アメリカならではのサイズ感で、日本では少々乗りにくさを感じてしまうほどの大きさを持つシボレー エクスプレス。自家用車から商用車まで幅広く利用することができ、アウトドアや大型ペットとの旅行にも大活躍の1台。そんな所有者それぞれの乗り方を思う存分楽しむことができる、シボレー エクスプレスですが、アメ車である以上、やはり気になるところは故障(不具合)ですよね。今回は、シボレー エクスプレスに起こりやすい故障(不具合)や修理費用など徹底解説していきます。
目次
シボレー エクスプレスは故障(不具合)が多いのか?
シボレー エクスプレスに関する故障(不具合)の声
30代/男性
これと言って故障はありませんが、これまでパワーウィンドウの故障が1度ありました。故障も多くなく、乗りやすく、良い車だと思います。
30代/男性
念願のシボレー エクスプレスを購入することができとてもうれしかった記憶がありますが、やはり故障が多いですね。エアコンガス漏れ、燃料ポンプの破損などこれからまだまだ出てきそうです。
40代/男性
アウトドア好きの家族のため、大きい車がいいということでシボレー エクスプレスを購入しました。購入してすぐにワイパーモジュールが故障してしまい、雨の日の運転がしばらくできませんでした……。
30代/男性
これまで、ブレーキペダルスイッチの不具合やエアコンガス漏れがありました。他の故障は特にありません。
40代/男性
現在乗っている前もシボレー エクスプレスに乗っていましたが、かなり古い型だったので故障ばかりでしたが、現在乗っている99年以降モデルは故障はほぼ無く、快調です。
40代/男性
この前、急にエンジンがかからなくなり、現在修理に預けていますが純正セキュリティが故障しているとか……治るまで時間がかかるようです……。
シボレー エクスプレスの故障(不具合)が多い箇所
シボレー エクスプレスにかかわらず、車は工業製品である以上、まったく故障や不具合が起こらないとは限りません。
シボレー エクスプレスにも故障や不具合が起きやすい箇所というのがいくつかあり、以下のような箇所には注意が必要です。
- パワーウィンドウの故障(不具合)
- エアコンガス漏れ
- ワイパーモジュールの故障(不具合)
また、外車はエアコンプレッサーや電装系の故障事例が多く、シボレー エクスプレスを所有する際も注意しておいた方がいいでしょう。
シボレーが発表しているエクスプレスに関する故障・不具合・リコール情報
インストルメントパネルに関する不具合(2016年10月5日届)
インストルメントパネルの材質が不適切なため、助手席の乗員がシートベルトをしていない状態で、事故等によりインストルメントパネルに頭を打ち付けた場合にケガをするおそれがある。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
不明 | 輸入期間平成22年 1月 7日~平成24年 3月29日 |
インストルメントパネルに関する不具合(2014年9月17日届)
インストルメントパネルの材質が不適切なため、助手席の乗員がシートベルトをしていない状態で、事故等によりインストルメントパネルに頭を打ち付けた場合にケガをするおそれがある。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
不明 | 1GCHG39K091168944~1GCWGFCA9B1129932(平成 21 年 7 月 2 日 ~ 平成 23 年 3 月 25 日) |
インストルメントパネルに関する不具合(2014年6月9日届)
インストルメントパネルの材質が不適切なため、助手席の乗員がシートベルトをしていない状態で、事故等によりインストルメントパネルに頭を打ち付けた場合にケガをするおそれがある。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
不明 | 1GNUHCD41A1117887(輸入期間不明) |
シボレー エクスプレス各部品の修理費用
ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障個所 | 費用 |
---|---|
エンジンがかからない | フューエルポンプ故障の場合:10万円~ |
ミッションの故障 | 40万円前後~ |
シボレー エクスプレスの修理費用について調査しましたが、オーナー自ら修理する方も多く、修理費用がどれほどかかるのか明確にすることはできませんでした。
ただし、シボレー エクスプレスが故障した場合の多くが、アメリカから部品を取り寄せて修理をしていることから、国産車の修理費用の2~3倍はかかることが考えられます。
シボレー エクスプレスオーナーの評判
ここまではシボレー エクスプレスの故障(不具合)やリコール情報について解説してきました。
では、実際にシボレー エクスプレスを所有しているオーナーから見たエクスプレスはどのような車なのでしょうか。評判をまとめてみました。
まずは、ポジティブな意見をご紹介します。
- なんでも詰める!
