伝統を残しつつ、現代としてのデザインも施されたアルファGTは、2003年にイタリアの自動車メーカーであるアルファロメオから発表されました。日本国内では2004年から販売されており、上品なクーペとして注目を浴びました。残念ながら2010年に生産が終了されましたが、復活を望む声も少なくありません。今回は、そんなアルファ GTの故障(不具合)や修理費用などについてご紹介します。
目次
アルファロメオ アルファGTは故障(不具合)が多いのか?
アルファロメオ アルファ GTに関する故障(不具合)の声
30代/男性
ある程度の故障は仕方ないかなと思っていますが、不可解なトラブルで少し笑える。故障したかと思えば急に直ったりするんですよね。なんだろう、これ。
40代/男性
家族と出かけた際に、セレスピードが故障。ギアが入らなくなったため、立ち往生に。割と自宅から近場だったので、馴染みの整備工場へそのまま入院です。
50代/男性
ステアリングのパドルが壊れました。あとは、セレスピードの故障など電気系統は弱いかも?
30代/男性
夏場、エアコンがいきなり壊れました。さすがにつらかった(笑)エアコンの故障が直ると今度はすぐにメインヒューズが断線。ここのところトラブル続きだな。
50代/男性
エンジン回りの部品が故障し、エンストを起こしてしまったようです。多額の出費で痛かったですが、その他には特に故障の経験はありません。
40代/女性
少し前から、モーターコントロール何とかという表示が出ていたので、オイル交換ついでに見てもらったところ、3番目のプラグ?が故障していたようです。
60代/男性
バッテリーや電気系統は結構な頻繁で点検しないと故障や不具合が生じる可能性が高い。あとは、イグニッションコイルも不備?故障?が起きやすく何度も交換が必要でした。
アルファロメオ アルファ GTの故障(不具合)が多い箇所
どのメーカー、どんな車両であろうと、工業製品である以上、車が全く壊れないことはありえません。
アルファ GTにも故障しやすい箇所というのがいくつかあり、次の様な部品は比較的故障が多いので注意しておきたいところです。
- 燃料ポンプの故障(不具合)
- セレスピードの故障(不具合)
- 電装系の不具合(故障)
このほかに、初期の車両では、「ヘッドライトに雨水が溜まる」「天井から雨漏れ」などのトラブルも多くあったようです。
アルファロメオが発表しているアルファ GTに関する故障・不具合・リコール情報
アルファロメオ アルファGTのリコール情報について調査しましたが、現在のところリコール情報は発表されていないようです。
リコール情報は発表されていませんが、過去の故障事例は多く上がっているため、念には念を入れて日々の点検やメンテナンスを行うことをお勧めします。
アルファロメオ アルファ GT各部品の修理費用
ここでは、アルファロメオ アルファ GTの各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障(不具合)個所 | 費用 |
---|---|
アクチュエータの故障(不具合) | 5万円前後 |
警告灯エラーによる対処 | 1回数千円程度 |
セレスピードの故障(不具合) | ユニット交換の場合:30万円前後 |
電気系統の不具合(故障) | 数万円程度 |
この他、大きな故障を防ぐためにタイミングベルトの交換費用も念頭に置いておく必要があります。タイミングベルトの交換タイミングは、5年経過もしくは走行距離5万Km前後です。費用は8万~10万円程度が目安となります。
アルファロメオ アルファ GTオーナーの評判
ここまで、アルファ GTの故障やリコール情報について解説してきたため、本当に魅力的な車両なのか、購入してもいいのかと不安を抱く人もいるかと思います。
では、実際にアルファ GTを所有しているオーナーや、これまでアルファ GTを所有したことがあるオーナーの評判はどうなのでしょうか。
ポジティブな意見とネガティブな意見を分けてご紹介します。
ポジティブな評判
- 安定感抜群
- 後姿がかっこいい!
- マニュアルなのにオートクルーズがある
- スタイリングは文句なし
- 後部座席も乗り心地がいい
- 積載性も抜群
- イタリア車ならではの素晴らしい内装
- 数年乗ってもシートがへたれない
- 雪道でも問題なく走ってくれる
ネガティブな評判
- ハンドルの切れ角が浅いため狭い道は運転しづらい
- 国産車に比べるとクセが強い
アルファロメオ アルファGTとはどんな車?
