トヨタ セルシオは故障(不具合)が多い?過去の故障事例やリコール情報など交えて徹底解説!

老若男女問わずに支持をうけていたトヨタ セルシオ。現在はレクサス LSへ移行したとはいえ、セルシオが欲しいという方も少なくありません。性能の高さに定評があるトヨタ セルシオですが、故障(不具合)はどうなのでしょうか?今回は、トヨタ セルシオの故障(不具合)事例やリコール情報、オーナーの評判など交えて解説します!

トヨタ セルシオは故障(不具合)が多いのか?

トヨタ セルシオに関する故障(不具合)の声

30代/男性

中古車で購入しましたが、非常に状態がよく、順調だと思っていた矢先にミラーのモーターが故障しました。前に乗っていた車に比べると故障は少ないので特に気にはしていませんが。今後、故障が頻繁に起こらないことを祈りたいです。

50代/男性

以前もセルシオに乗っていましたが、本当に故障が少ない!

2台乗ってきましたが、1台目の車でO2センサーが故障したのと、エンジンが故障しました。ただ、2台目は今のところ故障ありません。

20代/男性

エンジンオイルから少々液漏れがありました。他には異常ありません。

40代/男性

電装系の不具合や故障が多いのと、オーディオスピーカーから水漏れ?雨漏り?がありました。当たりハズレが多い型式とは聞いていましたが、電装系のトラブルが多いと地味につらい。

40代/男性

エアサスの故障から始まり、ウォーターポンプ破裂、カムシャフトオイル漏れ、ヘッドカバーオイル漏れ、トランクダンパー故障、ドアロックアクチュエーターの故障とかなり故障が続きました。

30代/男性

大きな故障はありませんが、走行中にメーターの照明がつかなくなったときはびっくりしました。

トヨタ セルシオの故障(不具合)が多い箇所

トヨタは世界的に見ても故障率の低さはトップクラスであり、そんなトヨタの中でも高級車に属するセルシオの故障(不具合)の少なさは定評があると言われています。

しかしながら、工業製品である以上トヨタ セルシオにおける故障(不具合)の可能性がゼロではありません。

トヨタ セルシオの故障しやすい箇所としては、以下のような箇所が挙げられます。

  • O2センサーの故障(不具合)
  • ドアミラーの故障(不具合)
  • エアサスの故障(不具合)

トヨタが発表しているセルシオに関する故障・不具合・リコール情報

エアバッグに関する不具合(2006年3月28日届)

サイドエアバッグ、カーテンシールドエアバッグ、ニーエアバッグそれぞれのインフレータ(膨張装置)の組付工程が不適切なため、ガス加熱剤の充填量が不足しているものがある。そのため、エアバッグが作動するような衝撃を受けた際、ガスの膨張力が不足し当該エアバッグが展開せず、乗員に過度の傷害を与えるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
CBA-UCF30 UCF30-0168561~UCF30-0168561(輸入/製作期間:2003年10月28日 ~ 2005年12月13日)
UA-UCF31 UCF31-0052784 ~ UCF31-0068277(輸入/製作期間:2003年10月28日 ~ 2005年12月13日)
CBA-UCF31 UCF31-0052784 ~ UCF31-0068277(輸入/製作期間:2003年10月28日 ~ 2005年12月13日)
DBA-UCF31 UCF31-0052784 ~ UCF31-0068277(輸入/製作期間:2003年10月28日 ~ 2005年12月13日)

A/Tに関する不具合(2004年6月30日届)

“自動変速機の内部にある接続用金具の形状が不適切なため、前進や後退時に急なアクセル操作等を行うと、当該金具の回り止め部が折損し、パーキングロック機構部に挟まることがある。そのため、チェンジレバーをパーキング位置に操作しても、パーキングロック機構が作動しなくなるおそれがある。
(備考)
本件は平成16年6月30日に届出を行ったものであるが、対象車両の選定に一部誤りがあることが判明したため、対象車の製作期間及び台数を訂正するものである(平成16年7月9日)”