- 全席ゆったりと座れる
- 2列目3列目シートの取り外しが簡単
- 長距離運転も楽々
- オールフラットになるのはいい!
- 車高が高いので、右折がしやすい
- 4WDの性能が良く、雪道でもOK
- 慣れれば楽に運転できる
次はネガティブな意見です。
- 国産車より消耗品交換の感覚が短いような
- 日本の道が狭いのか、エクスプレスの車体が大きすぎるのか(笑)
- 燃費が悪いが仕方ないが、排気量から比べると良い方だと思う
- 日本の駐車場では収まり切れない(笑)
ポジティブ、ネガティブの2つに分けてご紹介しましたが、どのオーナーもネガティブで挙げているものもネガティブとは捉えておらず、許容範囲内であったり、それを含めてのフルサイズバンだ!といった声がありました。
シボレー エクスプレスとはどんな車?
シボレー エクスプレスはアメリカの自動車メーカーGMが生産し、シボレーブランドで販売されているフルサイズバンです。現在日本では正規輸入はされておらず、もし購入するとしたら中古車で購入するか、並行輸入ディーラーで購入するかの選択になるでしょう。
1996年に同じくシボレーが販売していたシェビー バンの後継として登場し、現在でも本国アメリカでは販売され続けています。また、GMの別ブランドGMCでは「サバナ」という名称で中身は全く同じの姉妹車が販売されています。
シボレー エクスプレスはハイエース・キャラバンよりも大きい
シボレー エクスプレスはトヨタのハイエースや日産のキャラバンのような立ち位置にある車で、商用車として使ったり、キャンピングカーやVIPカーなどにカスタムして使用されることが多い車です。
ただ、サイズ的にはハイエースなどより更に一回り大きくなっており、全長は5メートル超え、重量は2.3トンという乗用車の中では最重量級の車です。アメ車らしいダイナミックさが感じられる車と言えますが、その反面日本の狭い道路事情には合いにくい面もあり、本当にこの車が好きじゃないと持ちにくいマニア向けの車でしょう。
防弾ガラスを装備できるオプションも付いており、日本では窓が防弾ガラス仕様になったエクスプレスが警察車両(要人警護車両・特殊作戦車両)として取り入れられ、警視庁、大阪府警、神奈川県警などが使用しています。
シボレー エクスプレスの燃費と税金
最重量級の車体を大排気量のエンジンで動かすため燃費は非常に悪いです。米国EPA(環境保護局)の「2011燃費ガイド」の燃費ワーストランキングではシボレーG3500エクスプレスが8位、シボレーG2500エクスプレスが9位にランクインされています(共に市街地燃費4.67km/L、高速燃費6.8km/L)。これはアメリカ国内で販売されている自動車全ての中でのワーストランキングで、日本車に比べて燃費の悪いアメリカ車の中でもワースト10に入ってくる燃費の悪さということになります。ガソリン代はある程度覚悟しなければならないかもしれません。
しかし、一方で税金面では優遇される場合もあります。3列シートがあるパッセンジャーの場合、基本3ナンバーとなりますが、3列目のシートを外すことで1ナンバー登録もでき、自動車税・重量税・自賠責保険といった税金を安くすることができるのです。
毎年車検を受けなければならないなどデメリットも存在しますが、税金の方が高くつくことも多いので、税金を安くしたい場合には検討してみてください。ちなみにナンバーを変更するには、3列目シートを外した上で陸運局に車を持っていき、構造変更車検を受ける必要があります。
シボレー エクスプレスの特別仕様車「スタークラフト」とは?
