ルノー社のカングーは、欧州を中心に高い人気を誇り、日本でもアウトドア好きな方や商業用など様々な用途で愛され続けています。2003年3月に日本に上陸し、価格がリーズナブルなこともあり、高い支持率を持つカングーですが、外車ということもあり故障に関する関心が高いです。ここでは、カングーの故障や修理費用についてご紹介します。
目次
カングーは故障が多いのか?
カングーに関する故障の声
・40代/男性
カングーのデザインと積載量に魅力を感じて、購入を決めました。比較的新しい型を購入したので、購入から3年、ウォッシャー液が出なくなってしまったくらいで、他に故障という故障はありません。ウォッシャー液がでなくても不便がなかったので修理には出していませんでしたが、定期メンテナンスと一緒に故障をお願いしようと思っています。
・50代/男性
カングー愛用歴5年になります。乗り心地が良くて、週末や連休となれば妻と遠出したり、旅行に出かけたりしています。つい最近まで故障もなく、順調だったのですが、いきなりセカンドシートが倒れなくなり……。どうも座面のロックが解除できなくなったようです。
・30代/男性
夫婦ともアウトドア好きで、アウトドアに適した車を探していたところ、カングーに出会いました。乗り心地も最高で、本当に気に入っています!ただ、この前、自宅の近くへ買い物に行ったとき、急にスピードセンサーが動かなくなり、走っている速度がわからなくなりました……。このままでは危険だと思い、すぐに修理工場へ。対応も良く、すぐ直るとのことだったので、安心しました。
・50代/男性
カングーは故障が多いとは聞いていましたが、デザインが気に入っていたので、購入しました。購入して10ヶ月頃に、走行中にいきなりエンジンが停止。気に入って購入しましたが、いきなりのエンジン停止はさすがに怖かったです。
・30代/男性
カングー購入から2年経ち、故障はなく過ごしてきました。が、突如としてバッテリーが突然死したようです……。前触れもなかったので焦りましたが、バッテリー交換して復活です。
カングーの故障が多い箇所
工業製品である以上、カングーが全く壊れないことはありえません。
カングーにも故障しやすい箇所というのがいくつかあり、次の様な部品は比較的故障が多いものです。
カングーで故障が多く、気をつけておきたい箇所は以下の通りです。
- DPO型4AT(1.6Lモデル車)
- スピードセンサーの故障
- オルタネーターの故障
- クラッチプーリーの故障
- ウィンカーが点滅しない
このような、故障個所が挙げられます。
スピードセンサーの故障は、スピードメーターが動かなくなってしまい、走行に大きな支障をもたらすことが考えられるため、購入を躊躇してしまうこともあるかもしれません。
しかしながら、上記で上げた故障個所のほとんどが発売当初や古い型のもので報告されていることが多く、比較的新しい型のカングーであれば故障しにくくなっていると言われています。
これからカングーを購入しようと考えている方は、高年式のカングーを探してみることをおすすめします。
ルノー社が発表しているカングーに関する故障・不具合・リコール情報
燃料装置(燃料ホース)(2018年3月16日)
内容:
エンジンルーム内の燃料ホースにおいて、当該ホースの長さが不適切なため、走行中の振動により燃料ホースとエンジンマウントが干渉するものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、燃料ホースが摩耗し、最悪の場合、燃料が漏れるおそれがある。
型式:ABA-KWH5F、ABA-KWH5F1
車体番号:VF1KWB2B6D0678073 ~ VF1KWB2B6G0748414、VF1KW04B3F0726305 ~ VF1KW14B3H0755866
原動機(エンジンコントロールユニット)(2018年3月16日)
内容:
エンジンコントロールユニットの制御プログラムが不適切なため、エンジン低回転時にエンジンスロットル制御が正しく行われないことがある。そのため、加速不良となり、最悪の場合、走行中にエンストするおそれがある。
型式:ABA-KWK4M
車体番号:VF1KW2UBAC0674601 ~ VF1KW2UBAF0723185
動力伝達装置(クラッチペダル)(2016年7月15日)
内容:
クラッチペダルにおいて、クラッチを作動させるプッシュロッドとの接続部の溝加工が不適切なものがある。そのため、プッシュロッドがクラッチペダルから外れやすく、最悪の場合、クラッチが作動しなくなるおそれがある。
型式:ABA-KWH5F
車体番号:VF1KWB2B6F0725053~VF1KWB2B6F0726799
燃料装置(燃料ホース)(2016年7月15日)
内容:
エンジンルームにおいて、燃料ホースの取り回しの指示が不適切なため、燃料ホースとエアコンパイプが干渉するものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、燃料ホースが摩耗して燃料が漏れるおそれがある。
型式:ABA-KWK4M(カングー)
車体番号:VF1KW0DB590654615~VF1KW2UBAE0706697
型式:ABA-KWK4MG(カングー ビボップ)
車体番号:VF1KW2DG5A0657672~VF1KW2DG5B0661922
方向指示器、非常点滅表示灯(電装品コントロールユニット)(2016年7月15日)
内容:
電装品コントロールユニットの制御プログラムが不適切なため、リモコン操作でドアを開錠してドアを開けると、電装品コントロールユニットの通信機能が不安定になり、システムエラーが発生することがある。そのため、方向指示器と非常点滅表示灯の作動に必要な電力が電装品コントロールユニットから供給されず、方向指示器と非常点滅表示灯が点滅しないことがある。
型式:ABA-KWK4M、ABA-KWH5F(カングー)
車体番号:VF1KW0DB590654615~VF1KW2UBAE0711204、VF1KWB2B6D0678073~VF1KWB2B6G0729062
型式:ABA-KWK4MG(カングー ビボップ)
