フォルクスワーゲン アルテオンの故障(不具合)が多い箇所とは?事例や修理費用と併せて解説

ドイツが誇る自動車メーカー、フォルクスワーゲンが製造・販売したアルテオンは、フォルクスワーゲンがこれまで培ってきた、さまざまな技術が搭載されています。性能の高さから、あらゆる場面での活用が期待できるフォルクスワーゲン アルテオンですが、やはり気になるところは故障(不具合)。今回は、フォルクスワーゲン アルテオンの故障(不具合)に関する情報と、中古車で購入する際の注意点について解説します。

フォルクスワーゲン アルテオンは故障(不具合)が多いのか?

フォルクスワーゲン アルテオンに関する故障(不具合)の声

30代/男性

エンジンの回転数が2000回転くらいのときにBピラーからビリビリと音があいました。ガソリンの供給するパイプが車体と重なっていたらしくビリビリと音がしていたみたいです。ディーラーが無償で交換してくれました。

40代/男性

雨が降った日は、ヘッドライトが曇ってしまい困ります。

30代/男性

雪が降っていると、センサーの状態が悪くなります。故障まではいかないですが。

フォルクスワーゲン アルテオンの故障(不具合)が多い箇所

フォルクスワーゲン アルテオンは2017年に発売され、まだ数年しか経過していないため、上記からも分かるように故障に関する声は少ないようです。

しかし工業製品である以上、車が全く壊れないことはありえません。長く乗ると劣化するものもありますし、メンテナンス不足から故障(不具合)に繋がってしまう場合もあります。

ここでは、フォルクスワーゲン アルテオンの故障(不具合)が多い箇所を紹介します。

  • パワーウィンドウの故障(不具合)
  • 電気系統の故障(不具合)
  • DSGシステムの故障(不具合)

パワーウィンドウの故障では、窓ガラスがストンと下に落ち、そのまま閉まらなくなる現象が多く起きています。初期症状として、パワーウィンドウを閉めたときに完全に上まで閉まらず、隙間ができてしまうことがあります。その場合は、すぐにディーラーや整備工場に行き修理してもらいましょう。

また、日本でフォルクスワーゲンを所有している人に多いのが、電気系統の故障です。高温多湿な日本の気候により、電気系統に影響がでることが多くあります。電気系統の中でもヒューズ切れによる故障が最も多く、この場合はヒューズを交換する必要があります。

DSGシステムの故障では、走行中に大きな振動が起きたり、変速ができなくなったりなどの症状が現れます。DSGシステムは、マニュアルミッションの変速を自動でおこなってくれるフォルクスワーゲン独自技術のですが、信号が多い日本の道路環境では、クラッチの多用により故障が生じてしまうようです。

故障を最低限に抑えたい方は、マニュアル車を選択することが賢明かもしれません。

フォルクスワーゲンが発表しているアルテオンに関する故障・不具合・リコール情報

パノラマスライディングルーフ外装トリムに関する不具合(2019年5月29日届)

パノラマスライディングルーフの外装トリムを交換する作業において、部品カタログの表記が不適切なため、正規と異なるプライマーを使用したものがある。そのため、トリムとフレームの接着性が低下して剥がれ、最悪の場合、当該トリムが走行中に脱落するおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-3HDJHF WVWZZZ3HZJE525669~WVWZZZ3HZKE00117(平成30年6月13日~平成30年9月13日)
DBA-3CCZE WVWZZZ3CZFE472682(平成27年6月15日)

後部座席シートバックフレームの不具合(2019年5月29日届)

後部座席のヘッドレストにおいて、ヘッドレストガイドとシートバックフレーム間の 溶接が不適切なため、取付け強度が不足しているものがある。そのため、衝撃により 溶接部が破断し、ヘッドレストが外れて乗車人員の頭部の過度の後傾を有効に抑止で きないおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-3HDJHF WVWZZZ3HZJE527242~WVWZZZ3HZJE530735(平成30年7月9日~平成30年8月18日)

歩行者頭部保護装置クラッシュセンサーの不具合(2018年9月26日届)

