アルファロメオ147は故障(不具合)が多い?故障事例や修理費用などを交えて解説

イタリアの自動車メーカーアルファロメオより登場した“アルファ 147”は、ヨーロピアン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しており、欧州でも高い評価を受けた1台となっています。コンパクトながらもイタリアの上質なスポーツカーとして輝きを放つアルファロメオ147。今回はそんなアルファロメオ147の故障(不具合)について徹底解説していきます。購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

アルファロメオ147は故障(不具合)が多いのか?

アルファロメオ147に関する故障の声

30代/男性

購入してから2年ほど経ちますが、常にエンジンのかかりが悪いような感じです。エンジンがかからないとまではいかないですが、大きな故障になる前に早めに点検してもらった方がいいかなと……。

40代/男性

中古車で購入しましたが、購入後1ヶ月足らずで走行不能となりお別れになりました。どうも電装系にトラブルがあったようです。懲りずに次の車もアルファ147にしましたが、今のところ故障はありません。

50代/男性

頻繁に発生するわけではありませんが、セレスピードがギアチェンジしないことがありますね。あとは、窓落ちの経験もあります。

30代/男性

さほど大きな故障はありませんが、温度計のエラーや半ドアしていないのに半ドアの警告音が鳴ったりします。あと、理由はわかりませんが、フロント側からコロコロというような音がたまにします。もうすぐ定期点検なので、しっかり見てもらおうと思っています。

60代/男性

以前、アルファロメオ147に乗っていましたが、セレスピードの故障、ドライブベルトの脱落、いろんな警告灯が点灯したり、ミッションケースが破損したり、トラブル続きでした。3年ほど乗りましたが、妻に故障が多すぎると責められあえなく手放すことになりました。

アルファロメオ147の故障(不具合)が多い箇所

故障が世界的に少ないといわれる国産車に比べるとアルファロメオ147の故障は多いかもしれません。

しかし、アルファロメオ147だけに限らず、車はどれも工場製品ですから、完璧な1台はありません。当たりハズレはありますが、どの車においても、故障はつきものです。

ここでは、特にアルファロメオ147に多い故障(不具合)箇所を挙げてみます。

  • セレスピードの故障(不具合)
  • 窓落ち
  • エンジンからのオイル漏れ
  • 電装系の故障
  • パワーウィンドウの故障(不具合)

また、故障ではありませんが、アルファロメオ147のスイッチ周りのベタつきを指摘する方も多いです。

スイッチ周りのベタつきに関しては、自分でお手入れすることも可能のようですが、万が一、ディーラーなどでお手入れしてもらう場合は、事前に見積もりを出してもらうようにしましょう。まれに、多額の金額を請求する工場もあるようです。

アルファロメオが発表しているアルファ147に関する故障・不具合・リコール情報

147 2.0 MT・セレスピード/147 3.2 GTA 燃料タンク・ベント・バルブに関わる改善措置(2007年1月10日届)

燃料タンクに溶着されているベントパイプの加工工程において、温度管理が不適切なため、当該燃料タンクの膨張・収縮の繰り返しにより、ベントパイプに亀裂が入ることがある。そのため、燃料の残量が多い場合、当該ベントパイプから燃料が漏れるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
GH-937AB(147 2.0 MT/SELESPEED) ZAR93700003203336~ZAR93700003232020(平成15年12月02日~平成16年05月27日)
ZAR93700005073238~ZAR93700005131952(平成14年10月28日~平成16年04月12日)
GH-937AXL(アルファ147 3.2 GTA) ZAR93700003210355~ZAR93700003213433(平成16年04月12日~平成16年05月27日)
ZAR93700005125198~ZAR93700005130197(平成16年03月22日~平成16年04月12日)
GH-937BXB(147) ZAR93700003215638~ZAR93200003222475(平成16年03月01日~平成16年04月12日)
ZAR93700005126942~ZAR93200005131586(平成16年03月01日~平成16年04月12日)

クラッチ・ペダルに関わる改善措置(2006年12月7日届)

右ハンドル車において、クラッチペダルとプッシュロッドとの固定金具(クリップ)の組み付け作業が不適切なものがある。そのため、クラッチ操作を繰り返すと当該金具が外れることがあり、最悪の場合、クラッチ操作が出来なくなるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
GH-937AB(147 2.0 MT/SELESPEED) ZAR93700003287290~ZAR93700003331332(平成17年06月13日~平成18年07月28日)
ZAR93700005190440~ZAR93700005218860(平成17年07月22日~平成18年04月24日)
GH-937BXB(147) ZAR93700003256516~ZAR93700003334722(平成16年11月01日~平成18年05月30日)
ZAR93700005157053~ZAR93700005221777(平成16年10月04日~平成18年05月30日)

フロントナンバーブラケットに関わる改善措置(2006年6月1日届)

自動車登録番号標(前面)の取り付け位置に不適切なものがあり、そのため、自動車登録番号標が方向指示器の照明部の一部分を妨げているため、角度によっては方向指示器の視認性を欠くおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
GH-937AXL (アルファ147 3.2 GTA) ZAR93700003306903~ZAR93700003319078(平成18年03月17日~平成18年03月30日)
ZAR93700005201095~ZAR93700005210428(平成18年03月15日~平成18年03月28日)

