日本国内にとどまらず、アメリカやイギリスなど諸外国でも高い評価を得ているレクサス。そんなレクサスから販売しているLSは特に人気の高い車両です。20017年には11年ぶりのフルモデルチェンジが行われ、非常に注目された瞬間だったと言えます。しかしながら、やはり気になるのは故障(不具合)に関することですよね。今回は、レクサス LSの故障(不具合)について詳しく解説していきます。
目次
レクサス LSは故障(不具合)が多いのか?
レクサス LSに関する故障(不具合)の声
40代/男性
故障ではありませんが、ブッシュ類のへたりが早いような気がします。頻繁に交換しなければならない事態は勘弁してほしいですね。
50代/男性
LSの前にもレクサス車に乗っていましたは、壊れた経験は1回もナシ。故障はないだろうとLSにしましたが、案外故障が多くハズレだったのかな。電動クーリングファンやブレーキコンピューターなど頻繁に故障します。
20代/男性
デザインがかっこよかったし、レクサスというブランドの安心感から購入しました。特に大きな故障もなく、快適に過ごしていましたが、2日ほど前から電動ヘッドレスが動かなくなりました。週末にディーラーに持っていこうと思いますが、いくらくらいかかるのかな……。
40代/男性
VGRSアクチュエーターが故障した模様。早いところディーラーに持っていきたいところですが、修理はすぐに終わるのでしょうか?近々旅行の予定だったのでそれまでには直してもらいたいですね。
60代/男性
レクサスの車両を乗り継ぎ、LSで落ち着いています。ただ、このところ不調続きで、1ヶ月前はエアサスの不具合が起こり、オルタネーターが故障しました。これまでの経験上、故障が続いたことがなかったので驚いていますが、特に不満はありません。たまの我儘なのでしょう。それ以上に愛着があるので、大切に乗り続けます。
レクサス LSの故障(不具合)が多い箇所
様々な市場調査を行うコンサルティング会社「J.Dパワー社」の自動車耐久品質調査によると、レクサスは世界で一番、故障率が低いブランドという結果が出ています。
しかしながら、レクサスで取り扱う車両もすべて工場製品であることは間違いありません。
故障率は少なくとも、まったく故障しないということはあり得ません。
レクサス LSにおいて故障(不具合)が多いと言われる箇所は次のような箇所になります。
- エアコンの不具合・故障
- オルタネーターの故障
- エアサスの不具合・故障
- パワーステアリングの不具合・故障
- イージークローザーの不具合・故障
レクサスが発表しているLSに関する故障・不具合・リコール情報
ランフラットタイヤに関する不具合(2019年2月27日届)
ランフラットタイヤにおいて、タイヤとホイールの組付工程が不適切なため、タイヤのサイドウォール内面補強層に亀裂が発生するものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、異音や振動が発生し、最悪の場合、トレッドの一部が剥がれ、走行安定性を損なうおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-VXFA50(LS500) | VXFA50-6000001~VXFA50-6003742(平成29年10月11日~平成30年 7月20日) |
DBA-VXFA55(LS500) | VXFA55-6000001~VXFA55-6000795(平成29年10月11日~平成30年 7月20日) |
DAA-GVF50(LS500h) | GVF50-6000000~GVF50-6004438(平成29年 8月23日~平成30年 7月20日) |
DAA-GVF55(LS500h) | GVF55-6000000~GVF55-6004363(平成29年 8月23日~平成30年 7月20日) |
エンジン制御用コンピュータに関する不具合(2018年12月5日届)
エンジン制御用コンピュータにおいて、制御プログラムが不適切なため、アイドリングストップ直後の再始動時にエンジンの吸入空気量を正確に算出できないことがあります。そのため、エンジン回転が不安定となり、最悪の場合、エンストするおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-VXFA50 (LS500) | VXFA50-6000001~VXFA50-6003973(平成29年10月11日~平成30年 9月14日) |
DBA-VXFA55(LS500) | VXFA55-6000001~VXFA55-6000841(平成29年10月11日~平成30年 9月11日) |
原動機の燃料配管(デリバリパイプ)における不具合(2014年10月15日届)
