日産 フーガ ハイブリッドは故障(不具合)が起きやすい?故障事例や修理費用など徹底解説

2009年に登場した2代目フーガに設定されたフーガ ハイブリッドは、日本自動車が持つ技術やノウハウをすべて詰め込んだ素晴らしい車両として開発され、セドリックやグロリアの後継車として注目されました。インテリア、エクステリアともに一級品といえる日産 フーガ ハイブリッドに心惹かれた方も多いことでしょう。今回はそんな日産 フーガ ハイブリッドの故障(不具合)について解説していきます。

日産 フーガ ハイブリッドは故障(不具合)が多いのか?

日産 フーガ ハイブリッドに関する故障(不具合)の声

50代/男性

中古車で購入しましたが、購入後半年くらい経ったときに、モーター部分からオイル漏れをしていました。他は特に良好なので、このまま大きな故障がないことを願います。

40代/男性

ブレーキが滑る感覚があります。前より頻度が高くなっている気がするので、週末にディーラーに持っていこうと思います。

60代/男性

昨日まで何事もなく乗っていましたが、今日になっていきなり警告音が鳴り響いています。車を動かすこともできず、レッカー移動してもらい、現在故障個所を確認してもらっています。大事にならないことを願います。

40代/男性

5年ほどフーガハイブリッドに乗っていますが、ここのところエアコンの調子が悪く、点検に持ってきたところ、エアコンコンプレッサーが故障していたようです。点検はまめにしていますが、そろそろ故障が多くなる時期なのかな……。

50代/男性

午前中は普通に走行できていたのですが、午後から車を動かすと、オーバーヒートのランプが点灯したり、スリップの警告灯が点灯したり……。一度エンジンを切り、再度エンジンをかけると点灯は消えましたが、念のためディーラーへ。

どうもアクセルコントロールユニットが故障しているようです。

日産 フーガ ハイブリッドの故障(不具合)が多い箇所

日産は、アメリカの調査会社「J.D.パワー社」の報告によると、2017年自動車耐久品質調査(VDS)においてランキング6位タイとなっています。世界的に見ると日産自動車は故障しにくい車といえますが、工業製品である以上、日産 フーガ ハイブリッドにまったく故障が起きないということはあり得ません。

日産 フーガ ハイブリッドにも故障しやすい箇所があり、次の様な部品は比較的故障が多いです。

  • コンプレッサーの故障(不具合)
  • オルタネーターの故障(不具合)
  • モーターの故障や不具合

日産 フーガ ハイブリッドの故障(不具合)は比較的少ない傾向にありますが、ハイブリッド車のため、ハイブリッド特有の部品の故障(不具合)には十分注意が必要です。

後述しますが、ハイブリッド特有の部品に不具合や故障が生じた場合は、多額の修理費用が掛かるため、日々のメンテナンス、早期発見、対応がカギとなります。

なお、制御システムの不良についても事例が挙げられることが多いですが、制御システムについてはリコールが発表されています。リコールが発表されているため、交換等の対応もされていますので、制御システムの不良かなと思った場合は、まずディーラーに問い合わせを行い、リコール対応がなされているか、対象車両でないかを確認してみましょう。

日産が発表しているフーガ ハイブリッドに関する故障・不具合・リコール情報

※下記でご紹介するリコール情報は日産 フーガ、フーガ ハイブリッドの情報になります。

完成検査不備に関するリコールの対象車追加について(2018年6月29日届)

車両製作工場の完成検査において、任命されていない検査員が合否判定を行ったものがあり、安全環境性能法規(保安基準)に関する検査が適切に行われていなかった。

対象車両

型式 車台番号
DAA-HY51 HY51-400087~HY51-500008(平成22年10月14日~平成24年6月6日)
DBA-Y51 Y51-201197(平成25年3月12日)

助手席側のエアバッグのインフレータ(膨張装置)における不具合(2018年3月29日届)

助手席側のエアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なため、温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
CBA-PY50
DBA-PY50
PY50-200108~PY50-303987(平成16年10月1日~平成20年12月26日)
CBA-PNY50
DBA-PNY50
PNY50-300028~PNY50-400641(平成16年10月5日~平成20年12月25日)
CBA-Y50
DBA-Y50
Y50-100032~Y50-203401(平成16年10月1日~平成20年12月26日)
CBA-GY50 GY50-400015~GY50-500713(平成17年7月20日~平成20年12月23日)

