軽トールワゴンとSUVを融合して誕生したスズキ ハスラーは、街乗りはもちろん、オフロードの走破性にも優れているうえ、ポップなカラーバリエーションが特徴の軽自動車です。グッドデザイン賞や日本自動車殿堂カーオブザイヤーを受賞するなど輝かしい経歴を刻んでいますが、購入するとなればやはり故障(不具合)が気になるところですよね。ここでは、スズキ ハスラーの故障(不具合)に迫りたいと思います。
目次
スズキ ハスラーは故障(不具合)が多いのか?
スズキ ハスラーに関する故障(不具合)の声
30代/男性
ベルトから何やら異音がすると思った矢先、リコールが発表されました。無事に交換できたので安心と思いきや、CVTも何やらおかしいような気がします。
30代/女性
子供の送り迎えで毎日ハスラーを使用していますが、3年程たったときにエアコンから変な音がするようになりました。整備士である主人に確認してもらったところ、コンプレッサーを交換しなければいけないみたいです。
30代/男性
子供の送り迎えで毎日ハスラーを使用していますが、3年程たったときにエアコンから変な音がするようになりました。整備士である主人に確認してもらったところ、コンプレッサーを交換しなければいけないみたいです。
40代/女性
つい先日1回目の車検を終えました。が、車検から帰ってきて1週間ほど経った際にCVTの警告灯が点灯。メーカー保証がついていたので無償で交換してもらいましたが、車検直後にこれってどうなのでしょうか。
20代/女性
走行中にいきなりウォッシャー液がとまらなくなり(笑)さらにワイパーまで止まらなくなりました。晴れの日にワイパー止まらなくなるのは恥ずかしい(笑)まあ、その前に自分でいじっていたのでそれが原因かと思われますが。。
30代/男性
これまでの故障はエアコンの故障から始まり、オルタネーターの故障、ライトを点灯にしても実際にはライトがつかないなど多々ですね。次の車検は通さず乗り換えようと思っています。
スズキ ハスラーの故障が多い箇所
ある調査では、スズキ車は国産車の中でも故障率が多いと言われていたこともありますが、工業製品である以上、どんな車両であっても故障(不具合)が生じる可能性はあります。
スズキ ハスラーにも故障(不具合)しやすい箇所というのがあり、以下の箇所は注意が必要です。
- エンジン(アイドリングストップ)に関する不具合・故障
- エアコンの故障(不具合)
- 電気系統の故障(不具合)
なお、後述しますが、スズキ ハスラーは2014年に発売が開始となっており、まだまだ歴史が浅い車両です。
そのため、これから故障や不具合について報告が上がってくる可能性もありますので、故障や不具合情報およびリコール情報などには敏感に反応しておきましょう。
スズキが発表しているハスラーに関する故障・不具合・リコール情報
完成検査に関わるリコールについて(2019年4月18日届)
任命されていない検査員(検査補助者)が合否判定を行う等、完成検査工程における合否判定が不明確であったため、道路運送車両の保安基準に関する検査が適切に行われていなかった可能性があります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-MR31S | MR31S-103554~MR31S-848024(平成27年5月6日~平成31年2月1日) |
DAA-MR41S | MR41S-100158~MR41S-642301(平成27年5月6日~平成31年2月1日) |
エンジン補機ベルトにおける不具合(201811月15日届)
エンジン補機ベルトの構造が不適切なため、当該ベルトの耐久性が不足しているものがあります。そのため、ベルトの共振により当該ベルトが破断し、オルタネータやウォータポンプが停止して警告灯が点灯し、最悪の場合、走行中にエンジンが停止して再始動できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-MR31S | MR31S-200059~MR31S-215411(平成25年12月12日~平成26年4月11日) |
MR31S-800049~MR31S-806313(平成25年12月12日~平成26年4月10日) |
助手席用エアバッグブラケットに関する不具合(2014年9月18日届)
助手席用エアバッグブラケットの溶接が不適切なため、当該溶接部が剥れるものがあります。そのまま使用を続けるとエアバッグブラケットの車体固定部に過大な力が加わり、最悪の場合、車体固定部が破損し、衝突時にエアバッグが正常に展開しないおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-MR31S | MR31S-100759~MR31S-100825(平成26年5月23日~平成26年6月5日) |
