2009年に登場したレクサス HSは、レクサスブランド初のハイブリッド専用車種です。また、レクサス車として初めてとなるFF方式の4ドアセダンとなるのも、このレクサス HSになります。レクサスの新たな試みとして登場したレクサス HSですが、現在は生産が終了しています。しかしながら、レクサス HSが欲しいという方もいるでしょう。ここでは、レクサス HSの故障(不具合)について解説していきます。これからレクサス HSを所有しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
レクサス HSは故障(不具合)が多いのか?
レクサス HSに関する故障(不具合)の声
40代/男性
故障とまではいきませんが、カップホルダーが突然がたがたと振動するようになりました。修理に持っていくのも面倒なので、フェルト生地のような布を敷いて対処していますが、次回の点検時に直してもらおうかなと思っています。修理費用いるのだろうか……
50代/男性
レクサス HSに乗り始めて8年ほどになります。結構な距離を走ってきましたが、これまで大きな故障はありませんでした。しかし、最近になってエアコンが不調です。久々に満足している車なので手放すことは考えたくないですが、コンプレッサーの交換とかなると買い換えかな。
50代/男性
2オーナーのレクサス HSを購入しました。購入時は特に違和感なかったのですが、1ヶ月ほど経った頃からブレーキの効きが悪いような感じがしたので、近々点検に出そうと思います。故障か経年劣化かはわかりませんが、以前リコールも出ているので、少し心配ですね。
60代/男性
中古車で購入しましたが、半年ごとの点検でハイブリッドシステムが故障していると言われました。新車で購入していれば無償交換もあったようですが……妻も気に入っている車なので、修理して乗り続けようと思いますが、やはりハイブリッドシステムは高いですね(笑)
レクサス HSの故障(不具合)が多い箇所
レクサスは世界的に見ても故障が少ないと言われるメーカーですが、どんなに故障率が低いという調査結果があったとしても、工業製品である以上、まったく故障(不具合)しないという保証はありません。
レクサス HSの故障(不具合)しやすい箇所は次のような箇所になります。
- ハイブリッドシステムTHS-IIの故障(不具合)
- エアコンの故障(不具合)
- ブレーキの不具合や故障
また、ボディからの異音がするという報告も少なくありません。
この場合は故障というより、ボディの作りそのものが原因です。
ボディから異音がした場合は、フレームを修正することで異音がなくなることもありますが、ボディの剛性が弱いため、異音再発の可能性も考えられます。
後述しますが、フレーム修正費用はまとまった金額が必要ですので、ボディの異音はある程度、あきらめた方がいいかもしれませんね。
レクサスが発表しているHSに関する故障・不具合・リコール情報
電気式無段変速機の発電用モータにおける不具合(2017年10月4日届)
電気式無段変速機の発電用モータにおいて、モータシャフトのマグネット保持用プレートのかしめが不適切なため、長時間のアイドリングや高負荷走行により当該プレートが摩耗し、コイルと接触して短絡することがあります。そのため、警告灯が点灯し、最悪の場合、ハイブリッドシステムが停止して走行不能となるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ANF10(HS250h) | ANF10-2000102~ANF10-2041606(平成21年 6月10日~平成22年10月14日 ) |
燃料蒸発ガス排出抑制装置における不具合(2016年6月29日届)
燃料蒸発ガス排出抑制装置において、蒸発ガス通路(樹脂製)の端部形状が不適切なため、使用過程で当該端部に亀裂が発生することがあります。そのため、長期間使用を続けると亀裂が貫通し、満タン時に燃料が漏れて、燃料臭がするおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ANF10(HS250h) | ANF10-2056004~ ANF10-2065225(平成24年12月 6日~平成27年 2月 5日) |
ハイブリッド車の燃料ポンプにおける不具合(2015年11月18日届)
ハイブリッド車の燃料ポンプにおいて、ポンプモータの回転数の設定が不適切なため、モータブラシが振動をおこし、早期に摩滅することがあります。そのため、警告灯が点灯するとともに、燃料が供給できず、エンジンによる走行ができなくなり、走行不能に至るおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ANF10(HS250h) | ANF10-2000102~ANF10-2056335(平成21年 6月10日~平成25年 1月 8日) |
電子制御ブレーキシステムにおける不具合(2013年6月5日届)
電子制御ブレーキシステムにおいて、アキュームレータ(蓄圧器)の強度検討が不足していたため、走行時の上下振動により、蓄圧容器の一部に大きな力が加わることがあります。そのため、使用過程で当該容器に疲労亀裂が入り、容器内のブレーキフルードに窒素ガスが徐々に浸入してブレーキペダルの踏み代が増加し、制動力が低下するおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ANF10(HS250h) | ANF10-2000102~ANF10-2009185(平成21年 6月10日~平成21年10月16日) |
ABS(アンチロックブレーキシステム)の制御プログラムにおける不具合(2010年2月9日届)
ABS(アンチロックブレーキシステム)の制御プログラムが不適切なため、ABS作動完了後の制動力が作動直前の制動力より低下することがあります。そのため、ブレーキをかけている途中に凍結や凹凸路面等を通過してABSが作動すると顕著な空走感や制動遅れを生じることがあり、そのまま一定の踏力でブレーキペダルを保持し続けた場合には運転者の予測より制動停止距離が伸びるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
---|---|
DAA-ANF10(HS250h) | ANF10-2000178~ANF10-2028690(平成21年 6月12日~平成22年 2月 8日) |
レクサス HSの各部品の修理費用
ここでは、各部品の修理費用の相場をご紹介いたします。
故障個所 | 費用 |
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エアコンコンプレッサーの故障 | 正規品部品での交換の場合 50万円前後 |
ハイブリッドシステムの不具合(故障) | 5年以内、走行距離10万キロ以下であれば無償交換の可能性あり |
有償の場合は40万円~50万円程度 | |
フレーム修正 | 30万円以上 |
ブレーキの故障(不具合) | リコール対象車の場合は無償 |
レクサス HSのオーナーの評判
レクサスが販売する車両は高級車ばかりですから、中古車であってもそれなりの金額になります。
購入してから不満な点が多かったなど、後悔したくないですよね。
ここでは、レクサス HSを購入したオーナーの評判をまとめてみました。
家族構成や使用頻度などそれぞれに異なりますので、参考にできない点もあるかと思いますが、自分の状況に置き換えながらチェックしてみてください。
まずは、ポジティブな意見をご紹介しましょう。
- 乗り心地がかなり良い!