完成検査不備に関するリコールについて(2017年10月25日届)

車両製作工場の完成検査において、任命されていない検査員が合否判定を行ったものがあり、安全環境性能法規(保安基準)に関する検査が適切に行われていませんでした。

対象車両

型式 車台番号
DBA-Y51 Y51-201848~Y51-451481(平成25年8月27日~平成29年9月19日)
DBA-KY51 KY51-301556~KY51-580002(平成26年5月8日~平成29年9月19日)
DBA-KNY51 KNY51-400614~KNY51-680001(平成26年2月21日~平成29年9月18日)
DAA-HY51 HY51-400089~HY51-880002(平成22年10月14日~平成29年9月19日)

完成検査不備に関する既登録車のリコールについて(2017年10月6日届)

車両製作工場の完成検査において、任命されていない検査員が合否判定を行ったものがあり、 安全環境性能法規(保安基準)に関する検査が適切に行われていませんでした。

対象車両

型式 車台番号
DBA-Y51 Y51-201848~Y51-451481(平成25年8月27日~平成29年9月19日)
DBA-KY51 KY51-301556~KY51-580002(平成26年5月8日~平成29年9月19日)
DBA-KNY51 KNY51-400614~KNY51-680001(平成26年2月21日~平成29年9月18日)
DAA-HY51 HY51-400089~HY51-880002(平成22年10月14日~平成29年9月19日)

助手席側のエアバッグのインフレータ(膨張装置)における不具合(2016年11月25日届)

助手席側のエアバッグのインフレータ(膨張装置)において、ガス発生剤の吸湿防止が不適切なため、温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
DBA-Y50 Y50-203402~Y50-204151(平成21年1月19日~平成21年10月19日)
DBA-PY50 PY50-303988~PY50-304683(平成21年1月19日~平成21年10月13日)
DBA-PNY50 PNY50-400645~PNY50-400797(平成21年1月21日~平成21年10月13日 )
CBA-GY50 GY50-500715~GY50-500827(平成21年1月20日~平成21年9月24日)

ハイブリッド車のハイブリッドパワートレインコントロールモジュール(HPCM)における不具合(2016年7月7日届)

ハイブリッド車のハイブリッドパワートレインコントロールモジュール(HPCM)において、高電圧冷却システムの制御プログラムが不適切なため、電動ウォーターポンプ故障時に駆動モータ等の温度が上昇することがあります。そのため、そのままの状態で使用を続けると、最悪の場合、過熱保護制御が作動してエンジン及び駆動モータが停止し、動力が伝達されなくなり走行不能となるおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
DAA-HY51 HY51-400001~HY51-501782(平成22年9月30日~平成25年6月17日)

エアバッグに関する不具合(2015年11月2日届)

エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損して飛び散り、出火したり乗員が負傷するおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
CBA-Y50
DBA-Y50
Y50-100001~Y50-203401(平成16年10月1日~平成20年12月26日)
CBA-PY50
DBA-PY50
PY50-200001~PY50-303987(平成16年10月1日~平成20年12月26日)
CBA-PNY50
DBA-PNY50
PNY50-300001~PNY50-400644(平成16年10月1日~平成20年12月26日)
CBA-GY50 GY50-400001~GY50-500714(平成17年7月20日~平成20年12月26日)

特定の助手席エアバッグのインフレータ(膨張装置)における不具合(2015年6月25日届)

特定の助手席エアバッグのインフレータ(膨張装置)において、原因は判明していないが、エアバッグ展開時にインフレータ容器が破損するおそれがあることから、全車両予防的措置として、当該インフレータを交換します。

対象車両

型式 車台番号
CBA-Y50
DBA-Y50
Y50-154841~Y50-203401(平成19年4月2日~平成20年12月26日)
CBA-PY50
DBA-PY50
PY50-254941~PY50-303987(平成19年4月2日~平成20年12月26日)
CBA-PNY50
DBA-PNY50
PNY50-350942~PNY50-400644(平成19年4月4日~平成20年12月26日 )
CBA-GY50 GY50-450959~GY50-500714(平成19年4月3日~平成20年12月26日 )

各制御コンピュータにおける不具合(2014年9月18日届)