MR31S-221321~MR31S-223582(平成26年5月23日~平成26年6月6日) | |
MR31S-809589~MR31S-810873(平成26年5月23日~平成26年6月9日) |
スズキ ハスラー各部品の修理費用
ここでは、スズキ ハスラーにおける各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障(不具合)箇所 | 費用 |
---|---|
経年劣化によるエアコンの故障(不具合) | コンプレッサー交換:20万円前後 |
オルタネーターの不具合・故障 | 10万円前後かかるケースもある |
アイドリングストップの不具合・故障 | バッテリー交換:1万~3万円程度 |
CVTの故障(不具合) | 30万円程度 |
スズキ ハスラーオーナーの評判
ここまでは、スズキ ハスラーの故障(不具合)について解説してきましたが、ハスラーに限らずどの車両においても故障(不具合)の可能性はあります。
故障(不具合)を気にしてばかりでは、楽しいカーライフを送ることはできませんよね。
では、実際にスズキ ハスラーを所有している方からの評判はどうでしょうか。満足な点と不満な点に分けてご紹介します。
満足な点
- ブレーキのストロークが長い
- 加速もいいと思う
- デザインが可愛い、かっこいい
- 安全性が高い
- 積載性も十分
- 燃費がいい
- 8インチのカーナビが装着できる
- 雪道でも安心感がある
- シートの座り心地がよい
- 装備が充実している
- ハンドリングは軽すぎず運転しやすい
- シートを倒すとほぼフラット
不満な点
- ロールアンダーが強い
- エネチャージ特有のクセがある
- アイドリングストップOFFが毎回リセットされる
- ショックアブソーバーがやや硬め
- さすがに大人4人乗車すると窮屈
- 後部座席は突き上げを感じることが多い
ハスラーとはどんな車?
「遊べる軽!ハスラー」は、日本が誇る世界的なバイクメーカー、スズキ株式会社(以下、スズキ)が販売している軽自動車です。唯一無二の独特なフォルムが非常に魅力的ですね。
軽トールワゴン+SUVを見事にクロスオーバー(融合)させた、ありそうでなかった新ジャンルの軽自動車として2014年の発売当初から大きな注目を浴びている、人気車種です。
実はこのハスラーという名前、以前スズキが製造していた2ストロークオフロードバイクシリーズ「TS」の空冷モデルの愛称だったのですが、社内公募によって軽自動車にもハスラーの名前が正式に付けられることとなりました。
オフロードバイクの持つイメージと、ハスラーの「ラフロードを軽やかに、イキイキと走る」というイメージにピッタリだったようです。
そのエクステリアからも分かるように、ハスラーはキャンプや釣り、スキーにスノーボードといったアウトドアやレジャー志向の強いユーザー、さらには雪道や轍といった悪路走行を好むユーザーなどに向けて開発された、クロスオーバーSUVです。
もちろん、街乗りに向いていないというわけではありません。走行性能や燃費性能などは後ほど詳しくご紹介しますが、あらゆるシーンに対応できるCUV(クロスオーバー・ユーティリティー・ビークル)なのです。
2013年10月「第43回東京モーターショー」に参考出展、同年12月に正式発表となり、翌2014年1月、ついに販売が開始されました。そこから現在まで、大きなモデルチェンジはおこなわれていませんが、さまざまなグレードやモデル、特別仕様車などが発表されています。
遊び心満載のデザイン、優れた積載性、そしてオレンジ、イエロー、パープル、ピンクなど鮮やかなボディーカラーなど独自の路線を切り開くハスラーの性能やスペック、中古車価格などを見ていきましょう。
スズキの次世代技術「S-エネチャージ」が優れた燃費性能を実現
S-エネチャージとは、モーターがエンジンをアシストすることで、より優れた燃費性能を発揮できるシステムです。
具体的には、「ISG(モーター機能付き発電機)」とS-エネチャージ専用に開発された「リチウムイオンバッテリー」が、発進後から加速時にモーターでエンジンをアシストしたり、減速時に生じるエネルギーで発電と充電をおこなったりすることで低燃費性に貢献する仕組みです。
アイドリングストップ後に再始動する場合、ISGのモーター機能によりベルトを介してエンジンが始動します。つまり、ギヤを噛む音がなくなるため、非常に静かな立ち上がりを実現してくれます。
また、新アイドリングストップシステムでは、停車前の減速時、ガソリンを使わずに「13km/h」以下でエンジンを停止させることが可能です。これによりムダなガソリンの消費がカットされますので、さらなる燃費性能の向上に貢献しています。
このほか、嬉しい機能が「eco-cool」です。アイドリングストップ中、特に夏場などはエアコンも停止し、一気に熱気がこもってしまう…そんな経験をした人も多いのではないでしょうか?