原動機の燃料配管(デリバリパイプ)において、燃圧センサ締結面の平滑度が不適切なため、燃圧センサを規定トルクで締め付けても締結力が不足しているものがあります。そのため、燃圧センサ締結部がゆるみ、燃料が漏れるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-UVF45(LS600h) | UVF45-5000101~UVF45-5010035(平成19年 3月30日~平成22年 7月20日) |
DAA-UVF46(LS600hL) | UVF46-5000104~UVF46-5013028(平成19年 3月30日~平成22年 7月13日) |
DBA-USF40(LS460) | USF40-5053201~USF40-5099647(平成19年 8月22日~平成22年 6月25日) |
DBA-USF45(LS460) | USF45-5000101~USF45-5008230(平成20年 7月29日~平成22年 7月15日) |
DBA-USF41(LS460L) | USF41-5031238~USF41-5041033(平成20年 7月29日~平成22年 6月23日) |
DBA-USF46(LS460L) | USF46-5000107~USF46-5002323(平成20年 8月 8日~平成22年 5月12日) |
原動機の動弁機構部における不具合(2010年7月5日届)
原動機の動弁機構部において、バルブスプリングの材料中に微小異物があるとスプリングの強度が低下して折損することがあります。そのため、異音が発生してエンジン不調となり、最悪の場合、走行中にエンジンが停止するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
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DBA-USF40(LS460) | USF40-5000195~USF40-5083526(平成18年 8月24日~平成20年 7月31日) |
DAA-UVF45(LS600h) | UVF45-5000158~UVF45-5006442(平成19年 4月 4日~平成20年 7月31日) |
DAA-UVF46(LS600hL) | UVF46-5000203~UVF46-5009558(平成19年 4月 3日~平成20年 8月21日) |
ギヤ比可変ステアリングシステム(VGRS)の制御プログラムの不具合(2010年5月21日届)
ギヤ比可変ステアリングシステム(VGRS)の制御プログラムが不適切なため、通常の据え切り操作から急ハンドルのような素早い戻し操作をすると、一時的にハンドルの中立位置が大きくずれることがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-USF40(LS460) | USF40-5091493~USF40-5091552(平成21年 9月 2日~平成21年 9月28日) |
USF40-5094289~USF40-5099016(平成21年11月18日~平成22年 5月13日) | |
DBA-USF45(LS460) | USF45-5004579~USF45-5004586(平成21年 9月 7日~平成21年 9月 8日) |
USF45-5005889~USF45-5007783(平成21年11月26日~平成22年 5月12日) | |
DBA-USF41(LS460L) | USF41-5036886~USF41-5036901(平成21年 9月 4日~平成21年 9月10日) |
USF41-5038151~USF41-5040670(平成21年11月19日~平成22年 5月13日) | |
DBA-USF46(LS460L) | USF46-5001455~USF46-5002323(平成21年12月15日~平成22年 5月12日) |
DAA-UVF45 (LS600h) | UVF45-5007503~UVF45-5007528(平成21年 8月28日~平成21年 9月30日) |
UVF45-5007665~UVF45-5009712(平成21年11月20日~平成22年 5月13日) | |
DAA-UVF46(LS600hL) | UVF46-5010863~UVF46-5010919(平成21年 9月 7日~平成21年 9月23日) |
UVF46-5011039~UVF46-5012814(平成21年11月20日~平成22年 5月13日) | |
DBA-USF40(LS460) | 車両製作後、修理等で対象となる VGRSコンピュータが組付けられたもの |
DBA-USF45(LS460) | |
DBA-USF41(LS460L) | |