アルファロメオ アルファGTは、イタリアを拠点とする自動車メーカー「アルファロメオ」が製造・販売していたクーペタイプの車です。2003年3月にジュネーブ・モーターショーで初お披露目となり販売開始されました。
主要部品は、アルファロメオが1997年〜2005年まで製造・販売していた「アルファ156」を発展させた形ですが、フロントサスペンションには同社が製造・販売したハッチバック型乗用車「アルファ147GTA」を、リアサスペンションは同じくスポーツワゴンの「アルファ156」がベースとなっています。
「快適さとエレガンスさが共存するスポーティーカー」というコンセプトに基づいて開発・製造されたことや、そもそもが、クーペタイプであることからスポーツカーとしての印象が強くなりがちですが、GT(※)と名のつく通り、グランツーリスモが本質の車です。
※GT=グランツーリスモ
本来は「長距離ドライブに最適なパフォーマンスとラグジュアリー性を備えた車種」という意味合いでしたが、近年では「レース参加が可能なほど高性能な車種」「走行性能に優れたロードカー」といった意味合いで使われています。
そんなアルファGTですが、すでに2010年にイタリアでの製造は終了しており、日本では現在、在庫販売のみが行われています。
ここでは、アルファGTについて特徴や魅力、基本スペック、中古車の価格帯などをご紹介していきます。
高い操作性・安定性・乗り心地が人気
アルファロメオ独特とも言える、バンパーに食い込むグリルが「アグレッシヴさ」を演出するとともに「上品さ」「優雅さ」など高級感を演出することも忘れないそのエクステリアは「唯一無二」「妖艶」「アルファGTに乗っている自分が嬉しい」など、さまざまな褒め言葉が並びます。
その中でも、ハンドリングの良さから生まれる高い操作性や、走りの安定性などは着目しておきたいポイントです。
高速走行時の安定性はもちろんのこと、街乗りや山道などを走行していてもハンドリングが良く操作性が高いことで、安定した走りをキープできると同時にドライバーにも安心感をもたらしてくれます。サスペンションが比較的硬めに設定されている点も、安定した走りを実現する要因となっているようです。
またFFということもあり、FRや4WDと比べて乗り心地も快適です。特に後部座席に乗ってみると、その快適性が伝わるでしょう。ただし、この手の車種ですから「静粛性」にはあまり期待しないほうが良いでしょう。むしろ、アルファGTのエンジン音を楽しみながら走行する、というのがおすすめです。
輸入車に不慣れな人でも運転しやすい、運転したくなる、そんな操作性や安定性でドライブを楽しませてくれるのがアルファGTです。
インテリアのクオリティと広い室内・荷室空間が好評
アルファロメオ アルファGTは、クーペタイプではありますがトランクは独立しておらず、ハッチバックタイプを採用しています。「アルファ156」用のリアサスペンションがスペース効率に優れていることも相まって、広い荷室容量を実現しています。その積載量はアルファ156スポーツワゴンに匹敵するとも、ワゴン車並みとも言われています。
後部座席もあるため大人2人過ごせるスペースも十分確保できるうえ、ハッチを開けて後部座席を倒せば自転車・ロードバイクなどちょっとした荷物を運ぶことも可能です。
そのインテリアにはスポーツレザーシートが標準装備されている時点で「国産車より数倍素晴らしい」と評価されていますが、さらにセンターコンソールやメーターなどの周囲のリングを「アルファ147」仕様にしたり、シフトノブ周辺をアレンジしたりすることでもラグジュアリーさを見事に演出しています。
そのほか、サヴウーファーが付いたBOSE製のサウンドシステム、ドライバーが欲しい情報を分かりやすく、かつ素早く表示してくれるマルチファンクションディスプレイ(デジタル)なども標準装備されており、高い快適性をもたらしてくれています。
意外とも言える広い室内と荷室空間、快適さと高級感漂うインテリア。どうやらアルファGTは、クーペやGTといったワードから連想される車とは、一味もふた味も違うようですね。
アルファロメオ アルファGTのスペックなど基本情報
アルファGTのグレードは、基本モデルとなる「2.0JTSセレスピード」、豪華版の「2.0JTSセレスピード・エクスクルーシブ」、最上位モデルの「3.2V6 24V」という3種類が設定されています。
さらに、特別仕様車として上記「2.0セレスピード」を基軸とした、以下の3つのモデルが追加されています。
「ディスティンクティブ」「プログレッション」(2004年11月追加)
「スポルティーバ」「コレッツィオーネ」(2006年4月追加)
「スポルティーバⅡ」「コレッツィオーネⅡ」(2008年3月追加)
このうち、基本的な3グレードのスペックをご紹介します。
「2.0JTセレスピード」「2.0JTSセレスピード・エクスクルーシブ」