ハスラーの空調ユニットには“冷房で凍る蓄冷剤”が内蔵されており、アイドリングストップ時でも一定時間、冷気を送ることが可能になります。これが「eco-cool」です。車内温度の上昇によってエンジン始動してしまうケースが大幅に減るため、やはり燃費性能に大きく貢献してくれるシステムです。
※グレードやモデルなどにより、搭載されていない機能・性能があります。
とにかく広い!車中泊だってOKの車内空間と便利な収納スペース
軽自動車でありながら、フルフラットにすれば大人でも余裕で足を伸ばせるほど広い車内空間に早変わりします(もちろん、身長にもよります)。
1名乗車で助手席やリアシートを倒せばサーフボードといった長いアイテムも余裕を持って収納でき、2名乗車で釣りなどに出かけたいときはリアシートの背もたれを両方倒すことで広々としたラゲッジスペースができあがります。
もちろん、3名乗車時でも片側のリアシートを倒せますので、ちょっとしたアウトドア用品であれば十分、積載することが可能です。
また、助手席後方のシートバックテーブルは食事などに最適で、リアドアのペットボトルホルダーや助手席シートアンダーボックスなど、いたるところに便利な収納スペースが設けられています。
別売りの「ユーティリティーナット」を取り付ければ、天井付近にラゲッジネットだって設置することができますので、さらに積載量を増やすことも可能です。
このように、アイデア次第で多彩な使い方ができる自由度の高いシートアレンジや、豊富な収納スペースなども、ハスラーの大きな特徴でもあり、アウトドア志向のユーザーから支持を得ているポイントでもあります。
「遊べる軽!」のコンセプト通り、乗ってよし走ってよし泊まってよしの3拍子そろったハスラーは、「2016年度 JNCAP予防安全性能アセスメント」において最高ランクの「ASV++」を獲得しています。
実は、これは軽自動車では初となる46点満点という快挙を成し遂げた瞬間でもあったのです。ハスラーは安全面でも高い評価を得ていることが分かります。
ハスラーのスペックなど基本情報
ハスラーには「A」「G」「Gターボ」「J」「Jターボ」といったグレードが設定されています。ここでは「A」と「Jターボ」の基本スペックをご紹介します。
なお「A」には2WDの5速マニュアルトランスミッションおよびインパネシフトCVT、4WDの5速マニュアルトランスミッションおよびインパネシフトのCVTがそれぞれ設定されています。
ハスラー「A」
2WD5速マニュアルトランスミッション(カッコは4WDインパネシフトのCVT)
寸法 | 全長3395mm / 全幅1475mm / 全高1665mm |
室内寸法 | 長さ2035mm / 幅1295mm / 高さ1250mm |
ホイールベース | 2425mm |
トレッド | 前1290mm / 後1290mm |
最低地上高 | 180(175mm) |
車両重量 | 750kg(820kg) |
乗車定員 | 4名 |
燃費(JC08モード) | 24.8km/h(25.6km/h) |
エンジン型式 | R06A型 |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT |
総排気量 | 658cc |
最高出力 | 38kW[52PS] / 6500rpm |
最大トルク | 63N・m[6.4kg・m] / 4000rpm |
同様に、「Jターボ」にも2WDと4WDが設定されています。
ハスラー「Jターボ」
2WDインパネシフトのCVT(カッコは4WDインパネシフトのCVT)
