イギリスの自動車メーカー“ランドローバー”から販売されていたフリーランダー2(北米ではLR2)。「Go anywhere Vehicle(何処へでも行けるクルマ)」のキャッチコピーの通り、どんな悪路でもひるむことなく目的地へ運んでくれます。このことから耐久性が強いと言えますが、故障(不具合)に関してはどうなのでしょうか?今回は、ランドローバー フリーランダー2の故障(不具合)についてみていきましょう。
目次
ランドローバー フリーランダー2は故障(不具合)が多いのか?
ランドローバー フリーランダー2に関する故障(不具合)の声
30代/男性
中古車での購入でしたが、発売当初から欲しかったので、納車されたときはすごくうれしかったです。ただ、購入から半年ほど経つとパワーウィンドウが故障したり、パワステのオイル漏れがあったりと故障が続きました。いまは特に問題ないので、このまま順調なことを願います。
40代/男性
とにかく電装系の故障が多い!直ったと思ったら次の故障がでるなど頻繁に故障している感じです。
20代/男性
大きな故障はありませんが、ラジオが聞けなくなったことがありました。
40代/男性
もう仕方ないとあきらめていますが、バッテリーに関するトラブルが多い!購入3年目、1年間で3回か4回程バッテリーが上がりました。
30代/男性
サイドミラー格納時に異音がしました。あとは、サンルーフからも異音が。これはグリスアップで直りました。運転席からの異音もありました。これはネジの増し締めで直りましたが、いろいろと不足?緩い感じがします。
50代/男性
故障はある程度覚悟していましたが、2年目以降、故障が多い!センサーの誤作動をはじめ、バッテリー上がりやミラーからの異音など覚悟しておいた方がいいです。
ランドローバー フリーランダー2の故障(不具合)が多い箇所
工業製品である以上、ランドローバー フリーランダー2にも故障(不具合)が生じることは当たり前です。
ランドローバー フリーランダー2の故障(不具合)しやすい箇所には以下のようなものが挙げられます。
- エアコンの故障(不具合)
- 電装系のトラブル
- パワーウィンドウの故障(不具合)
- バッテリー上がり
ランドローバーが発表しているフリーランダー2に関する故障・不具合・リコール情報
その他(車枠車体)に関する不具合(2008年3月27日届)
サンルーフ装着車において、サンルーフガイドレールの構造が不適切なため、当該ガイドレールに過度の応力がかかると、亀裂が発生することがある。そのため、サンルーフにねじれや固着が生じ、この状態で乗員がサンルーフに外力を加える、または走行風圧でサンルーフに外力が加わると、サンルーフが作動機構から外れ、最悪の場合、脱落するおそれがある。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
CBA-LF32 | SALFA23Ax7H000437 ~ SALFA23Ax7H083101(輸入/製作期間:2007年02月21日 ~ 2008年02月12日) |
ランドローバーが発表しているフリーランダー2に関するリコールは以上の1件のみでした。
リコール情報は1件ではありますが、イコール故障(不具合)が少ないわけではありませんので、異音や違和感などがあった場合は、すぐに点検してもらい、重篤な故障(不具合)につながらないようにしておきましょう。
ランドローバー フリーランダー2各部品の修理費用
ここでは、ランドローバー フリーランダー2の各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障(不具合)箇所 | 費用 |
---|---|
エアコンの故障(不具合) | コンプレッサーの交換:20万円以上 |
オルタネーターの故障(不具合) | 社外品交換:10万円前後~ |
パワーウィンドウの故障(不具合) | 1つ取り換えで4万円程度 |
なお、ランドローバー フリーランダー2に多い故障(不具合)と言われる電装系の修理費用に関しては、明確な価格を見つけることができませんでした。
電装系の故障(不具合)程度にもよりますが、数万円程度かかる可能性もあるようです。
ランドローバー フリーランダー2オーナーの評判
ここまで、ランドローバー フリーランダー2の故障(不具合)やリコール情報などについてみてきました。
故障や不具合に焦点を当てると、どんな車であっても購入を躊躇してしまう方も多いと思います。
では、実際にランドローバー フリーランダー2を所有しているオーナーの方からの評判はどうなのでしょうか?
