ランドローバー ディスカバリー3の故障が多い箇所とは?過去の故障事例やリコール情報について解説

2004年に発売された「ディスカバリー3」は、高級感がありながらも、オフロードでの走行性能もすぐれており、ランドローバーのディスカバリーシリーズの中でも高い人気があります。2009年に販売が終了したため、中古車のみの取り扱いになりますが、変わらず人気があります。しかし、購入する際に気になるのが故障(不具合)のリスクです。ここでは、ランドローバー ディスカバリー3の故障(不具合)が多い箇所や故障事例、リコール情報などを解説します。

ランドローバー ディスカバリー3は故障(不具合)が多いのか?

ランドローバー ディスカバリー3に関する故障(不具合)の声

40代/男性

毎年なにかしら不具合が起きています。「センサーの故障・冷却水漏れ・サイドブレーキの故障」など。

50代/男性

大きい故障だとコンプレッサーですね。修理費用が結構かかりました。あと小さい不具合はたくさんあります。

40代/男性

ランドローバーは2台目で、いまはディスカバリー3に乗っています。これまでにエアサスペンションの故障、AIの不具合、エアフロメーターの故障がありました。日本では部品が手に入らないから大変です。

30代/男性

故障になるのかな?一回、雨漏りして修理しました。

ランドローバー ディスカバリー3の故障が多い箇所

工業製品である以上、ランドローバー ディスカバリー3が全く壊れないことはありえません。ランドローバー ディスカバリー3にも故障しやすい箇所というのがいくつかあり、次のような部品は比較的故障が多いものです。

  • エアサスペンションの故障(不具合)
  • エアコンプレッサーの故障(不具合)
  • オルタネータの故障(不具合)

上記の中でもっとも多いのが、エアサスペンションの故障(不具合)です。エアサスペンションとは、路面の段差などで起きる衝撃を、空気のバネで吸収してくれるシステムです。

エアサスペンションの故障(不具合)が起きると、車高が低くなったままの状態が続きます。あるいは、4箇所あるうちの1箇所のエアサスペンションだけ故障(不具合)すると、車が傾いた状態になるなど、路面の衝撃が吸収できなくなり、乗り心地が悪くなります。

エアサスペンション内に使用している部品の劣化などが考えられるので、部品の交換が必要ですが、1つ故障(不具合)が起きると、ほかの場所でも故障(不具合)が起きやすい傾向にあります。

外国車であるランドローバー ディスカバリー3は、走行距離が5万㎞あたりから劣化による故障が増えてくるので、エアコンプレッサーやオルタネータに関しても、5万㎞を目安に点検や交換をおこなうことがおすすめです。

ランドローバー ディスカバリー3は2009年に販売が終了しているため、新しいものでもすでに10年以上が経っています。車を良い状態で維持するためには、日頃のメンテナンスが大切となるでしょう。

ランドローバーが発表しているディスカバリー3に関する故障・不具合・リコール情報

燃料タンク内のブリーザーパイプにおける不具合(2007年3月6日届)

燃料タンク内のブリーザーパイプ(給油時に燃料タンク内の空気を外部に排出するためのもの)の成型加工が不適切なため、接続部が外れることがあり、燃料が規定以上に給油される場合があります。そのため、当該箇所より、燃料がキャニスターに流入し、エンジンに濃い燃料が供給され、エンジンが停止する、又は、外気温度が非常に高いときなどに、キャニスターの容量を超え、最悪の場合、燃料が漏れるおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
ABA-LA44 SALLAJA535A343126~SALLAJA536A357849(平成17年6月18日~平成17年10月17日)
ABA-LA40A SALLAJA435A343022~SALLAJA436A357496(平成17年6月13日~平成17年10月31日)

動力伝達装置(パーキングロック機構)における不具合(2006年7月24日届)

オートマチックトランスミッションのパーキングロック機構において、ガイドプレートの表面処理が不適切なため、パーキング操作の繰り返しにより当該プレートに傷が付くことがあります。そのため、シフトレバーをパーキング位置に操作した場合にロッドが当該プレートに引っかかり、レバーがパーキング位置になっているにもかかわらずロック機構が作動していないおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
ABA-LA44 SALLAJA536A354840~SALLAJA536A356083(平成17年9月26日)

