フェラーリ 360モデナは故障(不具合)しやすい?故障が多い箇所や修理費用、リコール情報など徹底解説

イタリアのスポーツカーメーカーとして有名なフェラーリ。そんなフェラーリが1999年にF355の後継者として発表した360モデナはエントリーモデル的存在として、当時の史上最多販売台数を記録しています。残念ながら2005年に生産終了となりましたが、現在でも360モデナはフェラーリの人気車両です。そんなフェラーリ 360モデナをこれから購入しようとすると、発売から年数が経っていたり、生産が中止していたりするため、故障を心配する人も多いと思います。今回は、フェラーリ 360モデナの故障(不具合)について徹底解説していきます。

フェラーリ 360モデナは故障(不具合)が多いのか?

フェラーリ 360モデナに関する故障(不具合)の声

20代/男性

父が360モデナのF1に乗っていますが、維持費用が半端ないみたいです!この前もミッションが故障したと嘆いていました。まあ、父からすれば修理費用より車に乗れないことが悲しいみたいですが……(笑)

40代/男性

家族を説得して中古車で購入した360モデナが故障したようです……。いつも通り、モデナのエンジンをかけてドライブに向かっていたのですが、1時間ほど経つとなんだかエンジンの調子が悪い。CHECK ENGINEの警告が表示され、その後すぐにエンストっぽくなったので、そのまま整備工場へ持っていきました。修理すれば乗れるそうですが、家族からの目が悲しい

50代/男性

以前、360モデナに乗っていましたが、定期点検にもっていくと、リングギアという部分が破損していると言われました。その時は修理しかなかったので、修理をしてもらいましたが、そのあとすぐにリングギアの破損についてリコールが発表されました。リングギアが破損すると走行不能になるとか……道の真ん中で止まらなくて良かった。

40代/男性

少し前からエンジン警告灯がよく点灯する。エンジンを再始動したら消えるし、特に不具合もないからそのままにしていて、次の点検のときに見てもらう予定でした。点検前に整備工場に用があったので、ついでに確認してもらうと、ECUの不良だったようです。

フェラーリ 360モデナの故障(不具合)が多い箇所

どんなに世界的有名なメーカーの車両であっても、工業製品である以上、故障(不具合)しないとは言い切れません。

高額な維持費がかかる分、故障がしにくいと思う方もいますが、フェラーリ 360モデナにも故障(不具合)しやすい箇所というのがいくつかあります。

次のような箇所は故障(不具合)しやすいと言われていますので、注意が必要です。

  • ミッションの故障(不具合)
  • クラッチの故障(不具合)
  • 電装系の故障(不具合)
  • 燃料ポンプ漏れ
  • 光軸調整機能の故障(不具合)

比較的故障(不具合)しやすい箇所として挙げていますが、日々のメンテナンスをしっかりと行うことが大切となります。

メンテナンスを行うことで、部品が劣化しても早めに対処することができ、大きな故障や部品交換を避けることもでき、維持費の節約にもつながるでしょう。

フェラーリが発表している360モデナに関する故障・不具合・リコール情報

エバポ抑止装置の不具合(2004年9月28日届)

左右燃料タンクとキャニスタを接続するために取り付けているロールオーバーシャットオフバルブ(前側)のホースの長さが不適切なため、そのまま使用を続けると、当該ホースを取り付けた際に発生する応力により、当該ホースが折損することがある。そのため、エンジン警告等が点灯するとともに、燃料蒸発ガスが漏れ出し、最悪の場合、火災に至るおそれがある。

対象車両

型式 車体番号
GF-F360S(360スパイダー) ZFFYT53B000118962 ~ ZFFYT53J000127747(2000年09月09日 ~ 2002年04月12日)

パワーステアリングの不具合(2004年6月24日届)

パワーステアリングポンプに接続するパワーステアリングホースのコネクタの構造が不適切なため、エンジン又は走行時の振動により、当該コネクタが損傷するものがある。そのためパワーステアリングオイルが漏れ、ハンドルの操作力が増大し、最悪の場合当該オイルが排気管に飛散し火災に至るおそれがある。

対象車両

型式 車体番号
GH-F360(360モデナ) ZFFYR51J000130736 ~ ZFFYR51J000133942(2002年12月20日 ~ 2003年08月27日)
GH-F360S(360スパイダー) ZFFYT53J000130773 ~ ZFFYT53J000133361(2002年12月20日 ~ 2003年08月27日)

配線の不具合(2002年4月19日届)

電気装置において、原動機と車体との間のアースケーブルの製造方法が不適切なため、車両の振動により当該ケーブルが端子部から抜けることがあり、点火装置が正常に作動せず、原動機が停止し、再始動ができなくなるおそれがある。

対象車両

型式 車体番号
GF-F360(360モデナ) ZFFYR51J000125257 ~ ZFFYR51J000126314(2001年08月24日 ~ 2001年12月14日)
GF-F360S( 360スパイダー) ZFFYT53J000125503 ~ ZFFYT53J000126403(2001年08月24日 ~ 2001年12月14日)

駆動力伝達部の不具合(2000年11月21日届)

動力伝達装置のクラッチにおいて、フライホイールに取付けられているリングギアの強度が不適切なため、そのままの状態で使用を続けると、当該リングギアが破損し、最悪の場合、走行不能に至るおそれがある。

対象車両

型式 車体番号
GF-F360(360モデナ) ZFFYR51J000114970 ~ ZFFYR51J000120536(1999年06月28日 ~ 2000年07月17日)

