ダイハツ ミライースは故障(不具合)が多い?過去の故障事例やリコール情報などを交えて徹底解説

軽自動車の普及が高まるなか、地球にもお財布にもやさしい車として発売されたダイハツ ミライース。シンプルなデザインで、軽自動車の中でもコンパクトなボディサイズが特徴です。豊富なボディカラーの設定や、ゆったりとした車内空間を持っていることもあり、2012年には新車販売台数トップに立った経歴もあります。そんなダイハツ ミライースですが、やはり気になるところは故障や不具合ですよね。今回は、ミライースの故障(不具合)について徹底調査しました。ぜひ、参考にしてみてください。

ダイハツ ミライースは故障(不具合)が多いのか?

ダイハツ ミライースに関する故障(不具合)の声

20代/女性

初めての車だったので、価格や燃費を考えてミライースを購入しました。しかし、半年ほどたった際にエンジンがかからなかったことが。。心配ですぐにディーラーに持っていきましたが、もともとの仕様のようで、修理ではなく、エンジンがかかる方法?対応策?を教えてくれました。

40代/女性

ミライース発売と同時に購入し、ずっとお世話になっています。大きな問題は特にありませんが、バッテリーの劣化が早い気がします。あと、過去に1回だけCVTの警告灯が点灯したことがあります。何かしらの部品の掃除をして対応してもらいましたが、その後はありません。

30代/男性

営業車でミライースに乗っていますが、つい先日、エアコンが故障してしまいました。
バッテリーは頻繁に交換していましたが、エアコンは盲点でしたね(笑)すぐに修理してもらいましたが、やはりエアコンの修理は高い!!

20代/男性

安さにひかれてミライースにしましたが、安い分故障が多いのか……。エンジンの調子が悪い、ウォーターポンプからの水漏れ、エアコンの故障など立て続けに起こっています。安い分、修理や交換費用に金がかかるって最悪だな。

ダイハツ ミライースの故障(不具合)が多い箇所

車の製造過程においても日々進化をし続けていますが、どれだけ製造技術が向上しても、工業製品である以上、車に故障(不具合)が生じないとは言えません。

ダイハツ ミライースにも故障しやすい箇所というのがいくつかあり、次の様な部品には注意が必要です。

  • ウォーターポンプからの水漏れ
  • エンジンがかからないなどのエンジン不調
  • CVT制御につながる配線のトラブル
  • EGRバルブにおけるスラッジの発生
  • CVTにおける不具合や故障
  • バッテリーの劣化

ダイハツが発表しているミライースに関する故障・不具合・リコール情報

後輪ブレーキのシューとドラムの隙間を自動で調整する機構(ストラットセット)における不具合(2019年4月11日届)

後輪ブレーキのシューとドラムの隙間を自動で調整する機構(ストラットセット)において、部品組立時のグリス塗布作業が不適切なため、アジャス

対象車両

型式 車台番号
DBA-LA360S LA360S-0000062~LA360S-0002186(平成29年4月17日~平成29年5月30日)

自動無段変速機(CVT)のトルクコンバータにおける不具合(2017年3月30日届)

自動無段変速機(CVT)のトルクコンバータにおいて、内部ベアリングの製造が不適切なため、摺動面に凹凸があり、使用過程で凹凸により当該ベアリングが異常摩耗して破損することがあります。そのため、ベアリングの破片がトルクコンバータ内部に飛散し、異音が発生し、そのままの状態で使用を続けると、最悪の場合、破片がトルクコンバータ内部に噛み込み、停車時等にエンストして発進できなくなるおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
DBA-LA300S LA300S-0039630~LA300S-0043477(平成25年10月10日~平成26年1月30日)
LA300S-1203863~LA300S-1231625(平成25年10月9日~平成26年1月30日)
DBA-LA310S LA310S-1043106~LA310S-1049913(平成25年10月10日~平成26年1月30日)

