アルファロメオ アルファ159は故障(不具合)が多いのか?故障事例や修理費用、リコール情報を交えて徹底解説

アルファ159が登場して、アルファロメオという自動車メーカーを知った方も多いのではないでしょうか。現在は生産終了となり、新車での購入ができませんが、居住性が高いことや質の高さなどから、現在もなお欲しい!という方も少なくありません。今回は、そんなアルファロメオ アルファ159の故障(不具合)に関する情報を徹底解説していきます。リコール情報を交えた内容となっていますので、中古車購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

アルファロメオ アルファ159は故障(不具合)が多いのか?

アルファロメオ アルファ159に関する故障(不具合)の声

40代/男性

大した故障ではありませんが、たまに誤警告があります。
定期的にメンテナンスしていますので、故障がないことは確かですが、いきなり警告音が鳴るとびっくりするので、誤警告どうにかしたいですね。

30代/男性

これまで、O2センサーの故障をはじめ、油圧センサーの故障がありました。あとは、トランクの配線が劣化して開閉ができなくなったこともありましたね。でも、安定性やデザイン性はさすがアルファ159という感じなので走行不良になるまでは乗り続けます!

50代/女性

テールランプの点灯具合が悪く、点検時に見てもらうと、配線が劣化していたようです。そこから立て続けに、オイル漏れやセレスピードの故障などが立て続けに起こっています。そろそろ寿命かなと考えていますが、手放すのがさみしい。

20代/男性

購入してから1年くらい経った時に、窓落ちを経験しました。突然のことでびっくりしましたが、今となっては友人間のネタになっています(笑)
最近は、エンジンマウントが破損していたり、デフオイルが漏れていたり立て続けに何かが起こっています。今度の休みにディーラーに持っていって、細部まで点検をしてもらおうと思います。

50代/男性

もうすぐで購入してから7年経ちます。窓落ちがあったり(数回)、ソレノイドバルブセンサーというのを交換したくらいです。あとは、年数とともに内装がべたべたしてきた感じがしますね。そろそろ買い替えかなと思いますが、もう少しアルファ159を楽しむつもりです。

アルファロメオ アルファ159の故障(不具合)が多い箇所

アルファロメオ アルファ159の故障(不具合)については、冒頭でご紹介した通り、故障経験がある人も多くいますが、中には故障したことがないという方もいらっしゃいます。

ただ、アルファロメオアルファ159も工場製品ですから、まったく故障し(不具合)ないということはあり得ません。

アルファロメオアルファ159の故障(不具合)しやすい箇所は以下のような箇所が挙げられます。メンテナンスや点検時はもちろん、購入時には十分に確認しておきたいところです。

  • 窓落ち
  • セレスピードの故障(不具合)
  • 電気系統の故障(不具合)
  • ランプやリアドアなどの配線関連の故障(不具合)
  • バッテリーの突然死
  • オルタネーターの故障
  • フューエルポンプの亀裂

国産車に比べるとやはり故障や不具合を起こす箇所が多く、アルファロメオを購入する際は、ある程度覚悟こして購入することが賢明です。

配線やバッテリーの不具合や故障は経年劣化も考えられるため、日々の点検はしっかりしておいた方がよさそうですね。

アルファロメオが発表しているアルファ159に関する故障・不具合・リコール情報

主ブレーキ一般の不具合(2009年6月25日届)

自動変速機仕様車(AT車)の制動装置において、バキューム能力が不足しているため、ブレーキ操作を頻繁におこなうと、ブレーキアシスト力が低下し、最悪の場合、制動停止距離が伸びるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-93932(159) ZAR93900007079477 ~ ZAR93900007146407(平成19年01月13日~平成20年01月23日)
GH-93932(159) ZAR93900007083886 ~ ZAR93900007126086(平成19年01月15日~平成19年08月30日)

アルファロメオ アルファ159各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

なお、工場によってはアルファロメオ車の取り扱いをしていないところや、外車の取り扱いがない工場もありますので、事前に自宅の近場に修理を請け負ってくれる工場を探しておきましょう。

また、工場によっては外車の工賃が、国産車の2~3倍以上するところもありますので、工場を探す際は、工賃も含め確認しておくことをお勧めします。

故障個所 費用
パワーウィンドウの故障(不具合) レギュレーター交換4~5万円程度
O2センサーの故障(不具合) 5万~10万円程度
誤警告の処置  5千円前後~
セレスピードの故障(不具合) 輸入取り寄せの場合50万円前後~
油圧センサーの故障 2万~6万円程度
気温センサーの不具合(故障) 数万円程度
ソレノイドに関する不具合(故障) 4万~5万円程度

