マツダの革新的な技術スカイアクティブテクノロジーを採用しているコンパクトミニバン“プレマシー”は、左右の流線的なデザインが特徴かつ走りに拘り、ファミリー層に大ヒットしましたが、残念ながら2018年に販売終了となってしまいました。中古車であれば購入することが可能ですが、中古車となると故障(不具合)が気になるところです。今回はマツダ プレマシーの故障(不具合)や修理費用などについてまとめてみました。ぜひご参考ください。
目次
マツダ プレマシーは故障(不具合)が多いのか?
マツダ プレマシーに関する故障(不具合)の声
30代/男性
購入してから3年程経過しましたがこれまでは特に故障もなく穏やかに過ごしていました。が、2週間ほど前からスライドドアに違和感があり、異音がするような気がします。ディーラーに持ち込み修理してもらいましたが、同様の症状があります。
40代/男性
子供が大きくなってきたのに合わせて中古でプレマシーを購入しました。納車から1ヶ月頃にバッテリー警告灯が点灯しましたが、故障ではなかったのかな?バッテリー交換して復活しました。
30代/男性
故障ではありませんが、冬になるとスマートキーの効きが悪くなるような感じがします。とりあえず不便性はないのでそのままですが・・・。他は5年乗っても特に故障はありません。
20代/男性
プレマシーはタイヤ関係のトラブルが多い感じがします。うちの車もよくパンクしますが、知人のプレマシーもパンクが多いと言っています。あとは、サイドミラーが故障しました。走行できないとかの大きな故障はないですが、タイヤはどうにか改善してほしい。
50代/男性
先日、定期点検に持っていたところ、エンジンマウントが破れてオイルが漏れていると言われました。
マツダ プレマシーの故障(不具合)が多い箇所
マツダは、国産車ということで故障や不具合に関しても安心感ができるところですが、工業製品である以上が、マツダ プレマシーに故障や不具合が起きないとは言い切れません。
マツダ プレマシーの故障しやすい箇所というのがいくつかあり、中古車で購入する場合は、事前に問題がないか確認しておくなど注意しておきたいところです。
- キャビンからの異音
- サイドミラーに関する故障や不具合
- ISCバルブの不具合
ISCバルブとは、アイドリングの回転数を制御する部品になりますが、炭素や金属の燃えかすなどの粘性の高い汚れがISCバルブにこびりついてしまうことで、正常にアイドリングが作動しなります。
故障(不具合)とまではいきませんが、乗り続けることで症状が現れることも考えられますので、定期メンテナンスなどの際に確認しておくことが良いでしょう。
マツダが発表しているプレマシーに関する故障・不具合・リコール情報
自動防眩ルームミラーにおける不具合(2016年12月22日届)
自動防眩ルームミラーにおいて、部品の製造工程が不適切なため、内部基板に異物が混入しているものがあります。そのため、電子回路が短絡して樹脂材が溶け発煙し、最悪の場合、コントロールヒューズが溶断してエンジンが始動できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-CWFFW | CWFFW-138515(平成28年11月30日) |
自動防眩ルームミラーにおける不具合(2016年12月15日届)
自動防眩ルームミラーにおいて、原因は特定できていませんが、当該電子回路が短絡して樹脂材が溶け発煙し、最悪の場合、コントロールヒューズが溶断してエンジンが始動できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-CWFFW | CWFFW-138515(平成28年11月30日) |
リヤゲートのガス封入式ダンパーステーにおける不具合(2016年9月1日届)
リヤゲートのガス封入式ダンパーステーにおいて、外筒のエンドキャップ部の塗装が不適切なため、塩害地域の塩分の影響で腐食することがあります。そのため、そのままの状態で使用を続けると、腐食が進行し、外筒が膨らみ、エンドキャップが割れ、リヤゲートを開く際に外筒が破裂し、最悪の場合、周囲の人が負傷するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-CWEAW | CWEAW-100008~CWEAW-201633(平成22年8月18日~平成27年12月26日) |
DBA-CWEFW | CWEFW-100042~CWEFW-201048(平成22年5月13日~平成26年8月28日) |
DBA-CWFFW | CWFFW-100010~CWFFW–133170(平成24年12月17日~平成27年12月26日) |
燃料タンク製造工程における不具合(2010年11月25日届)
燃料タンク製造工程において、気密性確認のための水没検査後の水分除去が不十分なため、燃料ポンプのコネクタ内部に水が残留したものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、コネクタの端子が腐食し、最悪の場合、端子が折損して燃料ポンプが作動しなくなり、走行中にエンジンが停止し再始動できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-CREW | CREW-337151~CREW-356226(平成21年6月30日~平成22年4月27日) |