DBA-USF46(LS460L) | |
DAA-UVF45(LS600h) | |
DAA-UVF46(LS600hL) | |
DBA-USF40(LS460) | |
DAA-UVF45 (LS600h) | |
DAA-UVF46(LS600hL) |
自動変速機の内部にある接続用金具の不具合(2004年7月1日届)
自動変速機の内部にある接続用金具の形状が不適切なため、前進や後退時に急なアクセル操作等を行うと、当該金具の回り止め部が折損し、 パーキングロック機構部に挟まることがあります。そのため、チェンジレバーをパーキング位置に操作しても、パーキングロック機構が作動しなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
UA-UCF30(セルシオ) | UCF30-0123388~UCF30-0147383(平成15年 7月29日~平成16年 1月14日) |
UA-UCF31(セルシオ) | UCF31-0046308~UCF31-0056816(平成15年 7月29日~平成16年 1月13日) |
レクサス LSにおける各部品の修理費用
ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障個所 | 費用 |
---|---|
イージークローザーの不具合・故障 | 新車保証期間内であれば無償、保証切れの場合は片側15,000円程度 |
パワーステアリングの不具合・故障 | 無償 |
エアコンの故障 | 10万円~20万円程度 |
オルタネーターの故障 | 10万円以上 |
エアサスの不具合・故障 | 全交換の場合は20万円程度 |
ロアアームの故障(特にLS460) | 走行可能車両であれば5万円程度 |
新車保証に加入していれば、ある程度の故障は保証で賄うことが可能な場合が多いため、保証が切れる前に、交換の必要がないかなど1度点検しておいた方がよいでしょう。
また、後述しますが、レクサス LSの車両重量は2,150キログラム~2,390キログラムと非常に重いです。そのため、足回りのへたりが早い傾向にありますので、大きな故障で多額の出費となってしまう前に、整備しておくことをお勧めします。
レクサス LSのオーナーの評判
ここでは、実際にレクサス LSを所有しているオーナーの方々の声を集めてみました。
まずはポジティブな口コミをご紹介します。
- ハンドリングが安定しているため大きさを感じない
- 迫力感のある高級車
- 女性でも運転しやすい
- 運転疲れしない
- ハイテクな装備が満載
- エクステリアもインテリアもデザイン性が高い
- 加速が抜群
- 広々としていて、ゆったりとした乗り心地
一方、ネガティブな点には以下のようなものが挙げられています。
- 室内ランプが暗い
- エンジン音がうるさい
- 前席の収納が少ない
- ブレーキ鳴きする
レクサス LSのオーナーの意見としては「不満点なし、最高の1台」と称する方もいらっしゃるほど、出来の高い車ということが伺えます。
高級で落ち着いたたたずまいを感じさせつつ、スポーティーな走りを繰り出すレクサス LSは男女問わずに惚れ惚れさせてくれる車両のようです。
レクサス LSとはどんな車?
トヨタ自動車が展開する高級車ブランド“レクサス”が販売するレクサス LSは、フラグシップセダンとなっています。
現行モデルのレクサス LSは5代目となっており、初代LSは1989年に発表されました。ただし、初代~3代目LSに限っては、レクサスではなく、トヨタやトヨペットにて「セルシオ」として発売されています。
レクサス LSの歴史は以下の通りです。
- 初代LS(XF10型/LS400) 1989年-1994年
- 2代目LS(XF20型/LS400) 1994年-2000年
- 3代目LS(XF30型/LS430) 2000年-2006年
- 4代目LS(XF40型/LS460・LS460L) 2006年-2017年
- 5代目LS(XF50型/LS500・LS500h) 2017年-
4代目LSでは、海外仕様車にのみ設定されていたロングボディLS460Lが導入されたり、ハイブリッド仕様が加わったりと、より幅広い選択肢を得られるようになっています。
また、L-Selectとしてレクサス初のカスタマイズプログラムも導入され、シートやインパネなどのステッチのカラーを自由に選択できるようになり、自分好みのカスタマイズが楽しめるようになりました。
さらに、走りに重点を置いたversion Sをベースとしたversion SZが加わり、スーパーカーモデル「Fパフォーマンス」も発表されています。パドルシフトが導入されたり、専用チューニングのエアサスペンションが搭載されたりと高い性能を誇る1台となっています。
現行モデル5代目レクサス LSの特徴は?