アルファロメオ アルファ159のオーナーの評判

「修理が終わったと思ったら、次は別の個所が故障……」そんな印象のアルファロメオ アルファ159ですが、実際に所有しているオーナーの方々の意見はどうなのでしょうか。

アルファロメオ アルファ159の評判をまとめてみました。
まずはポジティブな意見をご紹介します。

  • 居住性に優れている
  • 走行性が抜群
  • 日本車にない上質な内外装のデザイン
  • 走っていてわくわくする
  • もっと流行ってもおかしくないほど最高の車
  • 気持ちの良いハンドリング
  • 何年経っても飽きがこないデザイン
  • 十分すぎるエンジンパワー
  • 静粛性が高い

一方で以下のようなネガティブな声も上がっています。

  • 燃費が悪い
  • ドリンクホルダーの有無

ネガティブな意見もちらほら挙げられていますが、みなさん、トータルで見ると非常に良い車両であると口をそろえています。

中には、アルファロメオ アルファ159に一目惚れをし、購入から数年経ってやっと冷静に車両を眺めることができたというオーナーもいました。

デザイン性のすばらしさはアルファロメオ アルファ159にとって最大の魅力かもしれませんね。

アルファロメオ アルファ159とはどんな車?

アルファ159(アルファロメオ159)はイタリアの自動車メーカーアルファロメオが製造・販売していた車種です。日本では2006年から2011年まで販売していました。Dセグメントの高級車として世界的に人気を博したアルファ156から8年ぶりの後継モデルとして作られ、注目を集めました。

アルファ159のデザインはアルファロメオと著名な工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが共同で行い、フロントの左右に3連ライトをつけるなど独特なフォルムが特徴です。そのようなデザインが評価され、2006年「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」では3位受賞、「オートビルドデザイン賞2006」受賞、「フリート・ワールド・オーナズ デザイン・アワード2006」受賞などの受賞歴があります。

イタリアではカラビニエリ(警察)や大使館などの官庁の専用車として利用され、トリノオリンピックの際にはスポンサーを務めたアルファロメオが組織委員会のオフィシャルカーに提供しています。また、映画「007 慰めの報酬」(2008年)ではオープニングからジェームス・ボンドと敵対する敵の車として登場、激しいカーチェイスを繰り広げる車として登場しました。

アルファロメオ アルファ156から安定感が増したエンジン

アルファロメオ アルファ159は良くも悪くも人気車種だったアルファ156との違いが話題になります。その中でも特に注目されるのがエンジンです。これは、アルファ156などで使われていたフィアット&アルファ系列のエンジンからGM系列の新型エンジンへと移行したためです。これにより、それまでのアルファロメオの特徴であった「官能的」と称される走りができなくなるのではと危惧されていました、

しかし、実際のところは優れたパフォーマンスを持ったエンジンでありながら、それまでのアルファロメオ車より安定した走りができると高い評価を受けています。その他の部分も含めて扱いやすさが上がった車となり、新しいアルファロメオの方向性を示すことになりました。

アルファロメオ アルファ159は車体が大きい割に小回りが利く

アルファロメオ アルファ159はアルファ156と比べて一回り大きくなり、これは同じDセグメントのライバル車と比較しても大きいサイズと言えます(具体的なサイズは下記参照)。その分室内の余裕が増し快適性が増したのですが、実は各部位の工夫により 、旋回性能についても一回り小さいアルファ156よりも優れており、運転性能と室内の快適性能を両立させることに成功しています。

また広くなった分、車の耐久度や安全装備の設置などの安全性も配慮されています。安全装備としてはブレーキ時のスリップを防ぐASR(アンチスリップ・レギュレーション)、シフトダウン時にエンジンブレーキトルクを制御するMSR(エンジンブレーキ・トルクコントロール)、緊急時にブレーキアシストを行うHBA(ハイドローリック・ブレーキアシスト)、坂道発進をスムーズに行えるヒルホールドシステムなどが搭載されています。

アルファロメオ アルファ159のグレードとスペック

海外ではディーゼル車や様々な大きさのエンジンバリエーションが販売されていたアルファ159ですが、日本で流通しているアルファ159はガソリン車のみで、2種類のエンジンのグレード車のみが流通しています(下で出てくる「JTS」とは直噴エンジンの名称です)。