電動油圧式パワーステアリングにおける不具合(2009年9月17日届)
電動油圧式パワーステアリングにおいて、高圧側配管の製造工程が不適切なため、当該配管の内面に錆が発生しているものがあります。そのため、錆により油圧ポンプ内のギヤの軸受部が傷ついて摺動抵抗が増加し、そのまま使用を続けると、当該ポンプを駆動するモータの負荷が増加して警告灯が点灯するとともに、ハンドルの操作力が増大するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
CBA-CREW DBA-CREW |
CREW-162519~CREW-330077(平成19年4月2日~平成20年11月5日) |
DBA-CR3W | CR3W-102516~CR3W-200168(平成19年4月5日~平成20年10月30日) |
スロープ式車いす移動車における不具合(2007年12月6日届)
スロープ式車いす移動車において、車いす固定用ワイヤーがねじれやすいため、ワイヤーを滑車に保持するためのカバーが動き、ワイヤーが滑車から外れる場合があります。そのため、ワイヤーがカバーと干渉し、最悪の場合、ワイヤーが切れて車いすを固定できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
GF-CP8W改 TA-CP8W改 UA-CP8W改 |
CP8W-201088~CP8W-506219(平成13年1月12日~平成17年1月6日) |
電動式スライドドアに関する不具合(2006年10月26日届)
電動式スライドドアのドアラッチ部の開閉スイッチの取付位置が不適切なものがあるため、手動でドアを強めに閉めると、スイッチスプリングとラチェットレバーが干渉するものがあります。そのため、ドアラッチが確実に作動せず、最悪の場合、ドアが閉まらないおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-CREW | CREW-142691~CREW-145806(平成18年6月16日~平成18年7月31日) |
CREW-200582~CREW-200602(平成18年6月16日~平成18年6月30日) | |
DBA-CR3W | CR3W-102184~CR3W-102254(平成18年6月19日~平成18年7月27日) |
エアバッグの作動を制御するコントロール・ユニットにおける不具合(2006年10月5日届)
エアバッグの作動を制御するコントロール・ユニットに内蔵されたCPUの樹脂部において、製造過程で異物が混入したこと及び不適切な成形材料を使用したため、混入した異物により成形材料が変質し、配線に亀裂が入るものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、CPU内部の配線が断線し、最悪の場合、突然エアバッグが展開するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
GF-CP8W | CP8W-100273~CP8W-142400(平成11年3月22日~平成12年7月7日) |
CP8W-200036~CP8W-217821(平成12年8月1日~平成13年4月13日) | |
CP8W-300813~CP8W-310886(平成13年7月12日~平成14年1月31日) | |
TA-CPEW | CPEW-100607~CPEW-103379(平成13年7月12日~平成14年1月31日) |
手動式スライドドアのドアラッチ構造における不具合(2006年9月21日届)
手動式スライドドアのドアラッチ構造が不適切なため、融雪水や雨水等でドアラッチ内部に水が溜まるものがあります。そのため、低温時に水が凍結した場合、ドアラッチが確実に作動せず、最悪の場合、ドアが閉まらないおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DBA-CREW CBA-CREW |
CREW-100034~CREW-130416(平成16年12月20日~平成18年1月18日) |
バッテリーの被水対策における不具合(2005年7月21日届)
バッテリーの被水対策が十分されていないため、バッテリー上面に雨水等がかかるものがあり、出荷時に装着されたバッテリー以外に交換した場合に、バッテリー液注入口の形状によっては雨水等がバッテリー内に浸入するものがあります。そのため、バッテリー液量が増加しバッテリー液が漏れてABSハイドロリックユニット及びブレーキパイプにかかり腐食して、最悪の場合、ブレーキ液が漏れて制動力が低下するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
GF-CP8W TA-CP8W UA-CP8W |
CP8W-100039~CP8W-506233(平成11年2月25日~平成16年11月30日) |