寸法 | 全長3395mm / 全幅1475mm / 全高1665mm |
室内寸法 | 長さ2160mm / 幅1295mm / 高さ1250mm |
ホイールベース | 2425mm |
トレッド | 前1290mm / 後1290mm |
最低地上高 | 180mm(175mm) |
車両重量 | 820kg(870kg) |
乗車定員 | 4名 |
燃費 | 27.8km/h(26.2km/h) |
エンジン型式 | R06A型 |
エンジン種類 | 水冷4サイクル直列3気筒IC付きDOHC12バルブVVT |
総排気量 | 658cc |
最高出力 | 47kW[64PS] / 6000rpm |
最大トル | 95N・m[9.7kg・m] / 3000rpm |
モーター型式 | WA04A |
モーター種類 | 直流同期電動機 |
最高出力 | 1.6kW[2.2PS] / 1000rpm |
最大トルク | 40N・m[4.1kg・m] / 100rpm |
動力用主電池 | リチウムイオン |
ハスラーの中古車価格
軽ワゴン+SUVという新しいジャンルを確立させたハスラーは中古車市場でも人気の高い車種になっています。2019年6月の調査時点では、約3000台のハスラーが確認できました。
中古車市場における価格帯は45万円程度〜250万円程度、平均相場は110万円前後となっています。参考までに、2014年発売モデルの新車販売価格は110万円〜173万円ほどです。
カスタムオリジナルツートン、4インチ・6インチリフトアップ、ロースタイル車高調などなど、とにかくさまざまなハスラーがラインナップされています。SUVというとリフトアップされている個体が多いイメージですが、ハスラーは逆にローダウンさせている個体も多く、目を引きます。街中を走ることが多いという人は、ロースタイルでもカッコ良いかもしれません。
とにかく3000台ほどと豊富にありますので、ぜひ中古車情報サイトでじっくり、自分好みのハスラーを探してみてはいかがでしょうか?
スズキ ハスラーを中古車で購入する際に気をつけること
ここでは、スズキ ハスラーを中古車で購入する場合の注意点をまとめてみました。
1台1台状態が異なる中古車での購入となるため、念入りにチェックをして商談を進めていきましょう。
- 車両の年式とグレード
- 過去の修復歴
- ボディのへこみや歪み
- エンジンの状態
- アイドリングストップが正常に稼働するか
- パワーウィンドウやオーディオ、エアコンなどが正常に稼働するか
- 内装のキズや汚れ
- 過去の整備記録簿
スズキ ハスラーは年式やグレードによって装備されている機能などが異なります。
そのため、気に入る車両を見つけた場合はまずは、自分が欲しい機能がついているかを確認しましょう。
あらかじめ、どのような機能が欲しいか、いらないのかピックアップしておくことで探しやすくなるでしょう。
また、まれに初年度登録から年数が経ち、走行距離が短い車両が販売されていることもあります。一見、良好な車両に見えますが、実際に使用されている期間が短く、保管されている期間が長い可能性があります。
保管状態にもよりますが、必要以上に部品に劣化が生じている可能性もあるため注意が必要です。
まとめ
今回は、軽自動車でありながらSUVとしての顔も持つスズキ ハスラーの故障(不具合)について解説してきました。
「普段使いを考えれば軽自動車がいいけど、SUVも捨てがたいところ」と言った方にはぜひおすすめしたい1台です。
これまでの軽自動車にはなかったさまざまな使用用途で活躍するスズキ ハスラー。この機会に検討してみてはいかがでしょうか。