ダイハツ ミライース各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

故障(不具合)箇所 費用
ウォーターポンプからの水漏れ 2万円前後
CVT制御につながる配線のトラブル 2千円程度
ERGバルブの故障(不具合) ERGバルブ交換の場合(純正部品)3万円程度
CVTにおける不具合・故障 CVTフルード交換の場合2万円前後
エアコンの故障(不具合) 交換の場合10万円以上
バッテリー交換 2万円前後

ダイハツ ミライースではバッテリーの劣化が早いと言われていますが、ミライースで使用されているバッテリーは、アイドリング車専用のバッテリーとなるため、一般的なバッテリーより値段が高くなる傾向にあります。

カー用品店などで購入する場合は2万円前後が相場となっていますが、インターネット通販サイトを利用することで、1万円前後もしくは1万円以下で購入することもできるようです。

ただし、持ち込みでバッテリー交換する場合は、通常の工賃より金額がプラスされることもあるため、事前に確認したうえで、交換の準備を進めましょう。

ダイハツ ミライースオーナーの評判

では、実際にダイハツ ミライースを所有している方や、所有したことのある方はどのような印象を持っているのでしょうか。

ポジティブな意見、ネガティブな意見に分けてご紹介します。

ポジティブな意見

  • コンパクトサイズなので駐車場でも扱いやすい
  • 燃費がいい
  • このボディサイズにしては広めの後部座席の足元
  • テールランプのデザインがかわいい
  • コスパが良い
  • 安全装備が充実している
  • この価格帯でスマートアシストがついているのは嬉しい
  • 後席ドアが大きく開くため、荷物の積み下ろしがしやすい
  • エンジン音が静か

ネガティブな意見

  • パワーがない
  • 加速が悪い
  • 小物収納スペースや買い物フックなどがない
  • シートが柔らかすぎる印象

ネガティブな意見でパワーがないという意見もちらほらありましたが、ミライースにはパワーを求めず、利便性を優先した使用用途で所有している方が多いようです。

仕事用や通勤用としてダイハツ ミライースを所有している人も多く、価格面と燃費性能を考えれば、多少の不満も問題ない考える人がほとんどでした。

ダイハツ ミライースとはどんな車?

「新・みんなのエコカー」ミライースは、大阪府池田市に本拠を構えるダイハツ工業株式会社(以下、ダイハツ)が製造や販売を手がける軽自動車です。

同じハッチバック型の軽自動車“ミラ”をベースとしていますが、その元となっているのは、2009年の「第41回東京モーターショー」に出展されたコンセプトカー“イース”とされています。

ダイハツ ミライースが初めて登場したのは2011年9月ですから、まだまだ歴史の浅い最近の軽自動車です。いきなり「2011年度グッドデザイン賞」を受賞したことでも話題になったため、覚えている人も多いのではないでしょうか?

ボディカラーの豊富さ、広々とした車内および荷室空間、地球にもお財布にも優しい低燃費性能、そして誰にでもマッチする質感の高いデザインなど、ダイハツ ミライースの魅力はあっという間に広がり、2012年には軽自動車部門の新車販売台数トップに輝いた実績を誇ります。

2013年にはマイナーチェンジ、2014年と2015年にそれぞれ一部改良などが加えられましたが、2017年5月、ついにフルモデルチェンジが発表され、現行モデルとなる2代目ミライースが販売されています。

2代目ミライースは軽量&高剛性ボディー構造の「Dモノコック」が採用されているほか、サイドアウターパネルの全面高張力鋼(ハイテン)化、その他部品の一体化などさまざまな工夫が盛り込まれたことで、初代と比べて最大80kgもの軽量化に成功しています。これにより、燃費性能も向上しています。

なお、車名のミラ「Mira」はイタリア語で“羨望”という意味の言葉で、イース「e:S」は「Energy Saving Technology」のEとSから、および、「Eco & Smart」のEとSから来ていると言われています。

そんなダイハツ ミライースの特徴や基本スペック、中古車価格を見ていきましょう。

燃費性能と走行性能はさすがのひと言!