車体(テールゲートダンパー)における不具合(2006年7月24日届)

テールゲートダンパーをボディ側に取り付けるボルトの締め付けトルクが不足しているため、走行中の振動等により当該取付部が緩むものがあります。そのため、そのまま使用を続けると異音が発生し、最悪の場合、当該ダンパーがボディから外れてテールゲートが降下するおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
ABA-LA44 SALLAJA535A000622~SALLAJA536A373737(平成17年1月31日~平成18年1月21日)
ABA-LA40A SALLAJA435A321597~SALLAJA436A374573(平成17年3月22日~平成18年2月6日)

燃料タンク内のブリーザーパイプにおける不具合(2005年11月30日届)

燃料タンク内のブリーザーパイプ(給油時に燃料タンク内の空気を外部に排出するためのもの)の成型加工が不適切なため、接続部が外れることがあり、燃料が規定以上に給油される場合があります。そのため、当該箇所より、燃料がキャニスターに流入し、エンジンに濃い燃料が供給され、エンジンが停止する、又は、外気温度が非常に高いときなどに、キャニスターの容量を超え、最悪の場合、燃料が漏れるおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
ABA-LA44 SALLAJA535A000760~SALLAJA535A340670(平成17年1月31日~平成17年6月13日)
ABA-LA40A SALLAJA435A321597~SALLAJA435A341896(平成17年3月22日~平成17年7月19日)

ランドローバー ディスカバリー3各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場を紹介します。

故障(不具合)箇所 費用
エアシリンダーの故障(不具合) 10万円程
オルタネータの故障(不具合) 10万~20万円程
エアコンプレッサーの故障(不具合) 10万~20万円程
センサー類の故障(不具合) 数千円~20万円程

ランドローバー ディスカバリー3オーナーの評判

ランドローバー ディスカバリー3を実際に所有しているオーナーの声をまとめました。

ポジティブ

  • 四角いボディーが好き
  • 心地よい乗り心地
  • ボディー剛性が高い
  • 収納が多い
  • 十分な加速力がある
  • 見晴らしが良い
  • 静粛性がある
  • 安全性能が高い
  • オフロード性能がすごい

ネガティブ

  • 燃費が悪い
  • 駐車場が限られる
  • 経年劣化でインパネが変色する

なんといっても、インパクトのある四角いボディーが人気ですが、その魅力は外観だけではありません。ランドローバー ディスカバリー3は、室内性能を重視したうえで、外観のデザインが考えられているため、室内も充実した空間となっています。

広々としていて、収納が多いのはもちろん、見晴らしが良いのでどの席に座っても楽しいと感じられる空間です。また、運転席からの見切りもよく、ストレスなく走行ができます。

ボディーサイズの大きさから燃費の悪さや、駐車場に困るなどの意見もありましたが、それ以上に満足感が得られることから、これからもランドローバー ディスカバリー3を所有していきたいとの声が多数ありました。

ディスカバリー3とはどんな車?

ディスカバリー3とはどんな車なのか?その魅力やスペック、中古車価格などをお伝えしていきます。

ディスカバリー3は、イギリスの大手自動車メーカー、ランドローバーが手がけるオフロードカー(SUV=スポーツ・ユーティリティー・ビークル)です。

ランドローバーのフラッグシップモデルであり、フルタイム4WDのオールパーパスビークルでもあるレンジローバーの下位に君臨する、いわばランドローバーの中核を担う存在です。

1990年代に、“世界でもっともハードなアドベンチャーレース”と称されていたキャメルトロフィーのオフィシャルカーとして使用され、知名度が瞬く間に広がったことはご存知の方も多いのではないでしょうか?