対象車両

型式 車台番号
UA-UCF30 UCF30-0123388 ~ UCF30-0147383(輸入/製作期間:2003年07月29日 ~ 2004年01月16日)
UA-UCF31  UCF31-0046308 ~ UCF31-0056816(輸入/製作期間:2003年07月29日 ~ 2004年01月16日)

エアバッグに関する不具合(2002年10月24日届)

助手席用エアバッグにおいて、インフレータ(膨張装置)内のチェックバルブピンの取付けが不適切なものがあるため、エアバッグが作動した際、膨張ガスをバッグに供給するための孔が的確に開けられないため、当該エアバッグが十分に展開せず、前面衝突時に乗員に過度の傷害を与えるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
E-UCF21  UCF21-0080955(輸入/製作期間:2003年07月29日 ~ 2004年01月16日)
GF-UCF21  UCF21-0090695(輸入/製作期間:2003年07月29日 ~ 2004年01月16日)

始動装置に関する不具合(1998年1月27日届)

始動装置のスタータモータへの電源を通電・遮断するための電磁スイッチにおいて、端子の組付けに不適切なものがあるため、導電性の高い液体がかかると当該端子部内に侵入し短絡することがあり、このままの状態で使用を続けると作動不良になり、当該端子部付近が焼損するおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
E-UCF20 UCF20-0024635 ~ UCF20-0095509(輸入/製作期間:2003年07月29日 ~ 2004年01月16日)
E-UCF21 UCF21-0022810 ~ UCF21-0066438(輸入/製作期間:2003年07月29日 ~ 2004年01月16日)

トヨタ セルシオ各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

年式によっては相場より高額になるケースがありますので、事前に見積もりを確認しましょう。

故障(不具合)箇所 費用
O2センサーの故障(不具合) 4本交換の場合10万~15万円程度
ドアミラーの故障(不具合) 1万~3万円前後
エアサスの故障(不具合) 1本10万円程度
セルモーターの故障(不具合) 8万円前後~
ロームアームの不具合/破損 3万円前後~
ハブベアリングの故障(不具合) 7万~10万円前後
テールランプのLED球切れ 片側5万円~
エアコンの故障(不具合) 20万円前後
オルタネーターの故障(不具合) 5万円~
コンプレッサーの故障(不具合) 50万円程度

上記の通り、トヨタ セルシオが故障(不具合)を起こした場合、多額の費用が掛かる傾向にあります。

早期発見がカギとなりますので、違和感や何かしらの異常があった場合は、早めに整備工場へ持ちこむようにしましょう。

トヨタ セルシオオーナーの評判

それでは、トヨタ セルシオを所有した方や過去に所有していた方の評判を見ていきましょう。

まずは、ポジティブな意見をまとめてみました。

  • トヨタらしい車
  • 乗り心地抜群
  • 文句のつけようがない
  • 小回りが効く
  • 故障(不具合)しにくい
  • 静粛性に優れている
  • 室内の広さも十分

次はネガティブな意見をまとめてみました。

  • 部品が高い
  • 当然のことだが燃費が悪い
  • 税金が高い
  • 部品によっては入手困難

セルシオとはどんな車?

セルシオは、日本を代表する世界的な自動車メーカー「トヨタ自動車(以下、トヨタ)」が販売していた高級セダンです。発売当初、その高級感あふれるエクステリアに衝撃を受けたという人も多いのではないでしょうか?まさに「ありそうでなかった超高級車」として、日本の車市場に登場したのがセルシオだった訳です。若者から中高年まで、セルシオに憧れる人はとても多かったのも事実です。

ところで、セルシオは当初、トヨタが展開している高級車ブランド「レクサス」のフラッグシップモデル「LS」として開発・販売されたものです。LSは北米で人気となり、ブランドを確立させていきました。そこで、レクサスが次に目を向けたのが日本国内だったのです。

すでに、メルセデスやBMWなど高級輸入車が日本市場を席巻していましたが、トヨタはそれらを凌駕する高品質かつ快適性の高い車種を投入すれば勝機がある、と踏んだようです。