TA-CPEW | CPEW-100008~CPEW-203221(平成13年6月11日~平成16年11月24日) |
コラム式自動変速機付き車における不具合(2005年3月31日届)
コラム式自動変速機付き車において、シフトレバー内部にある樹脂製ベースプレートとガイドプレートの締付け構造が不適切なため、炎天下の屋外駐車などにより当該締付け部の締付け軸力が低下し、シフト操作の繰り返しにより締付ねじが緩んで異音や引っ掛かりが発生するものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、最悪の場合、ねじが脱落してガイドプレートが外れ、シフト機構と連動しているキーインターロック装置が正常に作動しなくなり、イグニッションキーが抜けず、かじ取り装置の施錠装置が機能しなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
GF-CP8W | CP8W-100039~CP8W-130832(平成11年2月25日~平成12年2月29日) |
原動機およびバッテリーに関する不具合(2004年4月8日届)
(1)原動機において、タイミングベルトの張力を維持する部品(オートテンショナ)に振動吸収性能が不十分なものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、当該オートテンショナの外部ばねが折損してタイミングベルトが緩んで異音が発生し、最悪の場合、折損した外部ばねの破片がタイミングベルトに噛み込み、原動機が停止するおそれがあります。
(2)バッテリーの被水対策が不十分なため、バッテリー上面に雨水等がかかるものがあります。そのため、バッテリーを交換した場合、バッテリー液注入口の形状によっては雨水等がバッテリー内に侵入し、バッテリー液量が増加して、漏れたバッテリー液がABSハイドロリックユニットにかかり、当該ABSハイドロリックユニットが腐食して、最悪の場合、ブレーキ液が漏れて制動力が低下するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
GF-CP8W | CP8W-100039~CP8W-137504(平成11年2月25日~平成12年5月12日) |
GF-CP8W TA-CP8W UA-CP8W |
CP8W-137505~CP8W-500918(平成12年5月12日~平成16年1月21日) |
TA-CPEW | CPEW-100008~CPEW-202932(平成13年6月11日~平成16年1月21日) |
燃料ポンプの作動装置における不具合(1999年5月20日届)
燃料ポンプの作動装置において、サーキットリレーに組付不良のものがあり、イグニッションスイッチがONの状態でエンジンが停止した時においても燃料ポンプが作動し続けるため、最悪の場合、衝突事故により燃料パイプ等が破損した時には、燃料が漏れ続けるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
GF-CP8W | CP8W-100039~CP8W-106550(平成11年2月25日~平成11年5月7日) |
マツダ プレマシー各部品の修理費用
ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障個所 | 費用 |
---|---|
エアコンの故障(不具合) | 20万円前後 |
ラジエターの不具合や故障 | 3万~5万円程度(※状態による) |
電動パワステの故障や不具合 | 10万~20万円前後 |
キャビンからの異音に関する不具合 | 初期不良であれば無料交換の対象 |
サイドミラーの故障(不具合) | 3~4万円程度 |
ISCバルブの不具合 | 3万円~4万円程度 |
マツダ プレマシーオーナーの評判
何かしらの故障や不具合がありながらも、ファミリー層に大ヒットしたと言われるマツダ プレマシーですが、実際にプレマシーを所有しているオーナーはどういう印象を持っているのでしょうか。
ポジティブな意見をご紹介します。
- 高速モスイスイ、坂道もラクラク走る!
- 3列目シートを倒すと荷室が広い
- スタイルがとても良い、かっこいい
- 3列目も狭くない
- ミニバンなのに動きがスポーティー
- 大人6人乗っても窮屈感やストレスがない
一方でネガティブな意見として以下のようなことが挙げられています。
- ハンドルにもう少し遊びが欲しかった
デザインが印象的なマツダ プレマシーですが、やはりスタイルを気に入って購入を決断したオーナーが多かったです。
マツダ プレマシーとはどんな車?
マツダ プレマシーは1963年からマツダが発売していたファミリアをベースにした5ナンバーサイズのコンパクトミニバンとして発売されました。
最初にプレマシーが登場したのは1999年、その後2代目プレマシーは2005年、3代目プレマシーは2010年から2018年まで発売されました。
“プレマシー”という車名は「至上」や「至高」を意味する英語「SUPREMACY」が由来としています。
マツダ プレマシーの魅力とは?