①エンジン制御コンピュータのプログラムが不適切なため、スロットルポジションセンサからの信号が異常だと判断した場合、フェールセーフ制御によりスロットル開度を固定状態にするが、当該制御中にスロットルポジションセンサからの信号が正常に戻った場合、スロットルが徐々に開くことがあります。そのため、エンジン回転が徐々に上昇し、アクセルペダルを踏んでいないにもかかわらず加速するおそれがあります。

②駆動モータインバータの制御コンピュータのプログラムが不適切なため、当該コンピュータが自動変速機のギヤ位置等の信号を受信する際に通信異常と判定する場合があります。そのため、警告灯が点灯し、最悪の場合、駆動モータが停止して走行不能になるおそれがあります。

③自動変速機のケースの製造が不適切なため、ケースに亀裂が生じたものがあります。そのため、そのままの状態で使用を続けると亀裂が進行し、最悪の場合、ケースが破損して走行不能になるおそれがあります。

対象車両

型式 車台番号
DAA-HY51 HY51-400001~HY51-800009(平成22年9月30日~平成26年7月18日)

日産 フーガ ハイブリッドの各部品の修理費用

ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。

故障個所 費用
アクセルコントロールユニット 30000円程度
ミッションの交換 40万円~
エアコンコンプレッサーの故障(不具合) ~20万円前後
ミッションオイル漏れ 15万~17万円前後
モーターやバッテリーの不具合 数十万円

比較的故障が少ないと言われる日産 フーガ ハイブリッドですが、やはりハイブリッド特有の部品は特に費用が高くなる傾向があります。

故障しにくい車種であるからと安心せず、日々のメンテナンスとともに故障が起こった際の費用の工面についても事前に検討しておくことをお勧めします。

日産 フーガ ハイブリッドのオーナーの評判

日産 フーガ ハイブリッドは、比較的故障(不具合)も少なく、購入して損はない車両であると言えるでしょう。
しかし、車は所有してみないとわからない点も多くあると思います。

ここでは、日産 フーガ ハイブリッドを所有するオーナーの声を集めてみました。

まずはポジティブな意見をご紹介します。

  • 高速道路の走行性能が抜群
  • 豪快な加速を味わえる
  • 静粛性が高い
  • 長距離運転でも疲れない
  • 燃費がいい
  • ハンドルが重く、安心感がある
  • 内装・外装ともに高級感が漂っている
  • 助手席のオットマンが最高

次はネガティブな意見です。

  • トランクが狭い
  • 日本の道路事情を考えるとやや大きい

上記のような意見がありましたが、どのオーナーにおいても、不満点を含めたうえでもやはり所有し続けたい車両であるという方が多かったです。

日産 フーガ ハイブリッドとはどんな車?

2004年に発売された初代フーガにはハイブリッド車両は設定されず、2009年から発売している2代目フーガがマイナーチェンジ(2010年)を行ったタイミングで、ハイブリッドが設定されました。

日産 フーガ ハイブリッドが登場した時、他社からはすでにハイブリッド車が登場しており、後れを取った形になっていましたが、日産の独自システムを導入したことからも話題となりました。

話題となった点は大きく2点です。

まず1つ目は、燃費性能。

日産 フーガ ハイブリッドと同クラスのセダン ハイブリッド車では15km/Lの燃費と言われていましたが、フーガ ハイブリッドではそれを上回る18.0km/Lを誇るのです。

開発段階では、実走テストにおいて無給油で1,373kmを走行したと発表されており、その距離からも燃費性能が高いことが伺えます。

燃費性能が高いこともあり、出張時や長距離旅行でも、頻繁に給油を行わず、快適に目的地まで走ることが可能です。

2つ目は、日産独自のハイブリッドシステムにあります。

日産 フーガ ハイブリッドに搭載されているハイブリッドシステムには、トルコン(トルクコンバーター)という変速機の一つがありません。

通常、トルコンがあることで駆動力を吸収されがちですが、そのトルコンがない分ダイレクトに走りへとつながるのです。力強く走行したい方にはお勧めのハイブリッドシステムですね。

ただし、トルコンはクラッチをつなぐ際のクッションといった役割もあるため、トルコンがないことでEV走行時からエンジンを始動させる際や上り坂を走行する際に、衝撃を伴うことがあります。