中古車などに出ているシボレー エクスプレスの中には「スタークラフト」と呼ばれる特別仕様車があります。これはシボレーが販売している正規のグレードではありません。アメリカの会社スタークラフト社が、エクスプレスを独自に改造したものをスタークラフトと呼んでいるのです。
スタークラフトは革張りシートやソファなどが設置され、車の全高が高くなるなどVIP車仕様の改造が施されており、一時期は日本でも三井物産オートモーティブがG-Vanという名称で正規輸入していました。
現在は三井物産オートモーティブの正規輸入は打ち切られ、その後はGMジャパンでアフターサービスのみ受けることができるようになっています。
シボレー エクスプレスのグレードとスペック
シボレー エクスプレスのボディにはカーゴとパッセンジャーという2つのタイプがあります。カーゴは運転席と助手席だけが付き、後部が大きな荷台として使用できるもので、主に業務用での使用を前提としたものです。一方のパッセンジャーは2列目と3列目のシートがあり、最大で8人乗りができる大家族用やミニバスとして使えるタイプです。
日本に輸入されているエクスプレスはエンジンが5.3LV型8気筒のものが主ですが、それ以外にも4.3LV型6気筒、4.8LV型8気筒、6.0LV型8気筒といったグレードもあり、中古車屋ではこれらのエンジンが積まれている車も見かけます。また、駆動方式は4WDとMRの2種類があります。
日本で最も多い5.3L V8エンジンを積んだエクスプレス パッセンジャーのスペックは以下の通りです。
サイズ | 5,691mm × 2,018mm × 2,072mm |
ホイールベース | 3,430mm |
車両重量 | 2,385kg |
乗車定員 | 8人 |
ボディ | 5ドア |
エンジン | 5.3L直列8気筒 |
駆動方式 | 4WD/MR |
最高出力 | 213KW(290PS)/5,200rpm |
最大トルク | 439N・m(44.80kgf・m)/4,000rpm |
変速機 | 4速AT |
シボレー エクスプレスの新車・中古車価格
アメリカのシボレー公式サイトを見ると、エクスプレスのパッセンジャー新車価格は現在、最下位グレードが32.595ドル、最上位グレードで39.690ドルとなっています。
ただ、現在国内で取り扱っている正規ディーラーはありませんし、並行輸入している業者も価格を公表していないので、国内で購入するといくらになるのかは不明です。一般的に並行輸入の場合はここに輸送費や手数料などがプラスされるので、100万円近くは上乗せされることを覚悟する必要があるでしょう。
一方中古車では、それほど数が出回っている訳ではありませんが、条件に合う車さえ見つければ手軽に購入できるのがメリットです。中古車サイトで調べてみたところ、執筆現在は全国で22台がヒットしました。
この中には様々な年代、様々なグレードのものがありますが、全部ひっくるめて見ると平均価格は355.4万円となっています。最安値は188万円、最高値は648万円とかなり幅が広いですね。
エクスプレスは20年以上フルモデルチェンジが行われていない車ですので、安い価格の車は20年以上前の場合が多いです。また、比較的新しい車でも5年以上前の車ですので、それなりにメンテナンスは必要となるかもしれません。日本ではカーゴの販売は少なく、アメ車好きの人がパッセンジャーを購入するケースが多かったので、様々独自のカスタマイズが施されているのも特徴です。
シボレー エクスプレスを中古車で購入する際に気をつけること
シボレー エクスプレスには様々なタイプが存在します。
まずは、自分がどのタイプが欲しいのか、どういう装備が欲しいのかという点を検討しましょう。
また、シボレー エクスプレスの99年以前の型は故障が多いと言われています。
そのため、中古車を購入する際は、99年以降の型式で探してみてください。
欲しいタイプ、型式が見つかったら、以下の点を注目して車両の状態を確認しましょう。
- エンジンやエアコンに不調がないか
- 走行時に違和感がないか
- ボディにゆがみがないか
- 近くに整備を請け負ってくれる工場があるか
シボレー エクスプレスを購入してから後悔しないためにも、購入前は念には念を入れて隅々までチェックすることをお勧めします。
まとめ
今回は、シボレー エクスプレスの故障や不具合についてご紹介してきました。
ド迫力のボディで、目を引く存在のシボレー エクスプレス。
商用車に限らず、自家用車としてアウトドアや大型ペットとの旅行など様々な利用方法を提供してくれる1台です。
日本はアメリカに比べて道幅が狭く、都市部や路地などでの運転は難しいかもしれませんが、それ以上に遊び心をくすぐってくれるでしょう。
ぜひ、シボレー エクスプレスを検討してみてはいかがでしょうか。