ビートルは特徴的なデザインと長い歴史を持つフォルクスワーゲン、そしてドイツを代表する車です。現行のザビートルはそんなビートルのデザインを引き継いだ車種で、デザインに惹かれるという方も多いのではないでしょうか。
しかし、心配なのが故障です。外車は国産車よりも壊れやすいと言われますが、ザビートルも壊れやすいのでしょうか?ここではオーナーの口コミなどを参考にザビートルの故障頻度、修理費などを解説します。
目次
フォルクスワーゲン ビートルは故障が多いのか?
フォルクスワーゲン ビートルに関する故障の声
30代/男性
電気系統のトラブルが納車後1か月で二度もあり。このようなトラブルは日本車ではなかったこと。 デザインをとるか、快適性をとるか…。
30代/女性
調子が悪くディーラーさんにみてもらうと、部品を交換したりメンテナンスにかかる費用が高いと感じます。日本車に比べると確実に割高ですね。ですが、運転もしやすく 調子が悪い時にもフォルクスワーゲンのお店が沢山ありすぐに見てもらえるので安心でした!
40代/男性
購入して3年は異常がありませんでしたが、4年目に入って直ぐにエンジントラブルがありました。故障原因はプラグケーブルの破損とプラグのスパーク異常でした。それらを直してもらい、1週間後、またしても同じエンジントラブルが発生。今度はイグニッションコイルを交換することに。これでひとまず直っていますが、やはり外車は4年目からが故障の始まりだと痛感しています。
30代/男性
DSGの発進時にギクシャク感がある。ローからセカンドへの制御が特に不安定。渋滞時にローまで落ちると再加速がギクシャクして気持ち悪い。
30代/男性
ちょっとした不具合があります。サンルーフの所の塗装が剥げて塗り直したり、後部座席の生地が外れてきたり。このような故障は保証がきかないと言われてショックです。日本車ではありえないと思いますね。
フォルクスワーゲン ビートルの故障が多い箇所
昔のビートルやニュービートルほどではないにせよ、ザビートルも国産車に比べると不具合や故障は少し多いようです。国産車と同じような感覚で乗ると上の口コミのようにガッカリすることもあるかもしれませんね。
特にザビートルで故障が多いと言われるのは以下の箇所となります。
- DSGの不具合
- パワーウインドウの故障
- エアコンの故障
DSGとはフォルクスワーゲン車の多くで採用されているトランスミッションで、MT車の変速機構を自動化し、AT車よりもスムーズな加速と燃費の良さを実現させるものです。
しかし、その一方で特にアジア圏においてはDSGはトラブルが多く、故障しやすい部品となっています。これまで数回にわたってリコールが出されていますが、まだトラブルは完全にはなくなっていないようです。DSGが故障するとアクセルを踏んでもスピード加速せずに惰性走行しかできなくなったり、エンジンがかからないなどの怖い症状が出ることもあります。
パワーウインドウの故障は特に輸入車で多いイメージがありますが、ザビートルの故障は他の車種と少し違う症状が出ることがあります。その症状とは挟み込み防止機能の誤作動です。これによりウィンドウを閉じようとスイッチを押しても途中で止まってしまったり、一度閉まったものがまた開いてしまうという状態になってしまいます。
この不具合はフォルクスワーゲンも把握しており、対策が取られています(下記修理費用の項目参照)。
エアコンの故障も輸入車で多いトラブルです。エアコンが故障するとエアコン内部から異音がしたり、冷房・暖房のいずれかが使えなくなるなどの症状が出ます。エアコンでも故障する部品は様々ですが、コンプレッサーなどが壊れた場合、結構高額な修理費となります。
フォルクスワーゲンが発表しているビートルに関する故障・不具合・リコール情報
リヤブレーキの不具合(2018年6月27日)
リヤブレーキキャリパーのピストンにおいて、メッキ加工が不適切であるため、ピストンの鉄部分とブレーキフルードの酸化反応が起きることがあります。対策として全車両、リヤブレーキキャリパー(左右)を良品と交換します。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
ABA-16CZD | WVWZZZ16ZJM719833 ~ WVWZZZ16ZJM720132(2台) |
DBA-16CBZ | WVWZZZ16ZJM719635 ~ WVWZZZ16ZJM721087(157台) |
シリンダーヘッドの交換(2016年9月7日)
原動機において、シリンダーヘッドの燃料配管取付部の穴開け加工が不適切なため、穴の径が大きいものがあります。対策として全車両、シリンダーヘッドを良品と交換します。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
ABA-16CPL | WVWZZZ16ZGM61431 1~ WVWZZZ16ZGM614598(2台、ザビートルターボ) |
エンジン制御コンピュータの不具合(2016年6月15日)
原動機において、高圧燃料ポンプ及びブレーキのバキュームポンプを駆動させるカムの製造が不適切なため、強度が不足しているものがあります。対策として全車両、エンジン制御コンピュータのプログラムを対策プログラムに書き換え、カムに作用する負荷を低減させます。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
ABA-16CPL | WVWZZZ16ZFM632428 ~ WVWZZZ16ZGM610436(117台、ザビートルターボ) |
フォルクスワーゲン ビートル各部品の修理費用
上で挙げた故障がもし出てしまったとしたら、修理費用はいくらになるのでしょうか?