- ドア:2ドア
- 定員:5名
- 駆動方式:FF
- トランスミッション:5速AT
- サイズ:全長4495mm / 全幅1765mm / 全高1375mm
- ホイールベース:2595mm
- トレッド:前1515mm / 後1360mm(※)
- 車両重量:1360kg
- エンジン:直列4気筒DOHC
- 最大出力:166ps / 6400rpm
- 最大トルク:21.0kg-m / 3250rpm
- 総排気量:1969cc
※「2.0JTSセレスピード・エクスクルーシブ」のトレッド(後)は1500mm
「3.2V6 24V」
- ドア:2ドア
- 定員:5名
- 駆動方式:FF
- トランスミッション:5速MT
- サイズ:全長4495mm / 全幅1765mm / 全高1375mm
- ホイールベース:2595mm
- トレッド:前1525mm / 後1515mm
- 車両重量:1430kg
- エンジン:直列6気筒DOHC
- 最大出力:240ps / 6200rpm
- 最大トルク:29.4kg-m / 4800rpm
- 総排気量:3179cc
このように、エンジンは直列4気筒2.0LとV型6気筒3.2Lの2種類が設定されています。またトランスミッションも5速シーケンシャル(連続している)オートマチック・トランスミッションに加えて、6速マニュアル・トランスミッションが設定されています。
安全性能も高く、横滑り防止の「VDC(ビークル・ダイナミクス・コントロール)」や6つの「SRSエアバッグ(デュアル・サイド・ウィンドウ各2つ)」、緊急制動時のブレーキアシスト機能「HBA(ハイドロリック・ブレーキ・アシスト)」といったさまざまな安全機能が標準装備となっています。
アルファロメオ アルファGTの中古車価格
アルファロメオ アルファGTはすでに本国イタリアでの生産が終了していることや、日本でも在庫販売されていましたが、徐々に少なくなってきていることなどから、現在、中古車市場にもほとんど出回っていません。2019年5月時点では40台〜60台ほどしか確認できないなど「希少性」が高い車種となっています。
現在、中古車市場に流通しているアルファロメオ アルファGTは、走行距離1万km程度のものから15万km超えまでさまざまです。また年式も1969年(昭和44年)という超低年式車(GT1750)から2010年(平成22年)まで幅広くラインナップされています。
特にGT1750となると、アルファロメオ アルファGT好きな人にはたまらない「マニア垂涎モノ」ではないでしょうか(あくまで執筆時点の情報となります)?
そんなアルファロメオ アルファGTの中古車価格は15万円程度〜200万円程度、平均相場は70万円前後となっていますので「車両本体価格だけ」を見れば、非常に手に入れやすい価格帯になっていると言えるでしょう。
とはいえ、ワンオーナー車となるとほとんど市場には流通しておらず、4〜5台程度にとどまっています。コンディションという面で見ると不安が残りますが、逆にアルファロメオ アルファGT好きは車好きの証とも言えますので、丁寧にメンテナンスを実施してくれている可能性が高いです。
一度アルファロメオ アルファGTに乗ったら「長く乗りたい」という人も多くいるように、まさに、乗ってみて初めて実感するというアルファGTならではの良さがあるのでしょう。
人気があることからも、中古車市場におけるアルファGTの動きは早い傾向にあります。アルファロメオ アルファGTを探している人はぜひ「買いの一台」を逃さないように、こまめに中古車情報をチェックしておきましょう。
アルファロメオ アルファ GTを中古車で購入する際に気をつけること
アルファロメオ アルファ GTの故障事例は多くあげられており、イタリア車らしいと言えば仕方ありませんが、できるだけ故障や不具合は避けたいところですよね。
アルファロメオ アルファ GTを購入する際は、一般的に中古車購入する際の注意点である、
- 車体のゆがみやへこみ
- 内外装のキズなど
- エンジン音が正常か
- 電気系統に不具合はないか
- 整備記録簿はあるかどうか
上記を含めて、以下の点に注意しましょう。
- オイル漏れなどの跡がないか
- タイミングベルトが劣化していないか
- 各消耗品の交換などメンテナンスがしっかり行われているか
アルファロメオ アルファGTの中古車は、平均相場70万円と非常に手にしやすい価格となっていますが、購入後に多額の修理費用が掛かってしまっては元も子もありません。
購入前にしっかりと確認しておきましょう。
まとめ
今回は、復活の声も多いアルファロメオ アルファGTの故障(不具合)について解説してきました。
伝統的なデザインを残しつつ、現代のスタイルも取り入れ、イタリア車ならではの上品な内装が施された、非常に魅力的なアルファ GT。
ぜひ、購入を検討してみてください!