コンパクトミニバンでありながら3列目も余裕あるスペース
1代目プレマシーのベースはファミリアでしたが、2代目プレマシーではベース車を3ナンバーサイズのアクセラとしており、それに伴いボディサイズも大きくなっています。
そのため、2代目プレマシーでは3列目シートも余裕あるスペースとなりました。3代目プレマシーでは、2列目中央のシートを補助席と割り切り、7人乗りではなく6人+1人乗用車と独創的なデザインを採用しています。
3列目シートも窮屈に感じることなく乗車できることは非常に大きな魅力と言えるでしょう。
ひと際目立つ流線的なデザイン
3代目プレマシーでは、マツダのデザイン「NAGARE(流れ)」を採用し、スタイリッシュかつアグレッシブな印象を持ったデザインとなりました。
3代目のデザインを好むオーナーも多いようです。
スカイアクティブテクノロジーの採用
走行性能が高く評価されるマツダ プレマシーは、マツダの革新的な技術として称されているスカイアクティブテクノロジーを採用しています。この技術を搭載したことから、ミニバンでありながら“走る”を楽しめる車として話題となりました。
多彩なシートアレンジ
3列目シートを倒すことで、荷室を大きく確保することができたり、2列目・3列目シートを倒すことで後部全体を荷室として使用することも可能です。
また、2列目シートは左右独立しており、各シート20段階のリクライニング機能も付いています。2列目に乗車する方もゆっくりとした乗り心地で目的地まで向かうことができますね。
3代目プレマシーのグレードとスペック
3代目プレマシーで設定されていたグレードは以下の通りです。
- 2.0 20C スカイアクティブ AT
- 2.0 20S スカイアクティブ AT
- 2.0 20S スカイアクティブ Lパッケージ AT
- 2.0 20CS AT
- 2.0 20C 4WD AT
- 2.0 20S 4WD AT
- 2.0 20S スカイアクティブ セレーブル AT
- 2.0 20C スカイアクティブ 助手席リフトアップシート車 AT(福祉車両)
- 2.0 20S スカイアクティブ 助手席リフトアップシート車 AT(福祉車両)
スペック
項目 | 2.0 20S スカイアクティブ Lパッケージ AT |
2.0 20S 4WD AT |
サイズ:全長×全幅×全高(mm) | 4585×1750×1615 | 4585×1750×1650 |
定員人数(人) | 7 | 7 |
駆動方式 | FF | 4WD |
ミッション | AT | AT |
燃費 | 16.2 | 10.6 |
排気量 | 1997 | 1998 |
新車価格 | 200.9万円 | 241.9万円 |
マツダ プレマシーの中古車価格は?
2010年から発売された3代目プレマシーの中古車価格は、平均80万円といったところです。
状態が良い車両であれば、150万円~200万円前後となります。
コンパクトミニバンかつ、走行性にも優れた車両であることを考えれば、非常にコスパに優れた車両と言えそうですね。
マツダ プレマシーを中古車で購入する際に気をつけること
マツダ プレマシーは2代目以降で7人乗りが基本になったり、新機能が加わったり、スポーティーなデザインになったりと大きな変化がありました。
中古車で購入する際は、まずは、年式やグレード、装備品、オプション装着等を確認し、どういった機能が欲しいのかを検討しましょう。
ご自身が欲しいと思う車両があったら、次は細かいところを確認していきます。
確認のポイントは以下の通りです。
- エンジンをかけた際に異音や始動具合に違和感がないか
- スライドドアが正常に作動するか
- サイドミラーやパワーウィンドウのスイッチ等が作動するか
- シートアレンジは可能か
- タイヤ回りや下回りに不具合がないか
- 過去の整備記録や修理履歴がないかなどの確認
マツダ プレマシーはファミリー世代に人気の車両となっているため、中古車として販売されている車両の前の持ち主が家族世帯という可能性もあります。
小さな子供が乗ったりする場合は、シートの汚れやシートレールなどにゴミが詰まってシードの稼働ができなかったということもありますので、細部までしっかり確認しておきましょう。
まとめ
今回は、ファミリー層に一躍人気となったマツダ プレマシーについて解説してきました。
残念ながら新車での購入はできませんが、中古車では状態の良い車両も多く存在します。
年式が新しいマツダ プレマシーであれば故障や不具合が少ないという意見も多いですので、中古車の購入を検討している方は年式の新しい車種を基準に検討してみてください。