- 後部席もゆっくりと座れる
- 十分なパワー
- 落ち着きのあるインテリアデザイン
- 長く乗りたい1台
- 快適装備が豊富
- 故障(不具合)しにくい
一方で、ネガティブな点としては以下のようなことが挙げられます。
- トランクが小さい
- ファミリーカーとしては狭い
トランクが小さいとの意見は多かったですが、どのオーナーの方もゴルフバッグを積むと小さいと感じるようで、ゴルフをしない方からすればネガティブポイントにはならないでしょう。
レクサス HSとはどんな車?
レクサスは2009年1月に北米国際オートショーにて初公開されました。
その後、同年7月に日本国内において発表・発売開始となり、発売後1ヶ月の販売台数は8,600台と発表されています。
レクサス HSの名称の由来は、「Harmonious Sedan」の略語となっており、地球・人・上質との調和を目指して開発されたとしています。
このレクサス HSは、レクサスブランド初となるハイブリッド専用車両かつ、日本で販売されるレクサス車初のFF方式の4ドアセダンとなっています。
2013年にはマイナーチェンジが行われ、レクサスの新たな共通デザインであるスピンドルグリルやL字型のLEDフォグランプが用いられ、よりスタイリッシュなデザインへと進化しています。
レクサス HSの特徴
1.高い燃費性能
レクサス HSの特徴と言えば、やはり23.0km/Lという高い燃費性能です。
この低燃費が実現した要因は、メインユニットとして2.4Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムが用いられていることにあります。
2.地球との調和でやさしいものづくり
開発テーマとして掲げられている「地球・人・上質との調和」から、室内などは植物を原料としたエコプラスチックが多く採用されていることもポイントです。
エコプラスチックと言っても、レクサスならではの高級感が劣ることなく、保持されています。
3.豊富な安全性能
グレードによってはオプションになるものの、レクサス HSの安全性能は非常に高いです。
レクサス HSに装備される安全性能は以下の通りです。
- プリクラッシュセーフティシステム(ドライバーモニター付ミリ波レーダー方式)
- プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)
- 後方プリクラッシュセーフティシステム
- 最大10個のSRSエアバッグシステム
安全性を重視したい方には非常におすすめの車両です。
レクサス HSのスペックは?
全長×全幅×全高(mm) | 4,710×1,785×1,495 |
室内長、室内幅、室内高(mm) | 1,945、1,475、1,210 |
最大乗車定員 | 5名 |
重量(kg) | 1,640 |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC |
駆動方式 | 2WD |
総排気量(L) | 2,362 |
最高出力(kW(PS)/rpm) | 110 (150) / 6,000 |
最大トルク(N・m(kgf・m)/r.p.m.) | 187 (19.1) / 4,400 |
JC08モード燃費(km/L) | 20.6 |
燃料タンク容量(L) | 55 |
グレード(HS250h) | version L version I version C 特別仕様車 “Harmonious Style Edition” 標準グレード |
レクサス HSの価格相場
レクサス HSの新車価格は4,500,000円~5,705,000円程度でした。
高級セダンかつハイブリッド車と考えると、性能やスペックを考えてもコストパフォーマンスが高いと言える価格です。
では、中古車価格の相場はどれくらいになるのでしょうか?
中古車価格では100万~300万前後となっています。
安い車両では100万をきる価格となっていますが、状態等を考えるとだいたい250万円前後の車両が良いと言えるでしょう。
中古車で購入した場合も、前オーナーの使用状況が良好であれば、故障や不具合も少ない可能性が高いですから、上質なセダンに250万円前後で乗れるとなると、非常にお得な車両となっています。
レクサス HSを中古車で購入する際に気をつけること
レクサス HSは2018年3月をもって販売終了となり、これから購入したいという方は、中古車からの選択となります。
レクサスというブランドから故障には高い安心感がありますが、中古車である以上、新車購入時よりさらに故障率は高くなります。
以下の点に気を付けながらチェックしてみましょう。
- ハイブリッドシステムに異常がないか
- 走行時に異音がないか
- ブレーキをする際に違和感がないか
- エアコンなどは正常に作動するか
レクサス HSのようなハイブリッド車を購入する際は、必ずエンジンをかけ、異常がないかを確かめましょう。
昨今、実車を見ずに購入する方も少なくありませんが、電装系システムが多いハイブリッド車は、必ず実車を確認することをお勧めします。
納車されてからシステムに不具合や故障があった場合、多額の費用が掛かる可能性も考えられます。
後悔する買い物にならないよう、慎重に検討していきましょう。
まとめ
レクサス HSは故障が少なく、燃費性能に優れているコストパフォーマンスが高い車両と言えるでしょう。
ただし、乗り方や保管状況などによって故障(不具合)は異なり、一概に故障が少ない車両であるとは言えません。
コストパフォーマンスに優れている車両ではありますが、ハイブリッド車である以上、故障(不具合)が起これば、ガソリン車以上の出費となる可能性があります。
日々のメンテナンスや点検を怠らず、大切に乗っていきましょう。