ポジティブな意見とネガティブな意見に分けてご紹介していきます。
まずはポジティブな意見です。
- 存在感あるデザイン
- 内外装ともにスマートなデザインがかっこいい
- 静粛性に優れている
- 扱いやすいブレーキ
- エアコンがよく効く
- 高い剛性
- 高速安定性が良い
- 雪道の走行も抜群
- 希少性が高い
- コスパに優れ、意外性のある車
- 予想以上に回転半径が小さい
一方、ネガティブな意見は以下の通りです。
- 細かな収納スペースが少ない
- 電装系のトラブルや故障が多い
- たまに駐車場に困る
- 修理をお願いできる工場(ショップ)が少ない
- 国産ナビを入れるスペースがない
- 部品が高い
- 積載性が低い
フリーランダー2とはどんな車?
フリーランダー2は、四駆に強いイギリスの自動車メーカー、ランドローバーから発売になったSUV(Sports Utility Vehicle)です。
ランドローバーという名称は聞いたことがある人も多いと思いますが、もともとは多目的車「ランドローバー」という車名が、そのままブランド名になったものです。
そのランドローバーは現在、インドの自動車メーカーであるタタ・モーターズ傘下、ジャガーランドローバーのブランドの一つとなっています。
初代フリーランダーは1997年〜2006年まで販売されており、V6エンジンやATといった仕様が設定されて、2001年2月に初めて日本で発売されました(それまでは欧州向けの直4エンジン&MT仕様でした)。
そして、今回ご紹介する「フリーランダー2」は2006年〜2014年まで販売されていたモデルで、北米では「LR2」という車名で販売されています。
なお、フリーランダー2では「直列6気筒3.2Lガソリンエンジン」「2.2Lディーゼルエンジン」の2モデルが設定されていましたが、2007年6月から日本で販売されたのは、このうちガソリンエンジンモデルのみとなっています。
そんなフリーランダー2では「S 4WD」「SE 4WD」「HSE 4WD」「3.2 i6 HSE 4WD」「3.2 i6 4WD」などさまざまなグレードがお披露目されましたが、その中でも2012年12月から製造が開始されたモデルを中心に、魅力や基本スペック、中古車価格などをご紹介します。
本格派オフロード車で悪路走行なんのその
フリーランダー2は「コンパクト・プレミアムSUV」とも呼ばれています。ランドローバーが販売している車種の中でも最もコンパクトなカテゴリーに分類されます。
もちろん、コンパクトとはいえ全長4515mm、全高1740mm、全幅も1910mmありますので「小さい」と感じるような車ではありません。あくまで、ランドローバーの車種の中では小さい部類に入る、ということです。
フリーランダー2の魅力は、なんといっても2000cc(※)のエンジンに加えて、フルタイム4WDにより、山道、沼地、雪山、川、急傾斜などあらゆる路面状況に対応できる「高い走破性」です。
※2012年12月から製造開始されたフリーランダー2は、従来の「ボルボ製・直列6気筒DOHC」からダウンサイジングされ「204PT型直列4気筒DOHCターボ」エンジンとなっています。排気量も、それまでの「3192cc」から「1998cc」に変わっています。
その高い走破性に大きく寄与しているのは、フリーランダー2に搭載されている、ランドローバーが開発した「テレイン・レスポンス」と呼ばれるシステムです。
テレイン・レスポンスシステムとは、ドライバーが提供した情報をもとに、エンジンやトランスミッション、シャシー、ディファレンシャルといった各部位が走行状況に応じて最適化されるシステムです。どんな状況で走行していても操作性、快適性、トラクション性を損なわず、安定した走りを続けることができます。
フリーランダー2では、このテレイン・レスポンスにより「オンロード」「草地・砂利・雪」「泥・轍」「砂地」という4つのモードを選択するだけで地形や天候などにかかわらず、安定した走行が可能になりました。
街乗りにも最適!シンプルながら上品なエクステリアも◎
悪路走行が得意とは言え、街中を走ることの方が断然多い訳ですから、街乗りでの乗り心地や快適性、走行性能、そして燃費やエクステリアなども重要です。
2012年12月製造開始のフリーランダー2はダウンサイジングされたとお伝えしましたが、最高出力240ps、最大トルク34.7kgmを実現しています。実はこのスペック、従来よりも+8ps、+2.4kgmと向上しているのです。さらに燃費に関してもJC08モードで「9.0km/L」と、従来よりも1.0km向上しています。
ダウンサイジングにはこのように基本性能を向上させる意味も含まれていたのですね。
さて、フリーランダー2のオーナーによると、街乗りは「軽快」「爽快」「機敏」「小気味よい」といった感想が並びます。とにかく軽やかになったという印象を受けている人が多いようです。特にアクセルに対するエンジンレスポンスが良く、高い加速性に感動したという感想も多数見かけます。ただし日本ではなかなかそうした加速を体感できる環境がないため、高速道路の合流などに限られてしまうかもしれません。