ディスカバリー3は「3」と名のつく通り、「ディスカバリー」シリーズの3代目として2004年(日本では2005年)にデビューを迎えました。これは、ランドローバーがフォードの傘下になってから初めてのモデルチェンジカーとしてのことです。

なお、北米では「ディスカバリー3」ではなく「LR3(ランドローバー3)」と名乗っていました。「LR3」を見かけたら、「ディスカバリー3」のことだと思い出してください。

販売期間は2004年〜2009年だったため、すでに販売は終了し現在は5代目の「ディスカバリー5」が販売中です。

しかし、いまだにディスカバリー3の根強いファンが多数存在しており、中古車市場でも人気のある車種になっています。

それまでのイメージを覆し「高級SUV」として生まれ変わったディスカバリー3

ディスカバリー3は、ディスカバリーシリーズの中でも特にインパクトが大きかった車種です。それまで持っていた「オフロードカー」色が強いイメージを覆し「高級SUV」として新たに生まれ変わったためです。

もちろん、高級化はオフロード性能にも及んでいます。フォード傘下になって初めてのフルモデルチェンジということで、当初はフォードが製造するSUV「エクスプローラー」がベースになるのではないかいうのが、大方の予想でした。

ところが、蓋を開けてみると違ったのです。

ランドローバーは、「インテグレーテッド・ボディー・フレーム」と呼ばれるシャシーを開発し、過酷なオフロード性能にも耐えることができる、屈強なボディーを完成させたのです。

こうして登場したディスカバリー3は、2代目までのDNAを継承しつつもまったく新しいランドローバーを具現化させた、最先端のプレミアムSUVとして名を馳せていったのです。

サスペンションは従来のスプリングからすべてエアに変更となり、ジャガー製の4.2リッターエンジンの派生型となる「4.4リッターV8ガソリンエンジン」および「4.0リッターV6ガソリンエンジン」に6速オートマチック・トランスミッションを組み合わせるなど、オンロード・オフロードいずれの局面においても高いパフォーマンスを実現できるようになったのです。

さらに、ディスカバリー3は居住性にも強くこだわっています。従来のSUVでは窮屈だった3列目にも、ワンボックスカー並みの居住性を持たせています。

こうしたプレミアム化によって価格も大幅に向上しましたが、ランドローバーのチャレンジは見事に成功し、大人気となりました。

幅広い性能の実現・大胆なデザインの調和

ディスカバリー3が目指したのは、まさに「幅広い性能の実現」と「大胆なデザインの調和」でした。どこから見てもそれが「ランドローバーである」「ディスカバリー3である」と分かる、まさに大胆なデザインは言うまでもないでしょう。

特筆すべきは、そのオンロード・オフロード性能です。エアサスペンションと並び、ディスカバリー3の全モデルに標準装備されているのが「テレイン・レスポンス・システム」です。運転状況に合わせて、5つの中から地形モードを選択するだけで、さまざまな機能のパフォーマンスが最適化されるという、画期的なシステムです。

「オンロード(通常の路面)」「オンロード/オフロードでの滑りやすい路面(草・砂利・雪)」「泥/轍」「砂地」「岩場」の5つの地形モードから選択できます。

そして、前出の「インテグレーテッド・ボディー・フレーム」です。

“オフロードに強い”とされてきた従来のボディーフレーム構造に、モノコック構造の利点を融合させて完成されたボディーフレームで、重量物をより低い位置に配置できるだけでなく、フレーム生産が多様化したことによってデザインの「スワンネック化」を防ぐことにも成功しました。さらにシャフトを保護する、室内のフロアをほぼフラットにできる、重心を下げるなどさまざまなメリットが生まれたのです。

このほかにも、例えばグリップを失ったタイヤが空転するのを自動的に抑える「電子制御トラクション・コントロール(ETC)」、下り坂でのスピードを自動コントロールして、滑りやすい・険しい傾斜も安全に走行できるよう支援する「ヒル・ディセント・コントロール(HDC)」など、最先端の電子制御デバイスも組み込まれています。

ディスカバリー3はまさに、「幅広い性能」と「大胆なデザイン」がマッチした、見事な一台と言うほかありません。

ディスカバリー3のスペックなど基本情報

ディスカバリー3は4.0リッターV6エンジン&ファブリックシートの「S」、4.0リッターV6エンジン搭載の「SE」、そして4.4リッターV8エンジン搭載の「HSE」という3グレードが用意されています。ここでは基本的なスペックをご紹介します。

