ホンダが製造・販売するS660は軽でありながらオープンスポーツカーというコンセプトで人気の車種です。「スポーツカーは憧れるけど、本格的なスポーツカーは手に余る」という人にとって、検討したい車の一つになるのではないでしょうか。
購入前に気になるのは不具合が出やすいかどうかではないでしょうか。この記事ではS660の不具合についてオーナーの口コミなどを参考に解説します。
目次
S660は不具合が多いのか?
20代/男性
S660には停車時にスピードメーターとメーター計が勝手に動くの不具合があります。
メーカーのほうで対策はしてもらえるのかな…。
20代/男性
致命的な故障はありません。DIYでもフォロー可能な程度の不具合がちょこっとあるくらいです。
40代/男性
ブレーキ鳴きと塗装剥がれがあります…。
ブレーキ鳴きはドリルドディスクローターにする事で解消しました。
30代/男性
幌の耐久性・ルーフ部ゴムパッキン劣化が心配。
雨漏りが不安…。
50代/男性
S660は速さ、手軽さ、故障の低さが良い
車の挙動や車らしいマニュアル感・開放感ならビートの方が良いかな
S660の故障・不具合が多い箇所
S660はホンダが作っている国産車であり、輸入車などに比べれば故障が少ないと言えます。しかし、口コミでは一部不具合が出やすい部分についても指摘されています。
ここではS660に多いと言われる故障・不具合の具体的な症状を挙げてみます。
- 雨漏り
- CVTの不具合
- ブレーキ鳴き
S660はオープンカーにも簡単にできる仕様となっており、天井部分が手動で取り外し可能なロールトップ(ソフトトップ)になっています。しかし、この脱着できる屋根が原因で、隙間から風や雨が入り込むという不具合が多数報告されています。これはどうやら仕様のようで、自分で色んな対策を行うオーナーが多いようです。
CVTの不具合とは、発進時にノッキングが起こる、異常振動が起こる、ミッションが滑るなどの症状です。これらはCVTの故障の前触れでもあります。このような不具合が見られるようになった場合はすぐに点検をしてもらうようにしてください。
ブレーキ鳴きとはブレーキをかけた時にキィーと大きな音がする現象で、S660ではブレーキパッドやローターも摩耗していないのに鳴くという声があります。ブレーキ自体に問題はないようですが、あまりキーキー言うと大丈夫なのかと気になる人もいるようです。
ホンダが発表しているS660に関する故障・不具合・リコール情報
動力伝達装置(ピックアップセンサー)の不具合(2018年6月22日)
内容:
マニュアルトランスミッション車両のピックアップセンサーにおいて、スペーサーの厚さ設定が不適切なため、ピックアップセンサー先端にトランスミッション内の摩耗粉が付着して揺動すると、ピックアップセンサーの出力信号が一時的に乱れることがあります。対策として、ピックアップセンサーのスペーサーを対策ワッシャーと交換するとともに、新品のオーリングと交換します。
対象車両:
型式 | 車体番号 |
---|---|
DBA-JW5 | JW5-1021029 ~ JW5-1023879(1,615台) |
DBA-JW5 | JW5-1000032 ~ JW5-1021097(407台) |
DBA-JW5 | JW5-6000008 ~ JW5-6000553(10台) |
ボディーパネルの再塗装サービスキャンペーン(2016年11月18日)
内容:
ボディーパネルの塗装において、カーニバルイエローⅡカラーの顔料の選定が不適切なため、耐候性が不足しているものがあります。対策塗料で塗装したフロントフード、エンジンフード、フロント左右フェンダー、リヤ左右フェンダー、左右ドアパネルと交換し、左右サイドシルを対策塗料で再塗装します。または、準備でき次第、ボディーパネルを対策塗料で再塗装します。
対象車両:
型式 | 車体番号 |
---|---|
DBA-JW5 | JW5-1000030 ~ JW5-1016818(2,699台) |
S660各部品の修理費用
ここでは上で紹介したような不具合・故障が起きた時にかかる修理費用をご紹介します。
故障箇所 | 修理費用の目安 |
---|---|
ハードトップに変更する | 7万~24万円程度 |
CVTの修理 | 30万円以上 |
ブレーキパッドの面取り | 1万円程度 |
S660の雨漏り対策には色々な方法がありますが、最も確実な方法として天井をハードトップ(一般的な硬い天井)に付け替えるというものがあります。これをするとオープンカーには戻しにくくなりますが、雨漏りは確実に防ぐことができます。
ハードトップは安いものから高いものまで色々販売していますが、ホンダのオプション品をこれまで沢山製造してきた無限というメーカーのハードトップが最もメジャーなようです(24万円ほど)。
CVYの不具合が出た場合はエンジンオイル交換などで直る場合もあるようですが、最悪CVTの交換が必要になることもあります。この場合は30万円以上という高額な修理費となってしまうので、買い替えなども視野に入れる必要が出てくるかもしれません。
ブレーキ鳴きの不具合はブレーキパッドの交換、ローターの交換、ブレーキパッドの面取りなどで抑えられることが多いです。どれも1万円~数万円の費用で行うことができます。
S660オーナーの評判
- エクステリア・内装ともにスポーツカーのもの
- 燃費が良い(18km/L)
- 軽なのにしっかりスポーツカーの走り
- コーナリング性能が高い
- 2人乗ると荷物がほとんど積めない
S660はスポーツカーならではのエクステリアと軽とは思えない走りの良さが評価されています。本格的なスポーツカーに乗っている人にとっては物足りないかもしれませんが、そうでない人の場合はしっかりした走りや良く曲がることに感動を覚えているようです。
一方、デメリットは2人で乗る場合、一切荷物を載せる場所がないことです。鞄さえ置く場所に困るので、普段使いには向かない車なのは確かですね。
S660とはどんな車?
S600はホンダが製造・販売する軽自動車規格のオープンスポーツカーです。2015年に発売を開始し、標準仕様のβと上級仕様のα、そして2018年5月には新たに コンプリートモデル「ModuloX」が追加されて現在3つのモデルから選ぶことができます(過去には他にも少数生産の限定モデルも販売)。
S660は「アジャイルハンドリングアシスト」を軽自動車で初めて採用しています。これはブレーキの制御によってカーブのスムーズな曲がりや、カーブから直進に変化する時の姿勢安定をさせる機能で、コーナリングがスムーズという口コミはこの機能によるものです。
S660を中古車で購入する際に気をつけること
まだ販売してから3年の車なので、そこまで状態が悪い車は少ないと思いますが、なるべく走行距離・年式が新しいものを選んだ方が不具合・故障のリスクは低くなるでしょう。特に修理費が高額になるCVTは5万km以上で悪くなりやすいと言われています。
また初期型はS660に限らず、一般的に不具合が多いと言われるので、2015年式のものなどはなるべく避けた方がいいかもしれません。
まとめ
S660は軽自動車でありながらスポーツカーという他にない特徴を備えた車で、手軽にスポーツカーを楽しみたい人のセカンドカーとしてぴったりだと思います。
しかし、一方で雨漏りやブレーキ鳴きなどちょっとした不具合も報告されています。不具合がどの車にも当てはまる訳ではないですが、このような可能性もあるということを頭の隅に留めて、購入を検討してみてください。