ミライースには2WDと4WDがあり、またグレードも「B」「B“SA Ⅲ”」「L」「L“SA Ⅲ”」「X “SA Ⅲ”」「G “SA Ⅲ”」その他特別仕様車などさまざまなタイプがラインナップされていますが、いずれも高い燃費性能と走行性能を備えている優秀な軽自動車です。

たとえば2WDの「B」「B“SA Ⅲ”」「L」「L“SA Ⅲ”」などは「JC08モード35.2km/L」「WLTCモード25.0km/L」を実現し、同じく2WDの「X “SA Ⅲ”」「G “SA Ⅲ”」でも「JC08モード34.2km/L」、「WLTCモード25.0km/L」を実現しています。

「JC08モード」「WLTCモード」いずれも国土交通省が定める規格ですが、「WLTCモード」の方がより実燃費に近い数値を導き出せると言われています。

また、4WDにおいても「JC08モード32.2km/L」「WLTCモード23.2km/L」を記録するなど、高い燃費性能が際立っています。

ただ、いくら低燃費だから言って、ストレスが溜まる車ではいけませんよね。

ダイハツ ミライースには、イオン電流で燃焼状態を把握し再循環ガスを最大化する低燃費技術「クールドi-EGR」や、吸気バルブが閉じるタイミングを遅らせることで圧縮時の負荷を軽減させる技術、デュアルインジェクターの採用によって燃焼の安定化・効率化を図るなど、さまざまな走行性能が採用されています。

これにより、軽量化・低燃費化と加速の良さを両立させることに成功しています。

もちろん安全性能もハンパじゃない

ミライースの「B“SA Ⅲ”」「L“SA Ⅲ”」「X “SA Ⅲ”」「G “SA Ⅲ”」には「スマートアシストⅢ」という衝突回避支援システムが搭載されています。

前方の車両や歩行者などと衝突の危険が高まるとブザーやメーターで注意喚起、さらにその危険が高まると弱めの事前ブレーキが作動、ドライバーがブレーキを踏むと制動力を高めるサポート、それでも危険が近づくと緊急ブレーキが作動し衝突回避・被害軽減を支援してくれます。

ほかにも、時速60km以上で走行中かつカメラが車線を捉えている最中に車線から逸脱しそうになると警告してくれる機能や、前方および後方への誤発進に対する抑制・制御する機能、信号待ちにおける先行車発進お知らせ機能、オートハイビームなどさまざまな安全性能が惜しみなく組み込まれています。

もちろん、車体自体にも安全性を考えた工夫が施されています。ボディーは進化した衝突安全設計「TAF(Total Advanced Function)ボディー」を採用しています。

万が一の際でも十分な生存空間を確保できるかどうか、前面衝突、オフセット衝突、側面衝突、後面衝突などあらゆる角度からの衝突を想定した実験を重ねて完成されたボディーです。

ほかにも、歩行者への被害を軽減させるため、ボンネットフード、カウル、フェンダー、フードヒンジ、ワイパーピボットなどは衝撃緩和装置および吸収スペースなどが設けられています。

ダイハツ ミライースのスペックなど基本情報

ダイハツ ミライースにはさまざまなグレード・モデルが設定されていますが、その中でも基本となる2WD「L」4WD「L」そして特別仕様車「G “リミテッド SA Ⅲ”」をご紹介します。

ミライース「L」2WD・4WD

(カッコは4WDと2WDの数値が異なる場合の4WDの情報)

寸法 全長3395mm / 全幅1475mm / 全高1500(1510)mm
ホイールベース 2455mm
トレッド 前1305(1310)mm / 後1295(1265)mm
車両重量 650(720)kg
乗車定員 4名
エンジン種類 水冷直列3気筒12バルブDOHC横置
総排気量 658cc
最高出力 36kW[49PS] / 6800rpm
最大トルク 57N・m[5.8kg・m] / 5200rpm
駆動方式 FF(フルタイム4WD)
燃費 【JC08モード35.2(32.2)km/L】 / 【WLTCモード25.0(23.2)km/L】

