ランドローバー レンジローバー ヴォーグは故障(不具合)しやすい?故障事例や修理費用、リコール情報など交えてご紹介

イギリスの自動車メーカー ランドローバーから販売されているレンジローバー ヴォーグは、ラグジュアリーと力強さを兼ね備えた上質なSUVとなっています。今回は、最高級SUVが揃うランドローバーからレンジローバー ヴォーグに注目して故障(不具合)しやすいのか、修理費用はいくらか、リコール情報などを解説していきます。

ランドローバー レンジローバー ヴォーグは故障(不具合)が多いのか?

ランドローバー レンジローバー ヴォーグに関する故障(不具合)の声

30代/男性

大きな故障というものは経験したことありませんが、ちょこちょこ電気トラブルが多い感じがします。メンテナンスしっかりしてれば問題ないかも?

50代/男性

3台続けてランドローバーの車に乗っていますが、一番ヴォーグがしっくりしている感じがしますね。ただ、ヴォーグを購入してからすぐにパワステに不具合が起こり……その後すぐにリコールが発表されました(泣)リコールが出たので無償対応でしたが、ちょっと心配ですよね。

20代/男性

たまにですが、ミラーの調子が悪いです。

ミラーの動きが悪かったり、ミラーの開閉時に異音がするなどです。

30代/男性

故障ではないかもしれませんが、フロントブレーキの鳴きが気になります。

40代/男性

ちょいちょい電気系統のトラブルが起こるし、チルト位置の停止があったりとちっちゃな故障は結構あるかも。。。

ランドローバー レンジローバー ヴォーグの故障が多い箇所

「砂漠のロールスロイス」と呼ばれるほど、高性能で上質な車両を取りそろえる最高級SUVメーカーランドローバーですが、工業製品である以上、レンジローバー ヴォーグに故障(不具合)が生じないとは言い切れませんよね。

ランドローバー レンジローバー ヴォーグにも故障(不具合)が生じやすい箇所があり、次の様な部品は比較的故障(不具合)が多いため、注意が必要です。

  • 電気系統の故障(不具合)
  • パワーウィンドウの故障(不具合)
  • オイル漏れ(経年劣化によるもの多)
  • オルタネーターの故障(不具合)
  • エアコンの故障(不具合)
  • エアサスの故障(不具合)

ランドローバーが発表しているレンジローバー ヴォーグに関する故障・不具合・リコール情報

ドライブシャフトに関する不具合(2012年6月27日届)

フロントドライブシャフトの外側等速ジョイントブーツにおいて、製造不良のものがあり、使用過程において当該ブーツに亀裂が発生することがある。そのため、ジョイント潤滑用グリスが漏れ、等速ジョイントの磨耗により異音や振動が発生するおそれがある。異音や振動を無視して走行を続けた場合、ジョイントが損傷し走行できなくなるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-LM5S(レンジローバーヴォーグスーパーチャージド) SALLMAME3AA321967 ~ SALLMAME3AA327496(輸入/製作期間:2010年04月24日 ~ 2010年07月28日)

その他(保安灯火)に関する不具合(2012年3月5日届)

直前直左カメラと画像表示装置を接続している信号伝送ケーブルにおいて、使用中の熱の影響によって伸縮する他のケーブルから圧力を受けて、当該ケーブルの内部構造が歪められ、外部からのノイズの影響を受け、当該カメラの映像が歪む、または表示しなくなるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-LM5N(レンジローバーヴォーグ5.0V8) SALLMAMD3AA305259 ~ SALLMAMD3AA331435(輸入/製作期間:2009年08月03日 ~ 2011年04月22日)
ABA-LM5N(レンジローバーヴォーグ5.0V8) SALLMAMD3AA305259 ~ SALLMAMD3AA331435(輸入/製作期間:2009年08月03日 ~ 2011年04月22日)
ABA-LM5S(レンジローバーヴォーグスーパーチャージド) SALLMAME3AA305260 ~ SALLMAME3BA335678(輸入/製作期間:2009年08月03日 ~ 2011年04月22日)

ランドローバー レンジローバー ヴォーグ各部品の修理費用

ここでは、ランドローバー レンジローバー ヴォーグの故障(不具合)における各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

故障(不具合)箇所 費用
エアサスの故障(不具合) 原因にもよるが20万円~50万円以上
ブレーキの故障(不具合) 20万円程度
パワーウィンドウの故障(不具合) 15万~20万円前後
オイル漏れ 数万円~数十万円
電気系統のトラブル 故障個所にもよるが10万円~20万円程度

なお、ランドローバー社の修理を取り扱う工場は非常に少なく、修理を出す工場が限られてくることが多いです。

そのため、工賃が高くなる可能性があります。

まずは、自宅近くに工場があるのか、工賃は妥当な価格であるかを事前に確認しておくことが重要です。

ランドローバー レンジローバー ヴォーグオーナーの評判

ここでは、実際にランドローバー レンジローバー ヴォーグに乗っているオーナーの方々の評判を集めてみました。

まずは、ポジティブな意見をご紹介します。

  • 高速走行時の抜群の安定感は素晴らしい
  • エアサスは柔らかめ
  • 十分な広さの荷室
  • 故障(不具合)は少ないと思う
  • 国産車にはない高級感・品の良さ
  • 加速感が素晴らしい
  • 視野が広く、運転しやすい
  • 女性でも扱いやすい

次はネガティブな意見です。

  • 塗装が弱い
  • ナビやTVなどのシステムが多少古い
  • 修理期間が地味に長い

ランドローバー レンジローバー ヴォーグとはどんな車?

