1946年創業と国内自動車メーカーの中では、登場が遅かったホンダですが、いまでは世界的に見ても信頼度の高い自動車メーカーです。そんなホンダから発売されているインサイトは1999年に発表され、世界最高の燃費35km/Lを誇り注目を浴びました。今回は、インサイトの故障(不具合)について解説していきます。購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ホンダ インサイトは故障(不具合)が多いのか?
ホンダ インサイトに関する故障(不具合)の声
40代/男性
新車で購入してから半年くらい経ったとき、ABS警告灯が点灯しました。仕事の通勤などよく使用していたので、念のためと思い整備工場で点検をしてもらったところ配線の不良だったようです。
20代/男性
久々の休みで2時間ほどドライブに出かけていたところ、突然エンジンの回転が不安定になったような感じがありました。そのあと、エンストが起こる前のような症状もあったのですぐにディーラーにもっていったところ、EGRバルブが緩んでいたようです。
30代/男性
購入後1年程経ったとき、アイドリングが不安定になり失火したような感じになりました。エンジンの不調ですね。妻と子供がよく乗っていた車だったので、すぐに修理に持っていき治してもらいました。
30代/男性
走行時、道路の段差などを通過するとチリンという音がしました。最初は車だとは思わなかったのですが、何度も同じような場面で音がしてるため、異音がするとディーラーに確認してもらうと、マフラー近くの部品のボルトが緩んでいたと言われました
40代/男性
アイドリング中に電圧と油圧の警告灯が点灯しました。工場で確認してもらい、IMAバッテリー、モーターECU、バッテリーECUの3つを交換してもらいました。
50代/男性
購入後わずか2年余り、そんなに距離も乗っていなかったのにコンプレッサーが故障しました……。大きな出費となりましたが、もうしばらく頑張ってほしい!
ホンダ インサイトの故障(不具合)が多い箇所
ホンダ車の信頼性は非常に高く、その評価は国内にとどまらず、世界でも高い評価を得ています。
しかし、工業製品である以上、ホンダ インサイトが全く壊れないことはありません。
ここでは、ホンダ インサイトの故障や不具合を起こしやすい部品を挙げてみます。
- コンプレッサー
- アイドリング不安定
- エンジンシステムの不具合
- EGRバルブの詰まり、故障
部品のゆるみや配線の不良など細かい不具合なども報告されていますが、上記のような故障(不具合)は特に多く見られています。
新車で購入し、保証などに入っていれば安価に修理をすることが可能な箇所もありますが、多額な費用が必要となる場合もあります。
ホンダ インサイトに限る話ではありませんが、車を所有する以上、まとまった出費が必要になる可能性があることを常に考えておきましょう。
ホンダが発表しているインサイトに関する故障・不具合・リコール情報
エアバッグ装置(インフレーター)の不具合(2018年9月27日届)
助手席側のエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、環境温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレ-ター内圧が異常上昇して、インフレーター容器が破損するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1501541~ZE2-1502006(平成26年1月7日~平成26年3月3日) |
エアバッグ装置(インフレーター)の不具合(2018年1月18日届)
助手席側のエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、環境温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレ-ター内圧が異常上昇して、インフレーター容器が破損するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1404354~ZE2-1404636(平成25年1月8日~平成25年4月17日) |
ZE2-1500002~ZE2-1501540(平成25年5月10日~平成25年12月26日) | |
DAA-ZE3 | ZE3-1006542~ZE3-1006831(平成25年1月8日~平成25年4月17日) |
ZE3-1100001~ZE3-1101049(平成25年5月10日~平成25年12月25日) |
エアバッグ装置(インフレーター)(2017年1月19日届)
助手席側のエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、環境温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレ-ター内圧が異常上昇して、インフレーター容器が破損するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1400228~ZE2-1404353(平成24年1月7日~平成24年12月28日) |
DAA-ZE3 | ZE3-1001582~ZE3-1006541(平成24年1月9日~平成24年12月26日) |
エアバッグ装置(インフレーター)(2016年9月8日届)
助手席側のエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、環境温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレ-ター内圧が異常上昇して、インフレーター容器が破損するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1202190~ZE2-1229029(平成22年1月6日~平成22年9月17日) |
ZE2-1300002~ZE2-1314502(平成22年8月23日~平成23年9月3日) | |
ZE2-1400003~ZE2-1400227(平成23年10月20日~平成23年12月27日) | |
ZE2-8000001~ZE2-8000417(平成22年1月21日~平成22年2月19日) | |
DAA-ZE3 | ZE3-1000005~ZE3-1001583(平成23年6月6日~平成23年12月28日) |
エアバッグ装置(インフレーター)(2018年6月9日届)
助手席側のエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、環境温度および湿度変化の繰り返しによりガス発生剤が劣化することがあります。そのため、エアバッグ展開時にインフレ-ター内圧が異常上昇して、インフレーター容器が破損するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1100035~ZE2-1203015(平成21年1月7日~平成21年12月26日) |
エアバッグ装置(インフレーター)(2016年2月5日届)
特定の運転者席側SRSエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、原因は判明していませんが、エアバッグ展開時にインフレーター容器が破損するおそれがあることから、全車両、予防的措置として、当該インフレーターを交換します。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1400228~ZE2-1404636(平成24年1月7日~平成25年4月17日) |