2017年に発売した5代目レクサス LSは、発売1ヶ月で約1万台を販売したとしており、その人気ぶりが伺えます。
5代目レクサス LSの特徴としては以下の点が挙げられます。
印象的なデザインの“スピンドルグリル”
網目とスピンドルグリルのくびれが絶妙な立体感を与えてくれる美しいデザインとなっています。なお、ボンネットは長く緩い形状のデザインとなっており、クーペを思わせつつ、重量感のあるデザインがマッチし、高級感を増してくれます。
ファーストクラスのような乗り心地
座席一つ一つにもこだわり、ラグジュアリーな空間でゆったりとした乗り心地となっています。
Lexus Safety System +を超えた装備が標準装備に
5代目レクサス LSではLexus Safety System +をさらに向上させたLexus Safety System +AをI packageで標準装備しており、より安全性に優れたシステムとなっています。
レクサス 4代目以降のスペックを比較
項目 | 4代目LS(前期型) | 4代目LS(後期型) | 5代目LS_LS500 | 5代目LS_LS500h |
---|---|---|---|---|
ボディタイプ | 4ドアセダン | 4ドアセダン | 4ドアセダン | 4ドアセダン |
全長(mm) | 5,030(標準車) 5,190(ロングボディ) |
5,090(標準車) 5,210(ロングボディ) |
5,235 | 5,235 |
全幅(mm) | 1,875 | 1,875 | 1,900 | 1,900 |
全高(mm) | 1,465(後輪駆動) 1,475(四輪駆動) |
1,465(後輪駆動) 1,475(四輪駆動) |
1,450(後輪駆動) 1,460(四輪駆動) |
1,450(後輪駆動) 1,460(四輪駆動) |
重量 | 1,940 – 2,220kg | 1,940 – 2,220kg | 2,150-2,410kg | 2,150-2,410kg |
エンジン | 1UR-FSE型 4,608cc V8 DOHC 1UR-FE型 4,608cc V8 DOHC |
1UR-FSE型 4,608cc V8 DOHC 1UR-FE型 4,608cc V8 DOHC |
V35A-FTS型: 3,444cc V型6気筒 直噴DOHCツインターボ |
8GR-FXS型: 3,456cc V型6気筒 直噴DOHC |
駆動方式 | 後輪駆動 四輪駆動 |
後輪駆動 四輪駆動 |
後輪駆動 四輪駆動(電子制御AWD) |
後輪駆動 四輪駆動(電子制御AWD) |
最高出力 | 後輪駆動:283kW(385PS)/6,400rpm 四輪駆動:270kW(367PS)/6,400rpm |
後輪駆動:288kW(392PS)/6,400rpm 四輪駆動:272kW(370PS)/6,400rpm ハイブリッドシステム:327kW (445PS) |
310kW (422PS)/6,000rpm | 220kW (299PS)/6,600rpm |
最大トルク | 後輪駆動:500Nm(51.0kgm)/4,100rpm 四輪駆動:473Nm(48.2kgm)/4,100rpm |
後輪駆動:500Nm(51.0kgm)/4,100rpm 四輪駆動:477Nm(48.6kgm)/4,100rpm |
600N・m (61.2kgf・m)/ 1,600-4,800rpm |
356N・m (36.3kgf・m)/ 5,100rpm |
変速機 | 8速AT(8 Super ECT) | 8速AT(8 Super ECT) | 10速AT(Direct-Shift 10AT) | 電気式無段変速機 (マルチステージハイブリッドトランスミッション) |
レクサス LSを中古車で購入する際に気をつけること
前述した通り、レクサスは世界的に見て故障率が最も低いブランドとして評価されています。
しかしながら、レクサス LSを中古車で購入するとなると、やはり故障が気になるところです。
レクサス LSを中古車で購入する際は、以下の点に注意しながら確認していきましょう。
- 足回り部品の劣化具合
- エアコンが正常に作動するか
- エンジンをかけた際や走行中に異音がしないか
- ブレーキの利きは正常か
- 内外装に傷や汚れなどがないか
- パネルやメーター、電動ヘッドレス、イージークローザーが作動するか
上記のほかに、過去の記録を残した記録簿があれば、どのような整備が行われてきたか確認することも大切です。
故障は部品そのものの劣化や不備なども要因となりますが、前オーナーの乗り方や保管環境、メンテナンスも大きく関わってきますので、しっかりとチェックしておきましょう。
また、過去に発表されたリコールの対応がなされているかも確認が必要です。
リコール対応がなされていない場合は、納車前に対応をしてもらってください。
なお中古車購入後、まれにリコールに関する通知が届かないということがあります。重大な事故が起こってからリコールに気づいてしまっては元も子もないので、常にリコール情報が発表されていないかチェックしておくことをお勧めします。
まとめ
今回は、レクサス LSの故障について解説してきました。
世界一故障率が低いと言われるレクサス社の車両ですから、故障に関する事例も少ない傾向です。
ただし、故障個所によっては、大きな出費になることは間違いありません。日々のメンテナンスや点検をしっかり行い、長く所有していきましょう。
最上級セダン LSは、デザイン、走行性ともに最高の快感を与えてくれる1台です。
ぜひ、レクサスLSとともに生活を豊かに送ってみてはいかがでしょうか。