ディスカバリー4は、ランドローバー ディスカバリーシリーズの4代目のモデルです。オフロードでの性能が高いディスカバリーシリーズですが、ディスカバリー4ではさらに性能を高め、そのうえ高級感のあるデザインとなり、より多用途な活躍ができる一台となりました。今回は、ランドローバー ディスカバリー4とはどんな車なのか解説するとともに、故障(不具合)しやすい箇所や、故障事例を紹介します。
目次
ランドローバー ディスカバリー4は故障(不具合)が多いのか?
ランドローバー ディスカバリー4に関する故障(不具合)の声
30代/男性
ナビなどの電気関係の故障が多い車ですが、それ以外の面では満足しています。
40代/男性
電動パーキングブレーキとオイルポンプが故障したので、どちらとも交換しました。電装品の寿命が短いのが残念ですが、エンジン系のトラブルは今のところは全くないですね。
50代/男性
ナビがフリーズしましたが、ディーラーに問い合わせてすぐに復活。
サンルーフのシェードが閉まらなくなったこともあり、ディーラーで修理してもらいました。
50代/男性
ナビが動かなくなりましたが、エンジンを何回かかけたり切ったりしていたら、もとに戻りました。サンルーフのシェードが閉まりにくいとか、こまごました故障がいくつかあります。
40代/男性
電気系統が弱いと聞いていましたが、その通りでした。そのほかの故障は全然ないです。
ランドローバー ディスカバリー4の故障が多い箇所
工業製品である以上、故障(不具合)が全くないことはありえません。
ここでは、ランドローバー ディスカバリー4の故障(不具合)が多い箇所を解説します。
ランドローバー ディスカバリー4では、電動ミラーやパワーウィンドウと言った電気系統の故障(不具合)が多くあります。イギリスのメーカーであるランドローバーは、イギリスの環境をもとに製造された車であるため、日本の高温多湿な気候に対応できず、電気系統に不具合が生じてしまいます。
窓ガラスを開閉するためのモーターが故障(不具合)すると、窓ガラスが下がったまま閉まらなくなるといったことが起きます。雨などが降ってもこまりますし、防犯的にも早めの修理が必要となるでしょう。
ランドローバー ディスカバリー4では、オイル漏れや冷却水漏れも多くある不具合です。オイルや冷却水といった、液体漏れを防ぐためのシールがありますが、そのシールから漏れる事例が多く発生しています。
そのまま乗り続けると、エンジンなどにも不具合が生じるなど、オイル漏れ以外のさまざまな故障につながってしまいます。
ランドローバーが発表しているディスカバリー4に関する・不具合・リコール情報
後写鏡等 (直前直左確認装置)、かじ取り装置(パワーステアリング制御システム)における不具合(2013年3月12日届)
(1)直前直左カメラを含む全5箇所のカメラ画像表示を制御するカメラモジュールにおいて、回路基板の表面処理が不適切なため、当該基板に生成物が生じることで回路短絡が発生し、カメラ画像を表示せず、直前直左の障害物を確認できないおそれがある。
(2) カメラモジュールのカメラシステムソフトウェアにおいて、起動電圧の設定が不適切なため、エンジン始動時等で車両バッテリ電圧が低い場合、カメラシステムが起動せず、直前直左の障害物を確認できないおそれがある。
(3)速度感応式パワーステアリングシステムの回路短絡検知ソフトウェアが不適切なため、走行中に回路短絡の誤検知が発生し、パワーステアリングのアシスト量が高速走行用の低アシスト量に固定され、ステアリング操作が困難になるおそれがある。- (ABA-LA5Nを除く)
型式 | 車台番号 |
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ABA-LA5N | SALLAJAD3AA511201~SALLAJAD3CA632960(平成21年9月1日~平成24年7月31日) |
視野確保装置における不具合(2012年3月5日届)
直前直左カメラと画像表示装置を接続している信号伝送ケーブルにおいて、使用中の熱の影響によって伸縮する他のケーブルから圧力を受けて、当該ケーブルの内部構造が歪められ、外部からのノイズの影響を受け、当該カメラの映像が歪む、または表示しなくなるおそれがあります。
型式 | 車台番号 |
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ABA-LA5N | SALLAJAD3AA511201~SALLAJAD3BA571571(平成21年9月1日~平成23年3月28日) |
ランドローバー ディスカバリー4各部品の修理費用
各部品の修理費用の相場を紹介します。
故障(不具合)箇所 | 費用 |
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エアサスペンションの故障(不具合) | 4箇所全て交換で100万円前後 |
オイル漏れ・冷却水漏れ | 数万円~数十万円程度 |
オルタネーターの故障(不具合) | 10万円~20万円前後 |
エアコンプレッサーの故障(不具合) | 30万前後 |
ランドローバー ディスカバリー4は外国車なので、国産車と比べると修理費用が割高です。
ランドローバー ディスカバリー4オーナーの評判
故障(不具合)について解説してきましたが、実際にランドローバー ディスカバリー4を所有しているオーナーの評判はどうでしょうか。
ポジティブ
ランドローバー ディスカバリー4では「HDDナビ・本革シートヒーター・バックモニター・コーナーセンサー」などが標準装備されています。
コーナーセンサーに関しては、リアだけにしかついていないようですが、標準でここまでの装備が充実しているのであれば、値段も高く感じないとの声が多数ありました。
ランドローバー ディスカバリー4は車高が高いため、見通しが良く、大きいボディーサイズながら小回りが利くので運転のしやすさも備えています。
また、静粛性がありながらも、パワフルなエンジンで快適に走行ができ、エアサスペンションの搭載で、オフロードでも安定した走りが可能です。
ディスカバリー4とはどんな車?