フェラーリ 360モデナ各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

故障箇所 費用
ミッションの故障 200万~300万円前後
エキゾーストテンプユニットの故障 10万円前後
クラッチの故障 50万円~
F1マチックポンプの故障 10万円~20万円程
F1マチックの交換 60万円~80万円前後
F1マチックのセンサー関連の故障 ポジションセンサーの場合2個で50万円程
ヘッドライトの故障 左右のライトを交換した場合140万円程度

どの故障に関しても、高額な修理費用が掛かります。

また、年数や距離数が伸びると必ず交換が必要となるクラッチとタイミングベルトの交換ですが、約100万円の費用が必要です。

故障すると、さらに膨大な費用が掛かる可能性がありますので、適宜交換が必要な部品はしっかり交換していきましょう。

例え故障が少なくとも、フェラーリ 360モデナを維持していくには、年間100万円程度は必要ということを認識しておいた方がいいかもしれませんね。

フェラーリ 360モデナオーナーの評判

車両本体の価格もそうですが、維持費も、故障した際にも多額の費用がかかるフェラーリ 360モデナ。

360モデナに憧れる人も多いことでしょう。
そんな一度は乗ってみたいフェラーリ 360モデナを所有しているオーナーの評判はどうなのでしょうか?

まずは、ポジティブな意見をご紹介します。

  • エンジンをかけた瞬間に感動!
  • 生涯この車に乗り続けます
  • 故障や維持費はバカにならないが、それ以上の幸福を与えてくれる
  • 国産車にはない、美しいボディライン
  • 颯爽と走り抜ける爽快感
  • エキゾーストサウンドが素晴らしい
  • 存在感が半端ない
  • 意外に車内が広い
  • 五感すべてで気持ちよさが味わえる

このように、フェラーリ 360モデナは多大なる存在であることを示しています。

一方でネガティブな意見としては、以下のようなものが挙げられます。

  • エンジンルームが汚れやすい
  • 純正のパーツが高い
  • 年数が経つと内装がべたべたしてくる

上記の意見があるものの、「不満はあるが、それを含めても買ってよかったと思えるクルマ」と語るオーナーもいらっしゃいました。

また、中には14年程経っても故障経験がないという方もいらっしゃるため、一概に故障しやすいという訳ではないようです。

乗り方や、車を使用・保管している環境、メンテナンスの頻度なども関係しているので、故障が多いからという理由で諦めるのは勿体ないかもしれませんね。

フェラーリ 360モデナとはどんな車?

フェラーリ 360モデナは、イタリアの有名自動車メーカー「フェラーリ」が製造していたクーペタイプのスポーツカーです。

この360モデナは、F355の後継車種として製造され、1999年に登場しました。

車種名の360は、3.6Lのエンジンを搭載しているところからきています。

フェラーリ 360モデナが登場した1999年ころはF1でフェラーリ車が活躍したことから、フェラーリの人気が急上昇し、エントリーモデル的存在だった360モデナを買い求めた人が多くいました。そのため、当時の史上最多販売台数を記録しています。

フェラーリ360モデナの特徴は以下の通りです。

1.美しいボディデザイン
フェラーリ360モデナのダクト形状やドアノブは女性の爪をイメージしてデザインされており、細部にまで曲線美を感じることができます。

なお、フェラーリ360モデナのデザインは、イタリア人デザイナーのダビデ・アルカンジェリは、フェラーリ360モデナをはじめ、世界で最も美しいクーペと言われるプジョー406クーペや、BMWでも5シリーズのデザインを手掛けています。ディレクターは奥山清行(日本以外での活動名はKEN OKUYAMA)で、後にイタリア人以外でフェラーリのデザインをした男として話題となりました。

2.軽量ボディ
フェラーリ 360モデナの一番の特徴となるのが、軽量ボディであることです。
360モデナのボディは随所にアルミ素材が使用されており、ボディの重量は1,450㎏となっています。

3.F1マチック
フェラーリ 360モデナはF1マチックを採用しています。実際のF1でも使用されたパドルシフトのため、レースさながらの走りを楽しむことが可能です。

4.甲高い排気音
甲高い排気音もフェラーリ 360モデナの特徴の1つです。

上品かつ迫力のある排気音ではないでしょうか。

Youtubeなどで検索をかけると排気音を聞くことが出来るので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

フェラーリ 360モデナを中古車で購入する際に気をつけること

フェラーリ 360モデナを中古車で購入するとしても、高い買い物になることは間違いありません。

失敗や後悔しないためにも、以下のことを踏まえながら、しっかりと検討してください。

1.リモコンが揃っているか
フェラーリ 360モデナのリモコンキーは通常、スペアキーを含め3つあります。そのリモコンとPINコードが対になっており、リモコンとPINコードが揃っていなければ、リモコンにトラブルが起こってしまうと、360モデナを動かすことができなくなります。

中古車販売店によっては、リモコンがあることは開示していてもPINコードについてまでは触れていない場合もあるので、事前に確認が必要です。

2.車両の状態
凹みや大きな傷などはもちろん、錆がないか、油脂汚れ、劣化していないかを確認しておきましょう。確認する際は、足回り、下回りの状態もチェックしてくださいね。

まとめ

今回は、フェラーリ 360モデナの故障について紹介してきました。
人生で1度はフェラーリ車に乗ってみたいと思う人も多いでしょう。

ご紹介した通り、360モデナは実際のF1でも使用されたパドルシフトを採用しています。F1好きの方、F1さながらの運転操作をしてみたいという方にはぜひおすすめの車両です。

中古車であっても値が張りますし、維持費がかかることがありますが、それ以上の感動をもたらしてくれる車であることは間違いないでしょう。