そうした流れで、日本国内向けに仕様を変更したタイミングで、車名も「セルシオ」となり、トヨタ店やトヨペット店といったトヨタブランドで販売されてきました。

「セルシオとレクサス、似てない?」と感じていた人は、これで謎が解けましたね。国内外という仕様の違いはあるものの、もともとは同じ車だったという訳です。

その後、トヨタ自動車は日本でも「レクサス」ブランドを展開することを決定しました。これが2005年(発表されたのは2003年)のことです。

つまり「LS」が日本でも販売されることになった、という訳です。「セルシオ」の本来の車名であった「LS」が日本にやってくるということで、残念ながら「セルシオ」という名称が廃止され、「レクサス・LS」としてレクサスブランドで販売されることになったのです。よって、トヨタブランドからは一斉に姿を消してしまいました。

1989年〜2006年にかけて販売されてきたセルシオは、すでに車名が廃止となってから10年以上が経過していますが、未だにその人気は高く衰えるところを知りません。そんなセルシオの魅力や基本情報、中古車価格などをご紹介していきます。

国産車では対抗車がいないほどのクオリティ

セルシオが発売された当初、トヨタの高級車と言えばクラウンでした。日産のインフィニティ、シーマといった車種も人気でしたが、バブル崩壊とともに、いつしか見かけることもほとんどなくなってしまいました。

そんな国産高級車市場に一石を投じたセルシオの魅力は、何と言っても「国産車では対抗できる車種がないほどのクオリティ」です。

まず注目したいのが静粛性。とにかく静かな車内に驚く人も多いはずです。まるで外界と切り離されたような、静寂を感じることができます。これは、それまでの国産車になかった、そして今でも滅多に味わうことのできないセルシオの最大の特徴です。

エンジンの性能も、突出しています。スペックの項目に詳しく記載していますが、セルシオは最高出力280ps、最大トルク430Nmを誇る4.3リッターV8エンジンを搭載しています。抜群の静粛性を備えた超高級セダンでありながらも、トルクフルで力強い走り、“引っ張られるような”余裕たっぷりの加速が体感できます。

昔は「いつかはクラウン」というキャッチコピーをトヨタが発表し、クラウンに乗ることを夢見ている人たちが大勢いました。ところが、セルシオが発売になった当初「いきなりセルシオ」などと囁かれ、若者が高級車に憧れる・実際に手にするといった状況が生まれていきました。

まさに上質の室内空間と高い安全性能

エンジンや静粛性もさることながら、ラグジュアリーという言葉がふさわしい室内空間も大きな魅力となっています。

例えばセルシオのシートはJAL(日本航空)やBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)といったレガシーキャリアのファーストクラス用のシートを参考に、インテリアのデザインはザ・リッツ・カールトンホテルや帝国ホテルなどの超高級ホテルの客室を参考にデザインされています。

乗っているすべての人を優雅で贅沢な気持ちにさせてくれる室内空間は、現在の国産車でもなかなか味わうことはできません。

さらに、当時としては先進的な運転席・助手席・サイドに配置されたエアバッグ、電子制御制動力分配システム付きのABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、GOA(衝突安全ボディー)、ブレーキアシスト機能などの安全性能も搭載されていました。

このように、セルシオは当時から見た「未来の車=現在の車」の基盤を作ったとも言える車であり、未だにその影響力や人気は衰えていない、日本が誇る超高級車なのです。

セルシオのスペックなど基本情報

セルシオは1989年〜1994年の初代、1994年〜2000年の2代目、そして2000年〜2006年の3代目がありますが、未だに根強い人気を維持しているのは3代目セルシオ(レクサス・LS)です(もちろん初代・2代目もそれなりに人気が高いままです!)。

なお、3代目はA仕様・B仕様・C仕様、さらにA仕様とB仕様には「eRバージョン」が、C仕様には「Fパッケージ」「インテリアセレクション」「Fパッケージインテリアセレクション」が用意されるなど、細かく分けられています。ここでは、3代目セルシオのごく基本となるスペックをご紹介します。