イギリスの世界的自動車メーカーであるランドローバー。そのランドローバーが販売している「ディスカバリー4」は、ディスカバリーシリーズの“第4世代”です。
ディスカバリーは、ランドローバーの“第3モデル”として1989年に登場し、90年代には「世界一過酷なオフロードレース」と言われたキャメルトロフィーのオフィシャルカーとして名を馳せ、世界的なオフロードカーへと躍り出たのは、周知の事実です。
ディスカバリー3でプレミアム化し、一気に高級SUVへと進化を遂げたディスカバリーシリーズですが、ディスカバリー4ではさらに磨きがかかっています。外観自体は、ディスカバリー3のそれとさほど変わらないものの、内装や機能・性能が文字通り大きな「変貌」を遂げていると言っても過言ではありません。詳しくは後述します。
販売期間は2009年〜2016年でしたので、すでに終了しています。ディスカバリー3と同様に北米では「LR4(ランドローバー4)」、それ以外の地域では「ディスカバリー4」として販売されていました。
「アドベンチャー向けに製造した」「自信を持って冒険に出かけられる」「かつてないほどの存在感を誇る」など目につく謳い文句が並ぶディスカバリー4は、まさにランドローバー・ブランドの中核を担う超重要モデルです。
オフロード走行を熟知しているランドローバーのすべて、そしてオンロードでもすぐれた性能を発揮する技術や機能、洗練されたデザイン、どれをとっても「さすが」としか言いようがない、そんなディスカバリー4の魅力や基本スペック、中古車価格をご紹介していきます。
ランドローバーの特許技術「インテグレイテッド・ボディ・フレーム」を継承!
ディスカバリー3で初めて採用された、ランドローバーの特許技術「インテグレイテッド・ボディ・フレーム」はディスカバリー4でも継承されています。張力鋼板とアルミニウムを組み合わせたボディは、オフロードに強いとされる従来の「ラダーフレーム構造」に、「モノコック構造」のメリットを複合させることで完成された、屈強・強靭なボディです。
ボディの高い剛性は、正確なハンドリング、スタイリッシュで快適な乗り心地、そして騒音や振動の低減=高い静粛性を実現しました。
さらに、重量物を低い位置に配置し低重心化を実現したことで、より一層の安定感が生まれただけでなく、前後のオーバーハングをギリギリまで短くすることも可能になったことなどから、これまでに類を見ないアプローチ、デパーチャーアングルを確保することが可能になりました。
その結果、オフロードの走行性が飛躍的に向上したほか、ケーブルやワイヤーなどダメージを受けやすいパーツも保護されるなど「品質」そのものが大きく向上しています。
加えて、こうした複合形状の強靭なフレームは、側面衝突から運転席や助手席を守る働きがあります。同時に、燃料タンクやシステムなどさまざまな重要機構を保護する役割も果たすなど、安全性能の面でも大幅にアップしていることが分かります。
卓越したオンロード・オフロード性能は技術の賜物!