ミライース「G “リミテッド SA Ⅲ”」2WD

寸法 全長3395mm / 全幅1475mm / 全高1500mm
ホイールベース 2455mm
トレッド 前1305mm / 後1295mm
車両重量 670kg
乗車定員 4名
エンジン種類 水冷直列3気筒12バルブDOHC横置
総排気量 658cc
最高出力 36kW[49PS] / 6800rpm
最大トルク 57N・m[5.8kg・m] / 5200rpm
駆動方式 FF(前2輪駆動)
燃費 【JC08モード34.2km/L】 / 【WLTCモード25.0km/L】

「G “リミテッド SA Ⅲ”」は、「G “SA Ⅲ”」をベースに、純正ナビ装着用のアップグレードパックが特別装備されているほか、2WDには寒冷地仕様が追加、さらに「平成30年排出ガス基準50%低減レベル」認定も取得されています。

ダイハツ ミライースの中古車価格

乗りやすさ、燃費の良さ、価格の安さ、そして安全性の高さなど、ミライースは魅力たっぷりの軽自動車であること、お分かりいただけたのではないでしょうか?

そんなダイハツ ミライース、中古車を探すとしたら価格帯はどれくらいか、どこがポイントになるのか、押さえておきたいですよね。

2019年7月の調査時点では、およそ4900台のミライースの中古車が確認できました。新車価格は84万2400円〜134万7840円ですが、中古車価格は45万円〜150万円程度、平均相場は86万円前後となっています。初代・2代目いずれも豊富にラインナップされています。

台数が台数ですから、とにかくじっくり、自分好みのミライースを探しましょう。時間はかかるかもしれませんが、妥協せずとも自分に最適な一台を手に入れられる可能性がかなり高いです。

特に、どのミライースにするかまだ決めていないという人は、狙い目を特別仕様車に絞ってみるのもおすすめです。

2012年10月に「メモリアル・エディション」、2014年5月に「スマートセレクションSA」、2015年4月に「X “Limited SA”」「Xf “Limited SA”」、同10月に「35th Anniversary ゴールドエディション SA」2016年7月に「35th Anniversary ゴールドエディション SA」、2018年8月に「X “リミテッド SA Ⅲ”」「G “リミテッド SA Ⅲ”」などなど、ミライースにはさまざまな特別仕様車が設定されています。

通常はオプションのアイテムが標準装備されていたり、特別仕様車限定の装備品が搭載されていたりするので、「ひと味違ったミライース」を手にしたい人にはうってつけです。

中古車情報を隅々までチェックして、ぜひコレ!という一台を探し当ててください。

ダイハツ ミライースを中古車で購入する際に気をつけること

最後に、ダイハツ ミライースの中古車を購入する場合の注意点を見ていきましょう。

  • 過去の整備記録簿を確認する
  • 修復歴の有無
  • 保証の有無
  • 極端に価格が安くはないか
  • リコール対応がなされているか
  • 液漏れの跡が残っていないか
  • 車体に歪みやへこみがないか
  • 電装系部品に不具合がないか
  • エンジン始動時に異音がないか

上記の点に注意しながら、確認を行っていきましょう。

車に詳しくないという方は、車に詳しい知人を連れて行ったり、担当者にお願いをして整備士同席のもと確認をするなどしてください。

ダイハツ ミライースは新車価格も100万円前後となっているため、型式が新しい中古車であっても安い価格が設定されていることもあります。

しかし、車は自分の命を乗せる重要なものです。
値段だけにとらわれず、隅々まで念入りにチェックを行い、納得したうえで契約を進めてください。

まとめ

今回は、ダイハツ ミライースの故障(不具合)をはじめ、修理費用やリコール情報などを交えてご紹介しました。

ダイハツ ミライースは充実した安全装備、豊富なカラーボディなど私たちのカーライフに安心した楽しさを与えてくれるとともに、コストパフォーマンスにも優れ、経済的にも安心できる車両と言えるでしょう。

ぜひ、この機会にダイハツ ミライースの購入を検討してみてはいかがでしょうか。