燃料パイプ・クリップに関わる改善措置(2004年7月15日届)

燃料パイプとデリバリーパイプを接続しているコネクターの組付けが不適切なものがあり、また、当該コネクターに抜け防止のクリップが取付けられていないため、エンジンの振動等により、燃料パイプが抜けるものがある。そのため、そのまま使用を続けると、燃料パイプから燃料が漏れ、燃料が供給されなくなり、エンストして再始動できなくなるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
GH-937AXL(アルファ147 3.2 GTA) ZAR93200003187137~ZAR93200003218312(平成15年08月27日~平成16年04月27日)
ZAR93200005107105~ZAR93200005128964(平成15年08月07日~平成16年04月27日)

アルファロメオ147各部品の修理費用

国産車に比べると維持費や修理費用が膨らみがちです。
事前にどのような修理に、どれくらいの金額がかかるか把握しておきましょう。

アルファロメオ147の故障に関する修理費用の目安は以下の通りです。

故障個所 費用
セレスピードの故障(不具合) 全交換で20万円程度
警告灯のエラー 数千円~
アイドルアクチュエーター故障 5万円程度
ギアの不具合(故障) クラッチキット交換の場合20万円前後
ミッションの故障(不具合) 15万円~20万円程度
パワーウィンドウの故障 3万5千円~5万円程度
コンプレッサーの故障(不具合) 15万円程度

その他、消耗品の定期的な交換などにも数千円~数万円程度かかると言われています。アルファロメオ147を購入する際は、修理費用をどこから捻出するかも考えておく方がよいでしょう。

アルファロメオ147のオーナーの評判

冒頭でご紹介した故障(不具合)に関しては、故障続きなどの声がありましたが、すべてのアルファロメオ147に故障(不具合)が多いわけではありません。

中には、10年以上故障とは無縁というオーナーの方もいます。

ここでは、故障も含めてアルファロメオ147を所有しているオーナーの方々の声をご紹介します。

まずはポジティブな意見をまとめてみました。

  • 不満な点がない
  • 国産車に発生ない加速感
  • エンジンの反応が早い
  • 見た目はもちろん、音も良い
  • 乗るたびにわくわくさせてくれる車

一方で以下のようなネガティブな意見があげられました。

  • ゴルフバックが詰めない。ゴルフしない人には特に不便はない
  • 消耗品が多い

ネガティブな意見もありますが、「ネガティブとして挙げた点を含めてもそれ以上の快感が得られる車両」「どんなに不満な点があっても許されるのがアルファ147だ」という意見が多かったです。

アルファロメオ147とはどんな車?

アルファ147(アルファロメオ147)はイタリアの自動車メーカー、アルファロメオが2000年から2010年にかけて製造していたモデルです。アルファ145や146の後継モデルに当たり、先代と同じコンパクトなハッチバックタイプとなっています(3ドア・5ドアタイプがありましたが、2009年のモデルチェンジ以降は5ドアのみになりました)。また、アルファ147の後継モデルにはジュリエッタがあります。

アルファロメオならではのスポーティさと最新技術を融合させたモデルとして世界中で人気の車種となり、最終的な世界累計販売台数は約64万7,500台となりました。また、欧州では2001年「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞(アルファロメオとしてはアルファ156以来となる2度目の受賞)を果たし、日本でも「2002年度インポートカーオブザイヤー」や「2002-2003グッドデザイン賞」を受賞しています。

日本では2001年から2011年までフィアットが販売していました。コンパクトカーとしては高価な車で、現在「プレミアムコンパクト」と呼ばれるジャンルを築いた車の一つでもあります。

アルファロメオ147は国産車にないパワフルな走りができる!

アルファロメオ147の最大の特徴と言えるのが、「アルファロメオらしい豪快な走り」ができることでしょう。「1.6TS」や「2.0TS」はスペックは平凡ながらもツインスパークエンジンによりパワフルな走りができます。

また、最上級モデルの「GTA」では3200ccのV型6気筒エンジンという大排気量、高出力エンジンを搭載しており、コンパクトカーとは思えないパワーのある車に仕上がっています。コンパクトカーの使い勝手とパワフルな走りの両立しているのがアルファ147なのです。

ちなみにアルファロメオのV6エンジンはアルファ147GTAとアルファロメオGTが最後の搭載車となっており、その後発売された車には搭載されていません。後継車であるジュリエッタやミトよりも往年のアルファロメオらしい走りができる車と言えるでしょう。

アルファロメオ147のトランスミッション「セレスピード」とは?