2.2L JTS

2.2Lの直列4気筒直噴エンジンを搭載したグレードです。2.2L JTSは全てFF駆動で、トランスミッションは6速ミッションと6速セレスピード(セミオートマ)が用意されています。ボディタイプは4ドアセダンと5ドアスポーツワゴンがあります。

3.2L JTS

3.2LのV6直噴エンジンを搭載したグレードで、3.2L JTSは全て「Q4」と呼ばれる4WD駆動となっています。トランスミッションは6速のミッションと6速オートマティックが用意され、ボディタイプは2.2L JTSと同様に4ドアセダンと5ドアスポーツワゴンがあります。

まとめると、大きく分けてグレードは以下の4種類があることになります。

  • 2.2L JTSの6速MT
  • 2.2L JTSの6速セレスピード
  • 3.2L JTSの6速MT
  • 3.2L JTSの6速AT

更に詳細なスペックは以下の通りです。

項目 2.2L JTS 3.2L JTS
サイズ(全長×全幅×全高) 4,660mm×1,830mm×1,415mm 4,660mm×1,830mm×1,415mm
ホイールベース 2,700mm 2,700mm
車両重量 1,385–1,695kg 1,385–1,695kg
乗車定員 5人 5人
ボディ 4ドアセダン・5ドアワゴン 4ドアセダン・5ドアワゴン
エンジン 2.2L I4 3.2L V6
駆動方式 FF 4WD
最高出力 185ps/6500rpm 260ps/6300rpm
最大トルク 23.4kgm/4500rpm 32.8kgm/4500rpm
速機 6MT・6セミAT 6AT

アルファロメオ アルファ159の現在の中古価格

アルファロメオ アルファ159は上でも書いた通り、既に2011年に販売が終了し、中古車を購入するしか入手方法がありません。新車販売価格は400万円以上となっていましたが、現在の中古車価格を見てみると、30万円から200万円とかなり車の状態によって価格にばらつきが見られます。車種全体の平均相場としては90万円前後くらいです。

比較的安いのは2.2L JTSのセレスピードですが、これは経年劣化によりセレスピードの交換が必要な場合もあるためだと思われます。逆に言えばセレスピードで値段が高めの車は既に交換済みのもの・クラッチの劣化が少ないものと言えるかもしれません。

また、元々の値段の違いもあり、やはり3.2L JTSは価格が高めです。安くても80万円くらい、良い状態になると200万円近くするものもあります。そもそも3.2L JTSは2.2L JTSに比べて出回っている車の台数が少なく、自分に希望・予算に合った車を探すのは少し苦労するかもしれません。

アルファロメオ アルファ159を中古車で購入する際に気をつけること

アルファロメオ アルファ159の中古車を購入する場合、走行距離5万キロ未満の購入が良いです。

なぜならば、走行距離が5万キロ以上を超えてくると、ウォーターポンプやサーモスタット、ブレーキパッド、O2センサー、フェールポンプなど、アルファ159における各部品等の経年劣化や故障が生じやすくなっているからです。

他にも消耗品の交換時期にも差し掛かるため、いくら内外装の状態がよく、金額が安いと言っても、購入後に大きな出費となる可能性が高くなります。

ただし、走行距離が5万キロを少し超えた車両であれば、もしかすると前の所有者が一通り交換や修理を行っている可能性があります。

過去の整備記録を確認し、各箇所の整備状況をしっかり確認して見極めることが必要です。

また、保証があるかどうかという点も1つのポイントです。
購入後すぐに故障して多額の出費が必要になってしまうと、継続して維持していくことに不安を感じることでしょう。

購入する際は、保証がついているか、適用範囲内や期限なども十分に確認し、今後の故障に備えておいてください。

上記を踏まえ、アルファロメオ アルファ159を購入する際は、以下のポイントを確認しながら十分に検討してください。

  • 過去の整備記録が残っているか
  • 部品のメンテナンスや点検はしっかりと行われているか
  • 内外装の傷や汚れ
  • 下回りにオイル漏れなどの跡がないか
  • 可能であれば一度試乗してみよう

まとめ

今回はイタリアの自動車メーカー、アルファロメオから発売されていたアルファ159の故障について解説しました。

国産車に比べると故障が多いと感じますが、「アルファ159=故障しやすい」ではなく、日々のメンテナンスや乗り方、保管状況によっても大きく異なってきます。

確かに大きな買い物にはなりますが、値段が安いものばかりに目を向けず、値段相応、故障しにくそうな車両を見つけ出し、状態の良いアルファロメオ アルファ159で楽しいカーライフを送ってください。