ここでは3つの故障の目安金額を紹介します。
- DSGの交換:10万円以上
- パワーウインドウの修理:無料
- エアコンコンプレッサーの交換:10万円
DSGは実費で新品に交換すると数十万という高額費用がかかるとも言われています。またDSGが故障することでクラッチなども一緒に交換しなければならない場合もあり、もっと費用が膨らむこともあります。保証が効かない状態でDSGのトラブルに見舞われた場合、手放すという選択も検討した方がいいかもしれませんね。
パワーウインドウの修理について、ウインドウリフターモーターが原因となっているものについては2015年9月に出されたサービスキャンペーンにより、修理費は基本的に無料となっています。
他の部品による故障(パワーウイドウレギュレーターなど)が原因の故障も経年劣化で起こりやすくなりますが、こちらは1つの窓につき2万円程度の修理費がかかります。
エアコンの故障については原因が様々ですが、万が一エアコンコンプレッサーの交換が必要になれば、10万円前後と高額な修理費が必要になります。
フォルクスワーゲン ビートルのオーナーの評判
- ビートルならではのエクステリア
- 低速からの加速はしっかりしている
- 燃費は17km/L程度とかなり良い
- ニュービートルより積載力はアップしている
- 4人乗りには向かない(ファミリーカーではない)
フォルクスワーゲン ビートルは何と言ってもその独特な丸みを帯びた見た目が魅力です。ザビートルになってからは積載力や燃費の面でも向上し、日常の使い勝手は良くなっていると思います。
ただ、2ドアであるということやそのデザインの都合上、後部座席を常に使うような乗り方をする人にはあまり向かないという声も多いです。基本的には2人乗りまでの車と考えた方がいいでしょう。
フォルクスワーゲン ビートルとはどんな車?
初代ビートルはナチスドイツ時代に開発された車で、戦後「世界の大衆車」として長年愛され、2003年までに累計2152万9464台という単一モデルの最多量産記録を打ち立てています。
ビートルのイメージとしては丸みを帯びたデザインが浮かぶと思いますが、初期ビートル時代は他にも様々な形のものが販売されていました。
その後、直接的な後継車種ではないものの、ビートルのデザインを受け継いだニュービートルが1998年に登場し、その2代目モデルは2012年にザビートルとして販売開始しました。現在はザビートルが現役で販売されていますが、2019年で販売終了がアナウンスされています。
フォルクスワーゲン ビートルを中古車で購入する際に気をつけること
フォルクスワーゲン ビートルに限らず、輸入車は5年5万kmが消耗する部品の交換時期の目安とされています。そのため、ザビートルの初期型を購入する場合、部品交換に余計な費用がかかってしまう可能性があるので注意が必要です。
車両価格と一緒に整備費用など併せて計算し、どの車が一番コスパが良いか考えて車選びしてみてください。
まとめ
フォルクスワーゲン ビートルは昔から人々に愛され続けている車で、そのオシャレなデザインは今も注目を集めるようです。販売終了まで残り1年なので、新車で購入したい人は早めに購入を検討しましょう。
ただ、故障や修理費用を考えると多少国産車より扱いづらい部分があるのも事実です。見た目重視の人にはオススメですが、実用性重視の場合は国産車の方が良いと感じるかもしれません。