧着されているものがある。そのため、電気抵抗の増加によって当該部分が過熱して周辺部分が溶損し、燃料が漏れるおそれがある。

対象車両

動力伝達装置に関する不具合（2014年７月23日届）

フロント プロペラシャフトにおいて、ユニバーサルジョイントの製造が不適切なため、ベアリング部に水や泥が浸入することがある。そのため、浸入した水や泥によりベアリングが腐食し、そのままの状態で使用を続けると異音や振動が発生し、最悪の場合、ユニバーサルジョイントが破損するおそれがある。

対象車両

エンジンに関する不具合（2014年６月25日届）

インテーク側及びエキゾースト側の可変バルブ タイミング システムの調整ユニットにおいて、ボルトの強度が不足しているため、当該ボルトが破損することがある。そのため、システムが適切に作動せず、エンジン警告灯が点灯しエンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがある。

対象車両

リアドアロックに関する不具合（2014年５月29日届）

リアドアロック機構において、車室内からドアラッチを解除するレバーの成形が不適切なため、チャイルドセーフティロック作動時に車室内からドアを開けようとすると、チャイルドセーフティロックが解除されることがある。そのため、最悪の場合、リアドアが開くおそれがある。
（注）チャイルドセーフティロック：後席に子供を乗せた際、走行中に子供がドアを開けて転落することを防ぐための機構

対象車両

制動倍力装置に関する不具合（2013年３月12日届）

制動倍力装置のバキュームラインに装着されているチェックバルブの材質が不適切なため、密閉不良が起こりバキュームポンプから霧化したエンジンオイルが制動倍力装置に浸入し、内部ダイヤフラムが損傷することがある。そのため、当該倍力装置の気密性が保持できなくなり、最悪の場合、制動停止距離が長くなるおそれがある。

対象車両

原動機（クランクベンチレーション）に関する不具合（2012年６月27日届）

クランクベンチレーションにおいて、左右のベンチレーションラインをつなぐ接続ラインが、素材の強度不足のために損傷を受けることがある。その場合、警告灯が点灯し、アイドリングが不安定になり、最悪の場合エンジンが停止するおそれがある。

対象車両

原動機冷却装置（電動補助クーラント ポンプ） に関する不具合（2012年４月23日届）

ターボチャージャーを冷却するための電動補助クーラントポンプにおいて、ハウジングの製造工程が不適切であったため、ハウジングに亀裂が生じることがある。その場合、亀裂からクーラントや湿気が浸入することにより回路がショートし、プラグ接続部が焦げ付き、最悪の場合、車両の火災に至るおそれがある。

対象車両

原動機冷却装置（電動補助クーラント ポンプ）に関する不具合（2011年12月２日届）

ターボチャージャーを冷却するための電動補助クーラント ポンプの作動用回路の設計評価が不十分であったため、そのままの状態で使用を続けると、回路基板上に金属物質が生成され、回路がショートし、プラグ接続部が焦げ付き、最悪の場合、車両の火災に至るおそれがある。

対象車両

燃料供給装置（燃料ポンプ）に関する不具合（2010年11月29日届）

電動燃料ポンプのモーターにおいて、当該装置の製造工程が不適切なため、整流子が早期に摩耗し、最悪の場合、燃料ポンプが作動しなくなり、原動機が停止して再始動不能となるおそれがある。

対象車両

BMW X５各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

BMW X５オーナーの評判

どんな車であろうと故障（不具合）はつきものですが、実際に乗ってみなければわからないことも多いですよね。

ここでは、BMW X５オーナーの評判をポジティブ、ネガティブに分けてご紹介します。

ポジティブな評判

ネガティブな評判

BMW X５とはどんな車？

「X５」は“エックスファイブ”または“クロスファイブ”とも呼ばれています。ドイツのバイエルンはミュンヘンに本拠を構える大手自動車メーカー、BMWが製造と販売を手がけているSUV（スポーツ・ユーティリティー・ビークル）です。

一般的なジャンルとしてはSUVですが、BMWは「SAV（スポーツ・アクティビティー・ビークル＝Sports Activity Vehicle）」という造語を商標登録しており、それを引き合いに出して「まったく新たしいカテゴリーの乗用車」であると謳っています。

BMWの５シリーズをベースに開発されたモデルで、同社初となるSUVのX５は2000年に発表され販売が開始された乗用車です。日本でも、2000年10月に4.4LV型８気筒DOHCエンジンを搭載した「4.4i」の販売が開始されました。

2001年には3.0L直列６気筒DOHCエンジン搭載の「3.0i」および4.6LV型８気筒DOHCエンジン搭載のスポーティーモデル「4.6is」（いずれも５速オートマチックトランスミッション）が、2004年には「4.4i」のエンジン性能が向上したことで６速オートマチックトランスミッションモデルが追加されています。

ちょっとした余談ですが、アメリカの非営利団体で、自動車事故における損害や死傷率、その程度などを評価する活動を行っている「IIHS（米国道路安全保険協会）」の2006年の調査によれば、後方追突時の安全性が「POOR（悪い＝危険）」だったとのことです。

さすがに今は改善されていると思いますが、もしX５の中古車の購入を検討している場合、2006年までのモデルにはそうした評価があったことを頭に入れておくと良いでしょう。

その後、X５は2007年にモデルチェンジされ、２代目の販売が始まりました。初代と比べて全長165mm、全幅60mm、ホイールベースも110mm拡張され、ひと回り大きくなって登場しました。２代目販売開始当初、日本では3.0L直列６気筒DOHCを搭載した「3.0si」と、4.8LV型８気筒DOHCエンジンを搭載した「4.8i」が販売されました。

現行モデルは、2013年からの３代目X５となります。

日本初となる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載したことでも話題となったBMWのX５、その機能や魅力、基本スペック、中古車価格などを見ていきましょう。

ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能とは

BMW X５には、「車両周辺監視用」「中距離検知用」「長距離検知用」３つの単眼カメラが搭載されています。これらのカメラが捉えた映像などの情報は「Eye Q４」と名付けられた画像処理プロセッサーによって、超高速処理されます。どれくらい速いかというと、毎秒２兆5000億回もの演算能力を備えているほどです。すごすぎて、逆にイメージが湧きにくいですね。

走りながら目まぐるしく変化する道路や周辺の状況を正確かつ瞬時に分析し、レーンキーピング、長距離の危険予測、周辺の危険予測を実現できるシステム、と認識しておきましょう。

この３つの単眼カメラと画像処理プロセッサーのおかげで、渋滞時など一定の条件下において、ドライバーがステアリングから手を離しても自動でステアリング・アクセル・ブレーキを操作してくれる「ハンズ・オフ・アシスト」が可能となったのです。

もちろん、先行車とは適切な車間距離を保ったまま追従走行してくれますので、ドライバーの疲労軽減、負担軽減などに大きく寄与してくれるシステムと言えるでしょう。

このほか、夜間でも歩行者や動物などを検知してくれる「BMWナイト・ビジョン」、どんな道路状況下でも安定した走行を可能にする「前後重量配分50：50」、車線のはみ出し事故などを事前に防止する「ダイナミック・スタビリティー・コントロール」など、X５にはさまざまな安全性能が盛り込まれています。

ちなみに、先ほどIIHSの調査において「POOR」の評価をつけられてしまったとお伝えしたので、心配されている方もいるかもしれませんがX５のボディー剛性は向上していますので、２代目以降のモデルであれば過度に心配することはありません。

ほかにも魅力的な機能が満載！エンジンもさすがの一言

時速35km以下で走行時、直近で走行した50mのルートを自動で記録して、必要に応じて自動で後退してくれるという「リバース・アシスト」「後退時ステアリング・アシスト」機能というものが搭載されています。

駐車場などでバック走行しなければならないとき、狭い車道ですれ違えず、仕方なくバックするしかないときなど、こうした機能を利用してストレスなくバックすることができます。

また「アクティブ・クルーズ・コントロール」は、前走車との距離を保ちながら自動で加減速や車両停止までの操作を行うだけでなく、衝突回避および被害軽減ブレーキ機能を備えた前車接近警告機能も搭載されているなど、あらゆるリスクに対応できる安全運転支援機能が備わっています。

もちろん、エンジンも見逃せません。X５の直列６気筒ツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジンは最大トルク「620N・m」を発生させます。アクセルを軽く踏み込むだけで、パワフルな走りとエンジンの心地よいサウンドを体感することができます。

その一方、アルミニウムやカーボン・ファイバー強化樹脂といった超軽量かつ剛性ボディーのおかげで、車内の静粛性が保たれるなど、SUVが持つ走りの魅力とBMWが誇るSAVらしいラグジュアリーさが見事に共存している一台が、X５というわけです。

BMW X５のスペックなど基本情報

現行モデルのX５に設定されている「X５ xDrive35d」および「X５ xDrive35d M sport」の基本スペックをご紹介します。

X５ xDrive35d

X５ xDrive35d M sport

BMW X５の中古車価格

BMWが切り拓く新ジャンル「SAV」。そのフラッグシップモデルとしては十分すぎるほど、BMWの技術や知識、経験が詰め込まれたX５は、まさに「走りの楽しさ」と「高級感」の両方を味わえる、数少ないSUVと言えるでしょう。

新車販売価格は920万円〜999万円とほぼ1000万円クラスですが、中古車価格はどうでしょうか？

2019年７月の調査時点では、およそ300台のX５の中古車情報を確認することができました。価格帯は70万円〜870万円程度まで幅広くなっており、平均相場は450万円前後となっています。

平均相場だけ見れば新車のほぼ半額近くまで下がっていますので、もしかすると手頃なX５が見つかるかもしれませんね。

狙い目としては、2007年の２代目〜現行モデルですが、2007年など2代目初期モデルは100万円前後の個体もラインナップされているなど、意外とリーズナブルに購入できる可能性が高い世代でもあります。

ただ、３代目でも200万円〜300万円台で10万km未満、ワンオーナー、修復歴なしなどコンディションが良さそうなX５も並んでいますので、まずは中古車情報サイトでじっくり、どんなX５があるのか探してみるのはいかがでしょうか？

BMW X５を中古車で購入する際に気をつけること

最後に、BMW X５を中古車で購入する際の注意点をご紹介します。

BMW X５の中古車を購入する際の注意点は主に４つです。

前オーナーがどのように使用していたかについては、直接確認する方法はありませんが、エンジンの状態や各部品の消耗具合から判断することが可能です。

各種部品に詳しくないという方であれば、整備士を通して確認してもらいましょう。

BMW X５の中古車は安い車両であれば、100万円を切る車両もあります。

しかしながら、先に紹介した通り、BMW X５に故障（不具合）が生じた場合、多額の修理費用が必要です。中古車購入後に、大きな出費を避けるためにも、慎重に車両を選ぶようにしてください。

まとめ

今回は、BMW X５の故障や不具合についてみてきました。

昨今では、輸入車の精度も高くなり、故障（不具合）が少なくなってきている傾向にあると言われています。ただし、故障（不具合）が生じた場合、修理までの期間が長くかかったり、修理費用が２倍以上になってしまったりと、国産車と比較すると維持していくには、それなりの金額が必要です。

BMW X5の中古車を購入してから、もっと故障（不具合）に関して敏感に調べておけばよかった、と後悔しないためにも、しっかり見極めたうえで購入を進めていきましょう。