ボディタイプ セダン
定員 5名
エンジン 3UZ-FE型4.3リッターV8DOHCエンジン
排気量 4300cc
駆動方式 FR
トランスミッション 6速AT / 5速AT
最高出力 206kW[280ps]/5600rpm
最大トルク 430Nm[43.8kgm]/3400rpm
サスペンション 前後ともにダブルウィッシュボーン式エアスプリング
サイズ 全長4995(5015mm) / 全幅1830mm / 全高1470mm
ホイールベース 2925mm
車両重量 1800〜1820kg

3代目セルシオは外観も2代目までとは大きく変化し、「曲面」を多めに採り入れたことでさらに「高級感」「優雅さ」などが増していきました。すべてのドアにイージークローザー(軽く閉めるだけできちんとロックされるシステム)が搭載されたのも特徴です。

スペックと併せて環境性能の向上も着目しておきたいところです。平成12年度(2000年度)の排ガス規制から、さらに75%の削減を実現させています。2003 年のマイナーチェンジでは、燃費性能も8.2km/Lから8.9km/L(10・15モード)に向上しています。

セルシオの中古車価格

セルシオの魅力はまだまだ語りつくせませんが、とにかく「今も人気の高級車」であり「国産車で対抗できる車種はほとんどない」車です。発売以来高い人気を維持していますから、当然、中古車市場にも多数のセルシオがラインナップされています。

2019年5月時点で600台を超える中古車が確認できました。より具体的にイメージしていけば、かなりの確率で自分が求めていたセルシオに出会えるでしょう。

セルシオの中古車価格は10万円(あまり参考になりませんが…)から300万円程度、平均相場はなんと50万円前後と、かなり手に入れやすい価格帯になっています。

台数が多いことと、低年式車であること、走行距離が多いことなどが理由ですが、逆を言えば高い人気やクオリティゆえ、価格が下がらない中古車でもあります。走行距離は10万kmをオーバーしていますが、2006年式で車両本体価格50万円以下というセルシオも多数見かけます。

もちろん、安いからといってご紹介した高級感が失われている訳ではありません。むしろワンオーナー車もあるなど、大事に乗ってきた人が多い車種でもあります。最終モデル、つまり3代目のセルシオでも、100万円以下で十分コンディションが良いものが探せるでしょう。

また、セルシオはカスタマイズされているものも多く販売されています。エアロパーツ、アルミホイール、パールホワイト塗装など、車好きの人たちが丁寧に乗ってきたものも少なくありません。

時が経っても失われることのない不思議な魅力を備えたセルシオ、ぜひ一度は乗ってみたい車種ですよね。台数が多い分、じっくり探せますので、ぜひ中古車情報をチェックしてみてはいかがでしょうか?

トヨタ セルシオを中古車で購入する際に気をつけること

ここまでトヨタ セルシオについてご紹介してきましたが、そんなセルシオを中古車で購入する場合、どんな点に注意すべきなのでしょうか?

トヨタ セルシオを中古車で購入する場合の注意点は主に7つです。

  • 改造履歴の確認
  • 車体のゆがみやへこみ
  • 各部品の劣化や修理跡の形跡
  • 下回りのオイル漏れの形跡
  • スイッチなどが正常に稼働するか
  • エンジン始動の際に違和感がないか
  • セレクトレバーに異常がないか

トヨタ セルシオは改造している車両も多く、中には自身でDIYする方もいます。

改造によって傷が入ったり、周囲の部品に異常をもたらしたりする可能性も考えられますので、細かい部分まで念入りに確認しておきましょう。

まとめ

今回は上質なカーライフをもたらしてくれるトヨタ セルシオの故障(不具合)について解説してきました。

老若男女問わず幅広い世代に支持され、憧れを持たれているトヨタ セルシオ。

故障(不具合)に無縁というわけではありませんが、丁寧に、愛情を注いであげれば、長く付き合える車両であることは間違いありません。

ぜひ、この機会に至極の1台、トヨタ セルシオの購入を検討してみてはいかがでしょうか。