歩行者頭部保護装置のクラッシュセンサにおいて、フロントバンパーカバー内側に取付けされている当該センサの取付け部の接着処理が不適切なため、走行中の振動などにより接着性が低下するものがある。そのため、最悪の場合、当該センサが外れるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-3HDJHF WVWZZZ3HZJE502828~WVWZZZ3HZJE504485(平成29 年8 月21 日~平成29 年11 月8 日

エアスポイラーの不具合(2018年2月28日届)

車体後部に取り付けられたエアスポイラーの製造が不適切なため、当該エアスポイラー表面と土台の接着力が不足しているものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、走行時の風圧によりエアスポイラー表面が脱落し、最悪の場合、他の交通の妨げとなるおそれがある。

対象車両

型式 車台番号
ABA-3HDJHF WVWZZZ3HZJE504976~WVWZZZ3HZJE505163(平成29年10月20日)

フォルクスワーゲン アルテオン各部品の修理費用

フォルクスワーゲン アルテオン各部品の修理費用の相場を紹介します。

故障(不具合)箇所 費用
パワーウィンドウの故障(不具合) 3万前後
DSGの故障(不具合) 数十万~
エアーコンプレッサーの故障(不具合) 20万前後
オルタネーター故障(不具合) 20万前後

あくまでも相場ですので、実際に修理が発生した場合には、ディーラーや整備工場へ問い合わせて、事前におおまかな見積もりを確認しておきましょう。

フォルクスワーゲンオーナーの評判

フォルクスワーゲン アルテオンの故障に関して解説してきましたが、購入する際には、実際に所有しているオーナーの評判も気になるものです。

フォルクスワーゲン アルテオンを所有しているオーナーが感じるポジティブな面とネガティブな面はどのようなところにあるのでしょうか。

ポジティブ

  • ラゲッジルームが広い
  • 加速性能が良い
  • 車のシルエットがかっこいい
  • コスパが良い
  • パワーがあるので坂道もらくに上れる
  • 車の音が静か
  • 大きいボディだけど扱いやすい
  • 燃費が良い

ネガティブ

  • 駐車に気を使う
  • 内装に高級感が欲しい
  • タイヤのノイズが気になる

さまざまな意見がありますが、走行性能に関して高い評価を得ているようです。

フォルクスワーゲン アルテオンとはどんな車?

 

ドイツが誇る世界的自動車メーカー、フォルクスワーゲンが製造と販売を手がけるセダン、それが今回のアルテオンです。

同社のパサートから派生した「CC」と呼ばれる車種の後継車という位置付けになっており、フォルクスワーゲンの新たなフラッグシップモデルとして登場しました。

日本では、2017年から販売が始まりました。

フォルクスワーゲン自ら「いいクルマができました」と謳っているように、アルテオンにはフォルクスワーゲンがこれまで培ってきたさまざまな技術や知識が盛り込まれた、魅力あふれる一台になっています。

アバンギャルドなツーリングカーと称されるアルテオンは、街乗りからロングドライブまで、のんびり走行からスポーティーな走りまで、あらゆるシーンにおいて思いのままに楽しめる、というのが最大の特徴であり魅力であるとしています。

発売当初、設定されていたグレードは「R-Line 4MOTION」および「R-Line 4MOTION Advance」の2グレード、ボディーカラーは新色となるチリレッドメタリックに加えてターメリックイエローメタリック、ディープブラックパールエフェクト、パイライトシルバーメタリック、アトランティックブルーメタリック、オリックスホワイト マザーオブパールエフェクトが設定されています(一部有償オプションあり)。

また、発売からちょうど1年後となる2018年10月には新たに「TSI 4MOTION Elegance」をグレード追加しており、レザーシートのカラーバリエーションが3種類追加されるなどしています。

まだまだ歴史も浅く、日本でも乗っている人が少ないアルテオン、ここではその魅力やスペック、中古車価格などを調査していきます。

公道最高水準となる「レベル2」の運転支援技術を搭載!