走行中の安定性にも定評があり、5人乗っていても高速走行時にオンロードはもちろん、多少の雪道などでもしっかりと安定した走りを提供してくれます。
フリーランダー2は直線的なデザインも好評です。シンプルなため「強烈な存在感」は得られませんが、逆に飽きのこないデザインになっており、上品さを損なわないという点において「大人の嗜み」として十分、満足のいくものとなっています。
それに、何と言っても「希少性」が高いため、そういった意味での「注目度」は高い車と言えるでしょう。
このようにフリーランダー2はオフロード・オンロードいずれにおいても、高い評価を得ている車種になります。
フリーランダー2の基本情報
2012年12月から製造開始されたフリーランダー2「2.0 Si4」の基本情報をまとめました。
5ドア5人乗りのフリーランダー2は、前述したように最高出力が240ps(177kW/5500rpm)、最大トルクが34.7kgm(340N・m/1750rpm)となっています。エンジンは水冷直列4気筒DOHCターボで総排気量は1998cc、ハイオクガソリン(タンク容量70L)で走行します。
トランスミッションは6速ATでフルタイム4WD、燃費はJC08モードにおいて9.9km/Lとなっています。
安全装備としては「HDC(ヒル・ディセント・コントロール)」「CBC(コーナリング・ブレーキ・コントロール)」「DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)」などが搭載されています。
そのほか、基本情報は次の通りです。
サイズ | 全長4515mm/全幅1910mm/全高1740mm |
ホイールベース | 2660mm |
トレッド | 前1600mm/後1615mm |
車両重量 | 1820kg |
フリーランダー2の中古車価格
フリーランダー2は中古車市場にほとんど出回っていません。全国的に見ても30台前後といったところでしょうか。そのため、なかなか「これだ!」という一台に出会うのは難しいかもしれません。
ただし「S」「SE」「HSE」「3.2 i6 4WD」「2.0」といった基本グレードから「スペシャルエディション」までさまざまなモデルが並んでいますので、選ぶ楽しさはあるでしょう。
中古車の価格帯ですが、おおよそ40万円〜260万円程度(車両本体価格のみ)、平均相場は140万円前後となっています。
当然、年式やグレードによって大きく変わってきますが、ワンオーナー車も少なくないなど、コンディションは概ね良好な車両が多いと予想されます。
その中でも、やはりスペシャルエディションに惹かれるという方は多いのではないでしょうか?
スペシャルエディションは2011年6月に発売されたモデルで、フリーランダー2に「ピアノブラック・インテリアトリム・フィニッシャー」「プライバシーガラス」など特別装備を施したものです。加えて、ボディカラーの標準色もこれまでのソリッドペイントからメタリックペイントへと変更になっています。
街乗りはもちろん、アウトドアでも大活躍間違いなしのフリーランダー2、燃費の悪さや故障の多さといった難点はありますが、希少性や走破性、快適性など運転する楽しさを味わうには十分すぎる「名車」です。
アウトドアはもちろん、家族で乗る機会や仲間と出かける機会が多いという人は、フリーランダー2の魅力を存分に体感することができるでしょう。
中古車情報をこまめにチェックして、ぜひ意外性を感じてみてはいかがですか?
ランドローバー フリーランダー2を中古車で購入する際に気をつけること
前述した通り、ランドローバー フリーランダー2は、どこへでも行ける車というキャッチコピーがつけられた車です。
そのため、悪路での走行経験がある中古車両も多いです。
その点を含め、ランドローバー フリーランダー2の中古車を購入する場合は以下の点に注目して検討していきましょう。
- 下回りにオイル漏れなどの跡がないか
- 下回りを含み、各部品に錆が生じていないか
- 車体の歪みやへこみ、キズ、塗装剥がれ
一見、状態が良く見えても、ふたを開けてみれば不備ばかりだったという事態にならないよう、実際に自分の目で問題点がないか、不安な箇所がないか確認してください。
まとめ
今回は、イギリスの自動車メーカー“ランドローバー”から発売されていたフリーランダー2の故障(不具合)について解説してきました。
大手メーカーに比べるとランドローバーの日本での認知度は低く、ランドローバーの中でもトップクラスの人気というわけではないフリーランダー2。
しかしながら、その魅力は計り知れないものがあり、様々なポイントで私たちのカーライフを楽しいものにしてくれることでしょう。
ぜひ、この機会にランドローバー フリーランダー2の検討をしてみてはいかがでしょうか。