しかしながら、その衝撃を感じることはほとんどなく、神経質にならない限り特に問題ない程度まで向上しています。

上記2点については、日産 フーガ ハイブリッドに特化した特徴です。
では、日産 フーガ ハイブリッドのインテリアやエクステリアはどうでしょうか。

日産 フーガ ハイブリッドのインテリア

日産 フーガ ハイブリッドの内装は、ハイブリッド車、ガソリン車どちらも木目調のパネルを採用し、高級感を全面的に漂わせています。また、曲面を多く採用することで、広さと優雅さを作り出しています。

通常、ハイブリッド車は同車種のガソリン車に比べてハイブリッドシステムを搭載することで車内空間が狭くなることがありますが、日産 フーガ ハイブリッドにおいては、室内寸法に違いはありません。

ただし、オーナーの口コミでもあったようにトランクは、ガソリン車に比べると狭くなっています。

日産 フーガ ハイブリッドのエクステリア

こちらもガソリン車との違いはほとんどありませんが、フーガ ハイブリッドの方が若干丸みを帯びたデザインになっています。そのほか、ハイブリッドバッジが装着されています。

最後に日産 フーガ ハイブリッドのスペックをご紹介

項目 フーガ ハイブリッド フーガ
全長×全幅×全高(mm) 4,980×1,845×1,500~1,510 4,980×1,845×1,500~1,515
重量(kg) 1,700~1,840
定員 5人 5人
室内長×室内幅×室内高(mm) 2,090×1,535× 1,215(1,185) 2,090×1,535× 1,215(1,185)
エンジン
種類 V型6気筒 DOHC フーガ3.7L:V型6気筒 DOHC
フーガ2.5L:V型6気筒 DOHC
排気量  3.5L フーガ3.7L:3.7L
フーガ2.5L:2.5L
最高出力(kW[PS]/rpm) 225[306]/6,800 フーガ3.7L:245[333]/7,000
フーガ2.5L: 165[225]/6,400
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 350[35.7]/5,000 フーガ3.7L:363[37.0]/5,200
フーガ2.5L:258[26.3]/4,800
モーター
最高出力 50[68]
最大トルク 290[29.6]
トランスミッション 7速ハイブリッドAT フーガ3.7L:7速AT
フーガ2.5L:7速AT
駆動方式 2WD(FR) フーガ3.7L: 2WD(FR)/4WD
フーガ2.5L:2WD(FR)
燃料 ハイオク ハイオク
JOC8モード燃費(km/L) 17.8~18.0 フーガ3.7L:8.9~9.4
フーガ2.5L:11.2

日産 フーガ ハイブリッドを中古車で購入する際に気をつけること

日産 フーガ ハイブリッドを新車で購入すると、車両価格が高いということもあり、中古車で購入することを検討している方も多いと思います。

日産 フーガ ハイブリッドを中古車で購入する際のポイントは3つです。

  • 内外装の汚れや傷、ゆがみ
  • オイル等の漏れがないか
  • システムに不具合がないか

日産 フーガ ハイブリッドを中古車で購入する際は、まず1つ目のポイントとして内外装の傷や汚れ、ゆがみだと思います。車両の前後左右からしっかりと確認しておきましょう。

また、忘れがちなオイル等の漏れがないかです。車両の下を覗いてみて、オイルが漏れた形跡がないかチェックしてみてください。

最後はシステムについてです。

日産 フーガ ハイブリッドはハイブリッド車ですので、システムに故障や不具合が生じると走行不能になってしまう可能性があります。実際にエンジンをかけてみて、異音がしないか、警告灯が点灯していないかなど確認しましょう。

中古車であっても大きな金額を払うわけですから、違和感などがあった場合は、整備士や担当者に質問をし、不安をすべて取り除いてから契約を進めてください。

まとめ

今回は日産 フーガ ハイブリッドの故障(不具合)についてご紹介しました。

日産 フーガ ハイブリッドは高級な一台として競合車に引けを取らないほど、最高の一台と言えます。

新車であろうと、中古車であろうと大きな買い物になることに違いはありません。
新車であれば初期の故障や不具合が少ない可能性が高いですが、中古車であれば購入直後に故障(不具合)が生じることも大いに考えられます。

購入費用と別に修理費用が掛かるとなれば元も子もありませんので、購入する際は整備記録や過去に故障や不具合がなかったかなどしっかりと確認を行い、納得したうえで購入しましょう。

素晴らしい走行と燃費性能を持った日産 フーガ ハイブリッドをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。