アルテオンには、公道最高水準(発売当時)とされた「レベル2」の運転支援技術が搭載されています。たとえば、他の車種ではほとんど見かけることのない技術として「プロアクティブ・オキュパント・プロテクション」機能があります。

これは、急ブレーキや極端なオーバーステアおよびアンダーステアなどにより発生すると予測される事故の可能性や、前方からの衝突または後方からの追突などを検出すると、自動でウインドウが閉まり、シートベルトのテンションが高まるというシステムです。万が一衝突があった際、エアバッグの効力が最大限発揮されるように支援するためのものです。

「ポストコリジョンブレーキシステム」も、いざというときに助かるシステムです。エアバッグのセンサーが、追突などの衝撃を検知すると作動する自動ブレーキで、車両を減速させることによって対向車線へのはみ出しなどによる二次的な事故・多重事故のリスクを低減させる目的で搭載されています。

もちろん、近年の自動車に多く搭載されている渋滞時追従支援システム、車間距離を一定に保って追従するアダプティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、歩行者検知対応エマージェンシーブレーキシステムなども、ひと通り搭載されています。

スポーティーさと流麗さが見事に融合した上質極まる走り

アルテオンに搭載されているのは2.0TSIエンジンです。最高出力280馬力を実現しています。ギヤボックスには、同社のゴルフRに初めて採用された湿式7速DSGを採用しています。

TSIエンジンとは、「ターボチャージャード・ストラティファイド・インジェクション」のことで、直訳すると「ターボチャージャーが備わった直噴システムのエンジン」となります。

ただ、従来の直噴ターボエンジンのイメージとは異なり、ターボを搭載しながらも小排気量化を図るというダウンサイジングの思いが込められています。

さらに、エンジンは燃料直接噴射に加えてマルチポイント噴射のデュアルインジェクションシステムが採用されています。

このほかにも、シリンダーヘッド&エキゾーストマニホールドの一体化、フリクションの低減といったフォルクスワーゲンが持つさまざまな技術が盛り込まれています。アクセルを踏み込んだ瞬間から、力強く伸びのある加速やダイナミックな走りを体感することができます。

エクステリアはクーペを想起させる流麗な全体デザインに、スポーツカーのようなディテールへのこだわりを反映させ、かつグランドツーリングカーのような重厚感も表現するなど、まさにフォルクスワーゲンの新しいフラッグシップモデルとしてふさわしいエクステリア、走行性能を備えています。

アルテオンのスペックなど基本情報

アルテオンの基本スペックをご紹介します。基本スペックにはほとんど違いは見られませんが、内装のカラーバリエーションやパネルの素材、バンパーやサウンドシステムの違いなど、各所に差が見られます。

アルテオン「R-Line 4MOTION」※カッコ内は「 R-Line 4MOTION Advance」

寸法 全長4865mm / 全幅1875mm / 全高1435mm
ホイールベース 2835mm
車両重量 1700kg(1700〜1720kg)
乗車定員 5名
燃料消費率 13.3km/L [JC08モード値]
エンジン種類 直列4気筒 4バルブDOHC インタークーラー付ターボ
総排気量 1984 cc
最高出力 206kW[280PS] / 5600~6500rpm
最大トルク 350Nm[35.7kgm] / 1700~5600rpm
トランスミッション 7速DSG

アルテオン「TSI 4MOTION Elegance」

寸法 全長4865mm / 全幅1875mm / 全高1435mm
ホイールベース 2835mm
車両重量 1700〜1720kg
乗車定員 5名
燃料消費率 13.3km/L [JC08モード値]
エンジン種類 直列4気筒 4バルブDOHC インタークーラー付ターボ
総排気量 1984 cc
最高出力 206kW[280PS] / 5600~6500rpm
最大トルク 350Nm[35.7kgm] / 1700~5600rpm
トランスミッション 7速DSG

フォルクスワーゲン アルテオンの中古車価格

あると嬉しい便利な機能を搭載しているのもアルテオンの特徴です。

たとえばパワーテールゲートはリアバンパーのセンサーと連動しており、キーを持った人がバンパー下に足を差し出して所定の動作をおこなうだけで、自動でテールゲートが開きます。