レンジローバー ヴォーグは、イギリスに本拠を構える大手自動車メーカー、ランドローバーのフラッグシップモデルとして登場した、レンジローバーに設定されているモデルです。

「ランドローバー」と「レンジローバー」、似ていますが、ランドローバーはメーカー名、レンジローバーは車名です。レンジローバー ヴォーグは、そのレンジローバーの一種ということになります。

なお、日本仕様にのみ「ヴォーグ」というサブネームが付けられていましたが、2012年9月に発表されたモデルからはサブネームの「ヴォーグ」がなくなり、グレードの一つとして「ヴォーグ」が存続しています。

レンジローバーはフルタイム4WDのオールパーパスビークルとして、1970年代に登場しました。かなり長い歴史を持っていますね。

1981年に「イン・ヴォーグ・モデル」が登場、1984年に「ヴォーグ・モデル」が再登場、1987年に「ヴォーグ・スーパーエディション」が登場、といったように「ヴォーグ」と名の付くモデルはこれまでも多数、登場してきました。

そんな折、ローバージャパンによって1990年に正規輸入されたのが、当時の(初代レンジローバーの)最高級仕様車「ヴォーグ スーパーエディション(SE)」だったのです。

こうした歴史を辿ると長編になってしまいますので、ここでは2002年〜2013年にかけて販売された3代目レンジローバーと、主に最新型のヴォーグについて、その基本情報や魅力、スペック、中古車価格などをご紹介していきます。

フォードが引き継ぎ、大きな変貌を遂げた

3代目レンジローバーが登場した当初、開発はBMWが担っていましたが、BMWはランドローバーをフォードに売却し、そのフォードが開発を引き継ぐこととなりました。これがレンジローバーにとっても、ヴォーグにとっても大きな曲がり角でした。

特筆すべきはエンジンです。ガソリンエンジンが「4.4リッターV型8気筒」のBMW「M62」エンジンに変更され、ディーゼルエンジンも「2.9リッター直列6気筒ターボディーゼル」のBMW「M57」エンジンへと変更されたのです。

2006年、さらにエンジンが変更になります。ガソリンエンジンはジャガー製の「V型8気筒DOHCレシプロエンジン(AJ-V8エンジン)」になり、4.4リッター自然吸気型と、4.2リッタースーパーチャージャー型が設定されました。

一方、ディーゼルエンジンはフォード製の「3.6リッターV型8気筒ターボディーゼルエンジン」へと変更されました。この後も2010年に三たび変更されるなど、フォードが引き継いだことによって大きな変貌と遂げていったのです。

なお、3代目の発売当初、日本で販売されていたのはレンジローバー ヴォーグのほか、HSE、SEの3モデルです。

2013年から販売されている4代目、現行モデルのレンジローバー ヴォーグは、前述したように「サブネーム」ではなく「グレード」としてラインナップされています。

4代目レンジローバー ヴォーグはさすがの存在感

4代目レンジローバー ヴォーグでは、レンジローバーとしては初めてとなる「オールアルミモノコック構造」が採用されています。これによって、3代レンジローバーから400kg以上もの軽量化を実現しました。

また、4代目レンジローバー ヴォーグでは、3代目で採用されていた「テレイン・レスポンス・システム」も「テレイン・レスポンス2オート」へと進化を遂げています。

初代の「テレイン・レスポンス・システム」をベースとして、ドライバーがより作業負荷を軽減できるよう、また、より運転状況に応じた最適な設定をキープできるよう改良されたものです。

複数のセンサーが運転状況を常時モニタリングし、路面などの状況に応じてさまざまな車両設定・機能を自動で選択します。これによって、サスペンションやパワートレーン、スリップコントロールといった機構・機能の設定が最適化されるというものです。

そのほか、レンジローバー ヴォーグの特徴として挙げられるのが「マトリックスLEDヘッドライト」です。従来のシグネチャーデイタイムランニングライトに加えて「ADB(アドバンスト・ドライビング・ビーム)」や「AFL(アダプティブ・フロント・ライト)」などが搭載されました。

また、パーフォレイテッド・ウィンザー・レザーを使用したラグジュアリーなシートにはシートヒーターや運転席・助手席のメモリー機能、助手席のシートアウェイ機能を搭載するなど、上質さも追求されているのが特徴です。