車体番号:VF1KW2DG5A0657672~VF1KW2DG5B0661922
※直近のリコール情報から2016年までに遡ってご紹介しています。
さらに過去のリコール情報を知りたい方は、以下ルノージャポン リコール情報よりご確認ください。
https://www.renault.jp/after_service/recall_list.html
カングー各部品の修理費用
ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
- シフトソレノイドバルブの交換:約9万円
- 水温計メーターの故障:約3万円
- エアコンの故障:約15万円
- オイルネーターの故障:約10万円
- タイミングベルト交換:約12万円
- オイル&フィルター交換:約2万円
中古部品を使用するのか、新品部品を取り寄せるのかなど、どの工場に修理をお願いするかによって、費用に大きな差が出てきます。
外車だからといって、高額の技術料を提示してくる工場もあるので、修理を依頼する際は、口コミや評判を参考に、信頼できる工場へ修理をお願いしましょう。
カングーオーナーの評判
故障に関する口コミも多いように感じますが、実際にカングーに乗っているオーナーはどのように感じているのでしょうか。
・30代/男性
カングーを購入して3年。未だに、乗るたびに心が躍ります!実車をみてから購入ができなかったので心配でしたが、今のところ故障はありません。ただ、国産車より頻繁に定期メンテナンスをしています。故障してから大きな費用がかかるよりはいいかな……と。
・40代/男性
色鮮やかで、あのフォルムに惹かれて購入をしました。田舎住みなので、かなり目立ちますが、乗り心地も最高で言うことありません。ただ、田舎では工場を探すのに一苦労で、毎回メンテナンスや故障修理の際は、1時間半ほど離れた工場まで行っています。程度の良い中古部品が見つからないなど苦労も多いですが、年数を重ねるたびに愛着は増え続けています。
・30代/男性
妻となかなか車の好みが合わず、色んな車を見てきましたが、カングーだけは2人とも即決でした!休日となれば、どちらが運転するのか競っています(笑)まだカングーに乗り始めて半年程ですので、故障に関しては分かりませんが、購入したところの店長さんからメンテナンスだけは頻繁にするように念を押されたので、頻繁にしています。手がかかるほどかわいいとはこの車のためにある言葉だと実感しました(笑)
・30代/男性
友人夫婦も同じカングーに乗っていると知り、よく家族集まってキャンプに行っています。キャンプ場につけば注目の的で、ワクワクするばかりです!ただ、故障はやはり費用がかさみ、結構な出費になってしまいますが……。でもそれ以上にカングーの魅力にハマっています。
・50代/男性
子供も大きくなり、そろそろ自分の乗りたい車を購入したいと探していたところ、カングーと出会いました。ディーラーに相談したところ、国産車に比べると故障が多く、出費もかなりすると言っていましたが、その通りでした……。故障の回数は多くないものの、1回あたりの修理費用は結構痛いものです。
国産車に比べると部品の入手が難しかったり、費用がかさんだりと悩まされているオーナーの評判も見かけましたが、それ以上に乗り心地やデザイン性などカングーの魅力にどっぷりと浸かっているオーナーが多い印象でした。
カングーには故障さえも可愛く感じる魅力がたくさん詰まっている一台ということが見えてきますね。
カングーとはどんな車?
引用元:http://www.renault.jp/car_lineup/kangoo/
カングーは、フランスのルノー社が生産しており、欧州では発売当初から高い人気を誇る車種です。
初代カングー「カングー1」は1997年にフランスでデビューし、日本には2004年3月に上陸しています。
デビューと同時に欧州で注目され、日本の車愛好家の中でも話題となり、中には、日本での発売前に並行輸入された車も複数台存在するそうです。
現在の型である、「カングーⅡ」が日本で発売されたのは2009年9月となっており、このときのマイナーチェンジでボディサイズが全長4,215×全幅1,830×全高1,830(㎜)と大型と化し、愛好家の中では「デカングー」と呼ばれることもあります。
その後、2011年、2013年と2度のマイナーチェンジが行われています。
ルノー カングーはデザインと利便性が優れていることはもちろん、価格設定も人気のポイントです。中心価格帯は新車購入時で200万中盤と他の輸入車に比べても価格設定が抑えられていることから、日本でも人気となっているのではないでしょうか。
カングーを中古車で購入する際に気をつけること
デザイン性や居住性に魅力を感じ、購入をしたいと検討している方も多いと思います。
しかしながら、故障や維持費といった面でなかなか手が出ないという人も少なくありません。
ここでは、カングーの中古車を購入する際の注意点をご紹介します。
車の状態
中古車を購入する際は、可能である限り実車を確認し、「外装」「内装」「過去の修復歴」などをしっかりチェックすることが大切です。
修理工場
外車や輸入車は国産車の整備工場に比べると少ないです。そのため、何かあった際にすぐに持っていける範囲に工場があるのかも確認しておく必要があります。
また、中古部品を取り寄せることができる工場なのかといった点も確認しておくことをおすすめします。新品部品を取り寄せて修理もいいですが、取り寄せ費用、修理できるまでの代車料金などを考えると、中古部品を見つけてくれる工場がいいかもしれません。
この他、購入業者によっては保証が設けられているところもありますので、そういった点にも注意しながら、信頼のできる業者で、状態の良いカングーを見つけてみてください。
まとめ
今回は、大きいフォルムとデザイン性に優れたフランスのカングーの故障についてご紹介してきました。
国産車に比べて、カングーは故障に関して懸念される部分も多いですが、それ以上に魅力のある車だということがわかります。一度、カングーの実車を見ると、虜になってしまうかもしれませんね。
今回ご紹介した内容やインターネット上での口コミ、評判を参考にしながら、慎重に検討して、気に入るカングーを見つけてみてください。