さらに、キーを持った人がテールゲートから一定以上離れると今度は自動でクローズし、ロックまでかかるというスグレモノです。

これにより、荷物で手がふさがっている場合でも楽々、テールゲートを開閉することができるようになります。

随所に魅力が詰まったアルテオンですが、お伝えしたように、日本では2017年から販売されているセダンなので、まだまだ中古車市場にはほとんど流通していません。

2019年7月に調査した時点でも、わずか40台のアルテオンしか確認できませんでした。

中古車販売価格は410万円〜600万円程度、平均相場は460万円前後となっています。

ちなみに新車の販売価格は「アルテオンR-Line 4MOTION」が549万円、「アルテオン R-Line 4MOTION Advance」が599万円、新グレード「アルテオンTSI 4MOTION Elegance」が599万円(いずれも税込)となっています。

中古車市場では、どういったアルテオンが並んでいるのかを調べてみると、デモカーが多いかと思いきや、ワンオーナー車で走行距離1万キロ未満〜2万km程度などが多く見られました。

グレードはRライン4モーションが圧倒的で、ついでアドバンス、エレガンスは少数といったラインナップでした。それなら新車に…という人もいるかもしれませんが、たとえば2000km走行しただけのアルテオンは460万円程度ですから、新車よりも100万円近く値が下がっています。

試乗車としてのみ、使用されていたものであればディーラーがメンテナンスをおこなっていることもあり、状態はほぼ新車に近いと考えて良いのではないでしょうか。

むしろ、絶対に新車!にこだわらなければ、かなり状態が良いアルテオンをリーズナブルに手に入れることができるかもしれません。

この辺の価値観は人それぞれですので何とも言えない部分ですが、ほぼ新車に近い中古車(いわゆる新古車)がほとんどですので、中古車情報サイトをチェックしていれば、もしかすると「これなら…!」と思える一台に出会えるかもしれないですよ。

フォルクスワーゲン アルテオンを中古車で購入する際に気をつけること

まだまだ中古車市場におけるフォルクスワーゲン アルテオンの台数はわずかしかありませんが、通常よりもやや低い価格で購入できる可能性もあり、中古車を狙っている人もいることでしょう。

では、フォルクスワーゲン アルテオンの中古車を購入する場合は、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

下記に注意点をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 走行距離が長すぎる
  • 内装に損傷がないか
  • パワーウィンドウに不具合がないか
  • DSGシステムの故障歴を確認

フォルクスワーゲン アルテオンは2017年に発売された車種のため、走行距離が異常に多いものは避けた方が良いでしょう。走行距離が長くなれば、部品の劣化、交換のタイミングを迎えているものも多い可能性があるため、購入費用プラス修理、交換費用がかかることが考えられます。

なお、パワーウィンドウは前述したとおり、故障(不具合)が多い箇所なので、特に注意して確認しておきたい箇所です。開閉してみて、隙間ができていないか、異音がしていないか念入りにチェックしておきましょう。

パワーウィンドウ同様にDSGシステムについても故障が多いと言われる箇所なので、故障歴がないか確認が必要です。ただし、DSGシステムは新車から3年の間に故障(不具合)が起きなければ、それ以降は故障しにくいと言われています。

また、車を選ぶ際は走行距離や外装に注目しがちですが、内装の確認も忘れてはいけません。どんなに登録年数が新しくて外装が綺麗な状態でも、内装に損傷や汚れなどがあることも十分に考えられるので、内装の隅々まで確認しておくと、あとから後悔するようなことはないでしょう。

まとめ

足元までおしゃれにこだわり、スポーツカーのような外観がかっこいいと人気のフォルクスワーゲン アルテオンは、室内も広々としていて、走行性能や安全性能も充実しています。

日本の気候や道路環境により起こる故障や不具合もありますが、それを上回るほど魅力が詰まった車両であると言えるでしょう。

ぜひこの機会に、フォルクスワーゲン アルテオンへの乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。