ZE2-1500002~ZE2-1502006 (平成25年5月10日~平成26年3月3日) | |
DAA-ZE3 | ZE3-1001582~ZE3-1006831(平成24年1月9日~平成25年4月17日) |
ZE3-1100001~ZE3-1101178(平成25年5月10日~平成26年3月3日) |
エアバッグ装置(インフレーター)(2015年7月9日届)
特定タイプの運転者席側SRSエアバッグのインフレーター(膨張装置)において、市場回収品を調査した結果、ガス発生剤の密度にばらつきが大きいものを確認しました。このため、原因は判明していませんが、エアバッグ展開時に正常に展開しないおそれがあることから、予防的措置として当該インフレーターを新品に交換します。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1100009~ZE2-1229029(平成20年11月4日~平成22年9月17日) |
ZE2-1300002~ZE2-1314502(平成22年8月23日~平成23年9月3日) | |
ZE2-1400003~ZE2-1400227(平成23年10月20日~平成23年12月27日) | |
ZE2-8000001~ZE2-8000417(平成22年1月21日~平成22年2月19日) | |
DAA-ZE3 | ZE3-1000005~ZE3-1001583(平成23年6月6日~平成23年12月28日) |
エアバッグ装置(インフレーター)(2015年5月28日届)
特定の助手席側エアバッグのインフレーター(膨張装置)において、エアバッグ展開時にインフレーター容器が破損して構成部品が飛散し、乗員が負傷するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ZE2 | ZE2-1100009~ZE2-1100088(平成20年11月4日~平成20年12月24日) |
現在、公式サイトのリコール情報で確認できる内容としては以上の通りです。
どれもエアバッグに関する不具合についてですので、中古車で購入する際もエアバッグについて確認しておきましょう。
中古車で購入した場合、リコール対応がなされていなかったという事例もありますので、購入前には必ず対応されたことを確認してから契約を進めましょう。
ホンダ インサイト各部品の修理費用
ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
あくまでも相場ですので、参考程度にしてください。また、修理工場によって工賃も大きく変わるため、注意しましょう。
故障箇所 | 費用 |
---|---|
コンプレッサーの故障 | 20万円~30万円程度 |
アイドリングの不調 | 10万円~15万円(オイル上りの場合) |
EGRバルブの故障 | 2万円前後 |
IMAバッテリー交換 | 35万円~40万円前後 |
ホンダ インサイトはハイブリット車のため、使用されているほとんどの部品が精密な消耗品です。小さな部品であっても多額の出費となってしまううえ、リビルト品がないことも多く、新品交換のみとなってしまうため、費用を抑えることも難しいと言えるでしょう。
ホンダ インサイトを中古車で購入する場合は、事前に消耗品などの状態を確認しておくことをお勧めします。
ホンダ インサイトのオーナーの評判
ここでは、ホンダ インサイトを所有しているオーナーがどのような印象を持っているのかご紹介します。
- 走行音がとにかく静か!
- 加速がなめらか
- 高級感がある
- ハンドリングがスムーズ
- 燃費がよく、家計への負担が少ない
一方で、以下のような意見も見られました。
- 世代ごとにデザインが違いすぎて比較しがたい
- 3代目のデザインは好きだが価格が高い
ホンダ インサイトは、現在発売されているものが3代目となります。
一般的に世代交代してもデザインが大幅に変更することはありませんが、インサイトは各世代でボディ形状が大幅に異なり、各世代によって好みがはっきり分かれるようです。
しかしながら、走行性能はどの世代においても高く評価されていると言えるでしょう。
中古車を購入する際は、どの世代のタイプを購入したいのか検討したうえで、検索してください。
ホンダ インサイトとはどんな車?
初代インサイトZE1型は、1999年に初登場しました。初代のインサイトはハッチバッククーペ型となっており、2人乗りです。
発売当時、世界最高の燃費性能を誇ると話題になり、一躍注目を浴びましたが、約7年後の2006年に発売終了となっています。
2代目が発売されたのは、1代目販売終了から3年後の2009年です。
ハッチバックのボディ形状はそのままでしたが、デザインは大幅に変更され、未来型のようなスタイリッシュなデザインとなりました。
発売同年の2009年5月にはハイブリット車として初めて登録車販売台数第1位を獲得しています。そのほか、グッドデザイン賞やRJCカー オブ ザ イヤー、日本自動車殿堂カーオブザイヤーなどを受賞しています。
1代目同様、2代目も発表から注目を浴び、約1年で累計販売台数が10万台を突破しました。その後、2代目インサイトは2014年3月に発売を終了しています。
そして、現在発売されている3代目インサイトは2018年1月に発表され、同年10月に先行発売を開始しています。
3代目は、これまでのデザインを一新し、セダンタイプとして性能、品格が向上しています。それに伴いサイズ、価格もアップし、ミドルタイプのセダンの位置づけです。
3代目インサイトには、安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準しており、衝突軽減ブレーキ、発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリングをはじめとする10種類の安全機能を備えています。
各世代によって、大きくデザインが変わるため、好みが分かれるインサイト。
しかしながら、どのデザインも存在感を放つデザインとなっているため、街乗りでも目を惹くことでしょう。
ホンダ インサイトを中古車で購入する際に気をつけること
ホンダ インサイトの中古車は価格帯が幅広く、安いものは10万円代のインサイトも存在します。
前述した通り、ホンダ インサイトはハイブリットカーですので、精密部品が劣化や故障している場合、多額の修理費用が掛かってきます。
中古車を購入する際は、部品などについてもよく確認を行ったうえで、購入するようにしましょう。
他にも以下の点に気をつけると良いでしょう。
- 全体の確認
- テールゲートに歪みがないか
- エンジンなど内部の確認も徹底的に
- 過去の整備記録の確認
- 内装の確認
中古車が安く手に入っても、その後の故障などによる出費費用が多くかかってしまっては元も子もありません。
購入前には、念には念を入れて確認を行い、購入するようにしてください。
まとめ
今回は、2018年に3代目を発表した、ホンダ インサイトの故障について解説しました。
3代目インサイトについては、発売されたばかりということもあり、故障の報告などを見かけることはありませんでしたが、1代目、2代目の故障に関しては参考にしていただければ幸いです。