アルファ147は一般的な5速MT(GTAは6速MT)の他に、「セレスピード」と呼ばれるトランスミッションを選ぶことができます。これはアルファロメオがフェラーリのセミオートマ機構「F1ギア」を元に作ったセミオートマ機構です。コンパクトカーにフェラーリと同じようなセミオートマ機構が組み込まれることで注目を集めました。

セレスピードはアルファ156にも搭載されていましたが、アルファ147に搭載されたセレスピードはそこから改良が進み、故障しにくく変速時のタイムラグが減ったものが組み込まれています。

アルファ147のスペックとグレード

日本に輸入されたアルファ147はハイオクガソリン車のみ(海外ではディーゼルエンジン車も販売)で以下の4つのグレードがあります。

1.6TS

標準グレードより小さい1。6Lの直列4気筒ツインスパークエンジンを搭載した廉価版モデルです。トランスミッションは5速のマニュアルのみとなっています。

エンジンだけでなく、2.0TSに装備されている安全装備やオーディオが外されるなど、かなり思い切ったコストカットをしており、人を選ぶグレードと言えそうです。

2.0TS

2.0Lの直列4気筒ツインスパークエンジンを搭載した標準グレードモデルです。トランスミッションは5速のマニュアルと5速セレスピードから選べます。安全装備はVDC(横滑り防止装置)、MSR(エンジンブレーキ・トルクコントロール)、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が付き、BOSE製のサラウンドオーディオも搭載しています。もしもの時の安全性や車内の快適さを重視するなら、1.6TSよりもこちらを選んだ方が良さそうです。

また、2.0TSから内装が革製になり、17インチアロイホイールやディスチャージヘッドランプを装備した「2.0TI」という特別仕様モデルもあります。

GTA

3.2LのV型6気筒エンジンを搭載した最上級グレードです。大きなエンジンを搭載したことで、他のグレードに比べてボディサイズが横に大型化しています。トランスミッションは6速マニュアルと6速セレスピードから選べます。

 

まとめると、大きく分けてグレードは以下の5種類があることになります。

  • 1.6TSの5速MT
  • 2.0TSの5速MT
  • 2.0TSの5速セレスピード
  • GTAの6速MT
  • GTAの6速セレスピード

細かいスペックは以下の通りです。

  • サイズ(1.6TS、2.0TS):4,225mm×1,730mm×1,450mm
    (GTA):4,200mm×1,765mm×1,460mm
  • ホイールベース:2,545mm
  • 車両重量:1,200–1,330kg
  • 乗車定員:5人
  • ボディ:3/5ハッチバック
  • エンジン(1.6TS):1.6L I4 ツインスパークエンジン
    (2.0TS):2.0L I4 ツインスパークエンジン
    (GTA):3.2L V6
  • 駆動方式:FF
  • 最高出力(1.6TS、2.0TS):110kW(150ps)/6300rpm
    (GTA):184kW(250PS)/6,200rpm
  • 最大トルク(1.6TS、2.0TS):181N・m(18.4kg・m)/3800rpm
    (GTA):300N・m(30.6kg・m)/4800rpm
  • 変速機:5速MT(1.6TS、2.0TS)/5速セミAT(2.0TS)/6MT(GTA)/6速セミAT(GTA)

アルファロメオ147の現在の中古価格

アルファロメオ147は既に新車販売は終了しており、中古車でしか購入できません。新車販売時の値段は200万円台~400万円とコンパクトカーにしてはかなり高額な車でしたが、現在の中古価格は10万円台くらいからあります。(ただし、あまり安すぎる車は故障や部品交換にお金がかかりやすいので避けた方が良いです。)

状態の良いものであれば100万円を超えているものもありますが、1.6TSや2.0TSといったグレードは平均して50万円前後が相場となっています。ただし、GTAグレードは現在でも値段が高めになっており、安くてもギリギリ100万円切れる程度で、多くは130万円から180万円くらいの値がつけられています。

アルファロメオ147を中古車で購入する際に気をつけること

いくら安くて状態が良いアルファロメオ147が見つかったとしても、中古車である以上、新車で購入するよりも故障や不具合のリスクは高くなります。

アルファロメオ147の中古車の購入を検討している方は、以下の点を踏まえながら状態の良い車両を選ぶようにしましょう。

・初期型はセレスピードの故障が多い傾向に
アルファロメオ147の初期は前述したセレスピードの故障が多いと言われています。後期型は改善されているようですが、どちらにせよ、セレスピードに不具合がないか確認しておきましょう。

・下回りにオイルなどの油脂類の漏れがないか
アルファロメオ147の不具合や故障として比較的多くあげられる油脂類の漏れについても念入りに確認する必要があります。漏れた跡が残っていないか、残っている場合は、その対応がなされているかを確認しておいてください。

・電装系統は正常か
比較的弱いと言われる電装系に問題ないがないかチェックしてみましょう。

 

上記のほか、外装や内装の傷や汚れはもちろん、過去の整備記録の確認、エンジン音、走行時の音や違和感がないかなど実車を隅々まで確認し、納得したうえで購入するようにしてください。

まとめ

イタリアを代表する自動車メーカーであるアルファロメオから発売された、アルファ147。

イタリアの情熱と気品、上質などすべてにおいて人を魅了する1台となっています。前期型アルファロメオ147は確かに故障が多い傾向にあると言えますが、後期型は比較的故障も少なく、年数がたっても1度も故障したことがないという車両もあります。

故障が多そうだからと言って購入を諦めるにはもったいない車両です。
ぜひ、アルファロメオ147を体全体で感じて、ご自身の手でハンドルを切ってみてはいかがでしょうか。