ボディタイプ SUV
ドア数 5ドア
サイズ 全長4849mm /全幅1915 mm /全高1882 mm(2007年〜2009年は1892mm)
ホイールベース 2540mm
駆動方式 4WD
トランスミッション 6速AT / 6速MT
エンジン  2.7リッターV6フォード・AJD / 4.0リッターV6SOHC / 4.4リッター・ジャガー・AJ-V8
車両重量 2470〜2570kg(グレードによる)

やはり注目したいのはエンジンです。エンジンラインナップの最上位はジャガー製のV8エンジンで、最高出力299ps(220kW)5500rpm、最大トルク425Nm(43.3kgm)4000rpmです。電子制御式のスロットルとバリアブル・カムシャフト・フェイジングが採用されているほか、ブロックとヘッドをアルミ製にすることで超軽量化も実現しています。

一方V6エンジンはフォード製で、最高出力215ps(160kW)、最大トルクは360Nm(36.7kgm)と、オンロード・オフロードいずれでも十分に性能を発揮できるレベルとなっています。鋳鉄製ブロックにアルミ合金製のヘッドを採用しているほか、クランクシャフトにはカウンターバランス構造が用いられています。

ディスカバリー3の中古車価格

衰えることを知らない人気のディスカバリー3、続いては中古車価格を見ていきましょう。希少性が高いことは皆さんもご存知だと思いますが、2019年5月時点では30台ほど確認できました。

中古車価格は80万円〜260万円程度、平均相場は160万円前後となっています。根強い人気、希少性、今の時代でもまったく古さを感じさせないデザインと性能など、とにかく非の打ち所がないディスカバリー3ですが、走行距離5万km以下のものも複数、ラインナップされています。

コンディションやグレードなどにもよりますが、おおよその目安として5万kmを境に200万円台と100万円台が分かれているようです。

オフロードのイメージが強い人も多いかもしれませんが、今回ご紹介したようにオンロードの性能もお墨付きです。ランドローバーが初めてという人はもちろん、数々のオフロード車に乗ってきたという人、あるいは趣味やレジャーに使いたい人など、さまざまなニーズに対応できる車種でもあります。

ぜひ中古車情報をチェックしてお好みの一台を探してみてはいかがでしょうか?

ランドローバー ディスカバリー3を中古車で購入する際に気をつけること

中古車を購入の際には良い状態の車を選択し、できるだけ故障(不具合)のリスクを下げたいものです。ここでは、ランドローバー ディスカバリー3を中古車で購入する際の注意点を紹介します。

  • 定期的整備記録
  • リヤゲートのボトルの緩み

定期的整備記録では、12カ月点検や24カ月点検などの整備でおこなわれた作業や、修復歴が記載されています。ランドローバー ディスカバリー3は10年以上の経年車なため、新車登録からなにもしていなければ、部品の劣化が予想されます。

定期的整備記録を確認することで、交換済みの部品や、劣化が進んでいる部品でも、今後の交換時期の目安を知ることができます。

ランドローバー ディスカバリー3では、リヤゲートのボトルの緩みにも注意が必要です。オフロードでも難なく走行できるランドローバー ディスカバリー3では、走行中の振動によりリヤゲートを止めているボトルに緩みが生じてしまう場合があります。

ボトルが緩んでいる場合は、トルクで締めなおしたり、緩み止め剤を塗ったりすることで対処できます。走行中に故障(不具合)が起きてしまっては危険なので、しっかり確認しましょう。

まとめ

販売が終了してから10年以上たった今でも、幅広い世代から人気のランドローバー ディスカバリー3の故障(不具合)について解説してきました。

新車であろうと、中古車であろうと故障(不具合)はつきものですが、できるだけ少ない方が良いですよね。中古車であっても、それまでの定期的な点検や、日頃のメンテナンス次第で、故障のリスクを下げることができます。

購入の際には価格や外観だけにとらわれず、定期的整備記録などを確認し、長く乗れる一台を見つけましょう。ぜひ、ランドローバー ディスカバリー3ならではの走行性能や乗り心地を楽しんでみてください。