ディスカバリー4を語る上で外せないのは、やはり同じくランドローバーの特許技術でもある「テレイン・レスポンス・システム」でしょう。これは、地形に合わせたモードを選択するだけで、ディスカバリー4のあらゆる機能が、その走行状況に「最適な」状態へと自動で調整されるというシステムです。
オンロードから雪、泥、砂地などさまざまなモードから選択することができます。例えば、4輪独立サスペンション(エアスプリング)を用いていますが、いずれかのモードを選択すると、そのモードに応じて自動でスプリングが硬く・柔らかくなったり、最低地上高を上昇させたりしてくれます。たった一つのスイッチ操作であらゆる機能が最適化されるという、まさに「走りを楽しむ」にはうってつけの技術と言えるでしょう。
こうした、さまざまな卓越したオンロード・オフロード性能が盛り込まれているのが、ディスカバリー4の最大の特徴です。
もちろん、ディスカバリー3から進化した部分も大いにあります。例えばフロントマスク。ディスカバリー3で高級SUVへと進化しましたが、ディスカバリー4ではさらに、新型(当時)レンジローバーと同等のフロントマスクを採用し、より高級感をアップさせています。
また、ヘッドライト・テールライトともに“円”を描くLEDランプを採用しているほか、最上位グレードの「HSE」モデルでは「AFS(アダプティブ・フロントライト・システム)」も採用されています。これは、カーブなどの状況に応じてハイビーム・ロービームを自動で調整してくれる機能です。
このように、ディスカバリー3のハイスペックは継承しつつ、さらに高級SUVから超高級SUVへと進化を遂げたのがディスカバリー4なのです。
なお、2014年12月には基本グレードのSEをベースとして、副変速機付きトランスファーや、アクティブ・リア・ロッキング・ディファレンシャルなどが装備された限定車「SE アウトドアパッケージ」も販売されており、大きな注目を集めました。
ディスカバリー4のスペックなど基本情報
日本で販売されたディスカバリー4は、廉価グレードの「S」が廃止となり「SE」「HSE」のみがラインナップされました。
2009年12月〜2013年10月までは「SE 4WD」「HSE 4WD」が設定され、いずれもジャガー製の5リッターV型8気筒DOHCエンジンが搭載されていました。
一方、2013年11月からは「SE」「HSE」が設定され、いずれもジャガー製の3リッターV型6気筒DOHCスーパーチャージャーエンジンが搭載されています。さらに、6速ATだったトランスミッションも8速ATに改良されています。
そのほか、基本的なスペックは以下の通りです。
ボディタイプ | SUV |
ドア数 | 5ドア |
定員 | 7名 |
エンジン | ジャガー製 5リッター V8 / ジャガー製3リッターV6スーパーチャージド / フォード3リッターV6ターボディーゼル / フォード製2.7リッターV6ターボディーゼル |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | 6速AT(2009〜2013年) / 8速AT(2013〜2016年) / 6速MT |
サイズ | 全長4850mm / 全幅1920mm / 全高1890mm |
ホイールベース | 2885mm |
排気量 | 4999cc(2009〜2013年) / 2994cc(2013〜2016年) |
車両重量 | 2580kg(2009〜2013年) / 2550kg(2013〜2016年) |
最高出力 | 375ps(2009〜2013年) / 340ps(2013〜2016年) |
最大トルク | 52.0kg・m(2009〜2013年) / 45.9kg・m(2013〜2016年) |
以上が基本的なスペックです。
ディスカバリー4の中古車価格
ディスカバリー3を凌駕し、さらにその地位を不動のものとしたディスカバリー4ですが、やはりディスカバリー3と同様に中古車市場ではほとんど見かけることがありません。「希少性の高さ」は変わっていないようですね。
2019年5月時点では、約30台のディスカバリー4の中古車が確認できました。価格帯は260万円〜500万円、平均相場は340万円前後となっています。
新車価格が676万円〜796万円程度ですので、そこまで値下がりしていないことが分かります。
ディスカバリー3の中古車価格が割とお手頃だったのと比べると、一気に価格が上昇し、なかなか手に入りにくい価格帯になってしまいました。しかし、ディスカバリー4はもちろん、それだけの価値がある車です。
ここでご紹介しきれていない、さまざまな機能は「オフロード・オンロードの本当の魅力」を体感させてくれるのに十分すぎるほどです。
ディスカバリー4の中古車の購入を検討している人は、ぜひ、試乗だけでも体感してみてはいかがでしょうか?人気のため入れ替わりが早い車種でもありますので、ぜひ中古車情報をチェックして、最高の一台を逃さないようにしましょう!
ランドローバー ディスカバリー4を中古車で購入する際に気をつけること
カメラ機能
エアコンプレッサー
オルタネーター
ランドローバー ディスカバリー4では、車載カメラの画像が正常に映し出されないなど、カメラモジュールの故障(不具合)が起きてしまうことがあります。
死角となる場所などの確認ができる、カメラが故障(不具合)していると危険なので、事前に確認しましょう。リコールも出されているので、該当する車であるかどうかの確認もおこないましょう。
エアコンプレッサーやオルタネーターは、経年劣化により起こる故障(不具合)が多くあります。外国車では、走行距離が5万㎞ほどから故障(不具合)が増えます。
ランドローバー ディスカバリー4は、2016年に販売が終了しているため、中古車市場では走行距離5万㎞を超える車も出回っています。中古車を購入の際に、実際にエンジンをかけ、異音や振動などの不具合がないか確かめておくと安心です。
新車で購入する場合の、半額以下の価格で売られているものもありますが、価格だけを重視して購入してしまうと、購入後、余計に維持費がかかってしまう可能性があります。上記のようなことをしっかりと確認したうえで、納得のできる車を選択しましょう。
まとめ
ランドローバー ディスカバリー4はSUV車としての性能の高さはもちろん、高級感のあるデザインや充実した装備などから、多用途で活躍できる車です。
しかしながら、工業製品である以上、故障(不具合)のリスクはあるので、ランドローバー ディスカバリー4の魅力だけでなく、故障(不具合)に関する知識を入れておくことが大切です。
中古車購入の際には、今回、解説した故障(不具合)に関する情報を参考に、より良い一台を選択し、ランドローバー ディスカバリー4の魅力を存分に味わってみてください。