さらに車体には4台のカメラを搭載し、360度オーバーヘッドビューを車内に装備されたタッチスクリーンで確認することができます。これには、一度に複数アングルからの映像を表示させることも可能で、後進や駐車といった操作のサポートに大きく寄与してくれます。

ホイールはもちろんアロイホイールです。レンジローバー ヴォーグでは「20インチプリットスポークスタイル1065アロイホイール」が標準装備されています。

レンジローバー ヴォーグは、レンジローバーの中ではもっともスタンダードなグレードというポジションですが、これまでのレンジローバーの優れた面を見事に継承しながら、グレードとしての「ヴォーグ」という新しい一面を構築しつつあるモデルです。

レンジローバー ヴォーグのスペックなど基本情報

レンジローバー ヴォーグには「スタンダードホイールベース」「ロングホイールベース」という2つのボディタイプがあり、またエンジンも「TDV6ターボチャージド 3.0リッター ディーゼルエンジン-258PS」から「V8スーパーチャージド 5.0リッター ガソリンエンジン-525PS」まで6種類がラインナップされています。

ここでは、その中のスタンダードなモデルにおける基本スペックをご紹介します。

ボディタイプ クロスオーバーSUV
ドア数 5ドア
定員 5名
サイズ 全長5005mm / 全幅1985mm / 全高1865mm
ホイールベース 2920mm
トレッド 前1690mm / 後1685mm
エンジン V6スーパーチャージド 3.0リッター ガソリンエンジン
駆動方式 4WD
トランスミッション 副変速機付き8速オートマチック・トランスミッション
最高出力 250kW / 340PS
最大トルク 450N・m
排気量 2994cc
車両重量 2615kg
燃費 8.5km/L(JC08モード)

その他、最高時速は209km/h、0-100kmの加速は7.4秒、最大渡河水深は900mmなどとなっています(レンジローバー ヴォーグのモデルによって、多少の違いがあります)。

レンジローバー ヴォーグの中古車価格

レンジローバー ヴォーグは、特に日本では根強い人気があるモデルで、中古車市場にはなかなか出回らない希少車です。2019年5月時点ではおよそ30台のレンジローバー ヴォーグが確認できました。希少性は、レンジローバー ヴォーグの人気を裏付けているとも言えます。

そんなレンジローバー ヴォーグの中古車価格は100万円〜1080万円程度、平均相場は380万円前後となっています。2016年の高年式車〜2003年の低年式車まであり、走行距離やグレードなどもさまざまあることから、どうしても価格の開きが大きくなってしまうのは仕方がないでしょう。

しかし「レンジローバー ヴォーグは、3代目のあのスタリングが好き!」という人には、意外と掘り出し物が見つかるかもしれません。低年式車なら100万円台前半からラインナップされており、かつ、走行距離も10万kmを超えていないものも散見されます。

市場に流通している台数は少ないですが、「レンジローバー ヴォーグがどんなものか、一度は乗ってみたい!」という人はもちろん、「やっぱり回り回ってレンジローバー ヴォーグが最高!」という人までチェックするのが楽しくなるような幅広いモデルがラインナップされています。もしかすると、運命的な出会いがあるかもしれません。ぜひ中古車情報をチェックしてみてはいかがでしょうか?

ランドローバー レンジローバー ヴォーグを中古車で購入する際に気をつけること

購入してから次々と故障(不具合)に見舞われた、とならないように、中古車で購入する場合は、念入りに事前確認をしておきたいところですよね。

ランドローバー レンジローバー ヴォーグの中古車を購入する場合は、以下の点に注目して確認しておきましょう。

  • 下回りのオイル漏れの跡がないか
  • エアサスは経年劣化や交換時期を迎えていないか
  • 車体にゆがみやへこみがないか
  • 消耗品やエンジンなどに異常がないか
  • エンジン始動時に異音や違和感がないか
  • パワーウィンドウ、エアコンなど電気系統に異音、違和感などがなく正常に作動するか

前述した通り、ランドローバーは修理を請け負ってくれる工場が比較的少ない傾向にあります。

また、部品を取り寄せたりする可能性も多く、修理期間が長くなったり、部品代が高くなることも考えられます。

そうなってしまうと、自然と修理にかかる総費用が高額になる傾向と言えますので、購入前の状態はしっかりと確認をし、購入後も安心して乗ることができる車両を選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は、最高級SUVが揃うランドローバーから販売されるレンジローバー ヴォーグの故障(不具合)やリコール情報などについて解説してきました。

日本国内でも人気の高いレンジローバー ヴォーグで、中古車で販売しているのを見かけることも少ない車両です。

そのため、中古車が販売されているのを見つけた場合、すぐに購入しなければという思いが募る可能性があります。

レンジローバー ヴォーグは比較的故障が少ないという意見が多いですが、中古車を購入する際は、慎重に慎重を重ね、すべてに納得したうえで購入するようにしましょう。