中古車購入の際に気を付けたいポイントのひとつである「メーターの改ざん」。
総走行距離を示すオドメーターの値を巻き戻し、本来付けるべき価値よりも高い金額で中古車を販売する不正行為です。
近年は減少傾向にありますが、中古車を購入する以上は避けられないリスクであることに変わりはありません。
そこで今回は、大手中古車販売会社のネクステージはメーターの改ざんをしているのかについて調査をしてみました。
改ざんされたメーターの調べ方についても解説していますので、是非参考にしてください。
目次
ネクステージはメーター改ざんしている?
結論から述べると、現時点においてネクステージで販売されていた中古車でメーターの改ざんがされていたという事実は無いようです。
ネクステージでは「修理歴も、メーター改ざんもない、高品質なクルマを提供したい」という理念のもと、入庫した全車両に対し自社整備士による品質チェックを行うことで万全の品質管理体制を整えていることを強みとしています。
徹底した品質チェックにより、仕入れ先の中古車オークション会場が見逃した修復歴やメーター改ざんを発見することも可能とのことです。
チェックにて問題のあった車両はすぐに仕入れ元へ返品しています。
ネクステージ以外でも、近年は中古車販売専門店におけるメーター改ざんはほとんど見受けられません。
これは企業ごとの品質管理体制だけでなく、2017年1月より過去の車検時に記録した最大走行距離を車検証に記載されるようになったことも背景にあります。
完全に撲滅した訳ではありませんが、現在の環境においてメーターを改ざんすることは非常に難しい行為となっているのです。
総走行距離とメーターが不一致でも巻き戻しによる改ざんとは限らない
冒頭にてメーターの改ざんとは「総走行距離を示すオドメーターの値を巻き戻す」行為と述べましたが、実際の総走行距離とメーターの値が一致しなければ必ず巻き戻していると言えるわけでなありません。
総走行距離とメーターの値が一致しないケースとは、メーターが巻き戻された場合だけでなく「メーターパネルが交換された場合」もあるのです。
値の少ないメーターパネルに交換することで、実際の総走行距離よりも短く見せることができます。
事故車から取り外したメーターはオークションなどでも多く出品されているため手に入りやすく、簡単に改ざんできてしまいます。
メーター改ざんのやり方と調べる方法
中古車販売業者によるメーター改ざんは減っているものの、メーター改ざん車を購入してしまうリスクはゼロになったとも断言できません。
そのため、メーター改ざんがどのように行われているのか、どう調べればメーター改ざんを見抜くことができるのかを理解しておきましょう。
メーター改ざんはどのように行われるのか
メーターの改ざんはアナログ・デジタル問わず可能です。
アナログの場合、メーターを取り外して値を巻き戻すだけで簡単に改ざんができてしまいます。
一般の方でもできてしまうほど単純な作業ではないですが、車の整備に関してある程度の知識を持っている人であればプロでなくても改ざんすることができるのです。
一方、デジタルの場合はメーターを取り外してから特殊な部品に接続することで値を自由に増減させることができます。
アナログと違ってデジタルは直接手を加えられないものであると思っている方も多いですが、どちらにしても改ざん自体は可能であることを覚えておきましょう。
メーター改ざん車の調べ方
メーターが改ざんされた中古車を購入してから後悔しないため、購入前にチェックしておくべきポイントを知っておきましょう。
車検証に記載された走行距離をチェック
中古車購入の際は、必ず車検証の最大走行距離をチェックしましょう。
最大走行距離とメーターの値が一致していない場合、何かしら問題のある車であることは断定できます。
他にも、「走行距離計表示値(前回車検を通した時点での走行距離)」が、「旧走行距離計表示値(前々回に車検を通した時点での走行距離)」よりも下回っていたらメーターの巻き戻しを疑っても良いでしょう。
注文書に記載された走行距離をチェック
中古車を購入する際、販売業者から提示してくれる注文書にも走行距離が記載されています。
注文書の走行距離を確認した結果、以下のどちらかに当てはまる場合はメーターが改ざんされている可能性があります。
- 車検証の走行距離計表示値が注文書の走行距離を上回っている
- 注文書の走行距離欄に「不明」と記載されている
注文書は中古車の購入契約前であっても、業者にお願いすれば内容を確認することができます。
もしも何らかの理由を付けて購入前に注文書を提示してもらえなかったり、注文書で走行距離が不明となっていた場合は注意が必要です。
タイミングベルトの交換ステッカーをチェック
エンジンの回転に必要な構造であるタイミングベルトは、交換するとエンジンルーム内に交換ステッカーが貼られます。
交換ステッカーには大まかな走行距離が記載されているので、車検証の総走行距離と照合することでより実走行距離をより確かなものとすることができます。
メーター周辺をチェック
アナログメーターの場合、周辺を細かくチェックすることで、巻き戻した痕跡を見つけることができる可能性もあります。
アナログメーターは比較的簡単巻き戻しができるものの、取り外しには大掛かりな作業が必要となります。
作業の過程で傷が付くことがありますが、メーター周辺は日常的に車を運転するだけで傷が付くものではありません。
そのため、メーター周辺に傷が付いている場合は不自然なケースとして注意した方が良いでしょう。
ネクステージやガリバーなどJUCP加盟業者ならメーター改ざんも比較的安心
メーター改ざん車を購入してしまうリスクを避けたい場合、「JU中販連」に加盟している業者であれば比較的安心して中古車を購入することができます。
JUCP加盟業者が安心できるという理由は?
JU中販連(日本中古自動車販売協会連合会)とは、中古車の公正な取引やユーザーに良質な商品を適正な価格で提供することなどを目的としている団体です。
現在は全国2万社の中古販売店が加盟しており、ネクステージやガリバーもJU中販連加盟店となっています。
中古車販売業界の指導的役割を果たすJU中販連に認められた加盟店であれば、相応に信頼性のある業者と言えるのです。
また、加盟店で購入した中古車をめぐるトラブルが発生した際は、JU中販連の相談センターが対応してくれるというサポート体制も整っています。
以上の特徴から、中古車を購入する際はJU中販連の加盟店がおすすめです。
購入後にメーター改ざんが判明したらどうすれば良い?
中古車を購入した後でメーターの改ざんに気が付いたら、メーターを改ざんしたと考えられる根拠を揃えることが大切です。
ただし、根拠を揃えたとしても一般の方が一人で業者に訴えてもスムーズに解決できる可能性は低いと言えます。
そのため、「自動車公正取引協議会」や「消費者生活センター」などの窓口に相談をしましょう。
また、各地域の無料法律相談所へ相談するという手もあります。
専門機関へ相談することで的確なアドバイスを貰えるだけでなく、業者との間に入ってもらえると安心感が違うのです。
ただし購入から長期間経っている場合、業者による不正が事実であったとしてもご自身が問題の中古車に乗り続けることで「走行距離に納得している」とみなされることがあります。
これにより契約解除や損害賠償など適切な措置を求めることが難しくなる恐れがあるため、早めに行動することが大切です。
まとめ
近年は減少傾向にありますが、中古車を購入するうえでメーターの改ざんは未だ避けることはできないリスクの一つとして挙げられます。
中古車販売会社大手のネクステージはこれまでにメーター改ざん車を販売したという事実がなく、信頼しても良いと考えられる業者です。
中古車購入の際は信頼性のある専門業者を見極めたうえで車検証などを入念にチェックし、安心して運転できる車を見極めましょう。