「ハイブリッド」と聞くと高品質・高性能をイメージする方も多いのではないでしょうか?今回は、トヨタが手がけるエスティマハイブリッドについて、実際のところ故障(不具合)は多いのか?故障しやすいポイントや修理費用の目安は?オーナーはどう感じている?といった疑問にお応えします。エスティマハイブリッドの購入を考えている方はぜひ、検討材料として参考にしてください。
目次
エスティマハイブリッドは故障(不具合)が多いのか?
エスティマハイブリッドに関する故障(不具合)の声
40代/男性
エスティマハイブリッドに乗りつづけて10年近く経ちます。12万kmを超えたところでハイブリッドシステムが故障しました。トータル50万円近く修理費がかかりました。今思うと買い替えても良かったかなと後悔しています。
50代/男性
14年式のエスティマハイブリッドに乗っているのですが、突然、どこからかキューという甲高い異音が発生するようになりました。エアコンを使っているときに限るため、コンプレッサーの異常かな?と思いディーラーに持って行ったら、案の定、エアーコンプレッサーのマグネットクラッチが故障して(焼き付いて)いました。
40代/男性
電動スライドドアを閉める際、一度で閉まりきらないことが多くなったため、ディーラーで見てもらいました。ローラーが故障しているとのことで、片方交換だけで15,000円もの出費でした。
年齢不詳/男性
走行中にハイブリッド警告灯が点灯してしまい、途中でエンジンが止まってしまっては大変だと思い近くのトヨタに駆け込みました。見てもらうとハイブリッドシステムの故障らしく、50万円超の修理費がかかると言われました。
年齢不詳/男性
エスティマハイブリッドAHR 20Wです。10万km近いのですが、急にリアモーターシステムに異常があるという警告灯が点灯して、それ以来、ハイブリッド走行できなくなってしまいました。
エスティマハイブリッドの故障(不具合)が多い箇所
エスティマハイブリッドに限らず車には個体差があること、工業製品である以上、故障のリスクは避けられないことなど、ある程度仕方がない部分もありますが、その中でもとりわけ故障しがちなポイントと言われているのは次の箇所です。
- ハイブリッド ビークル トランスアクスル
- VSZチェックランプの点灯
- CVTの故障(不具合)
- コンプレッサーの故障(不具合)
- ハイブリッドシステムの故障(不具合)
故障箇所1
エスティマハイブリッドでは「ハイブリッド ビークル トランスアクスル」の故障が多いようです。トランスアクスルとは動力機構の一部で、構造はメーカーや車種によってさまざまです。
故障箇所2
バッテリーの不具合でVSCチェックランプが点灯してしまうというのも、エスティマハイブリッドでは良くある故障です。VSCとは、トヨタの安全性能の一つで横滑り防止装置のことを指します。VSC警告灯が点灯したら多くの場合、バッテリーごと交換となります。
故障箇所3
CVT(無段変速機・連続可変トランスミッション)の故障も、エスティマハイブリッドではよく見られる故障です。不調をきたすと突然速いスピードで発進することがあります。初代では、ベルトが切れるという現象も見られるようです。
故障箇所4
エアーコンプレッサーの焼き付き、エキスパンションバルブ、リキッドタンクといったエアコン関連の部品も故障しやすいとされています。エアコンの効きが悪くなってきたと感じたら要注意です。
故障箇所5
口コミにもありましたが、ハイブリッドシステムの故障も、エスティマハイブリッドでは良くあるようです。一時的な警告で済むものもありますが、警告灯が点灯しっぱなしでエンジンが止まってしまうケースもあるため、警告灯が出たらディーラーに持ち込みましょう。
トヨタが発表しているエスティマ ハイブリッドに関する故障・不具合・リコール情報
2AZエンジンの修理(2014年11月)
中低速域から停止直前までブレーキを踏まずに減速するような運転をされますと、吸気管および燃焼室内の負圧が高い状態で保持されるため、エンジンオイルが燃焼室まで吸い上げられてオイル消費量が増えることがあります。
当該現象が発生し修理をご用命の場合、下記の通り無料にて修理対応致します。
対象車両
型式 | 車台番号 |
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DAA-AHR20W | AHR20-7000101~AHR20-7082797(平成18年 5月~平成26年10月) |
AHR20-0001001~AHR20-0001904(平成26年 6月~平成26年10月) |
ウォッシャ液凍結防止用ヒータ(2010年11月18日届)
販売店オプションとして設定しているウォッシャ液凍結防止ヒータが装着された車両において、ヒータ制御回路部の防水用オーリングの締め代が不足しているため、ウォッシャ液が制御回路内に浸入することがあります。そのため、制御回路が溶損し、最悪の場合、火災に至るおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
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DAA-AHR20W | AHR20-7008818(平成18年12月 1日) |
ナットの締付けの不具合(2005年9月15日届)
駐車ブレーキペダルの踏み代調整ナットを固定するナットの締付けに不十分なものがあるため、固定ナットと調整ナットが緩むものがあります。そのため、そのまま使用を続けると、駐車ブレーキペダルの踏み代が増加し、最悪の場合、ナットが外れて駐車ブレーキが作用しなくなるおそれがあります。
型式 | 車台番号 |
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CAA-AHR10W | AHR10-2010750~AHR10-2012090(平成 16年 7月20日~平成 17年 2月 1日) |
電圧変換装置(DC-DCコンバータ)の電気配線の不具合(2005年9月15日届)
補機バッテリーを充電する電圧変換装置(DC-DCコンバータ)の電気配線の端子が不適切なため、寒冷時等、電気負荷が増加するような使用を長期間行うと、当該かしめ部に酸化物が生成され、発熱し断線するものがあります。そのため、補機バッテリーへの充電ができなくなり、最悪の場合、走行中に原動機や電動機(モーター)が停止し、再始動できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
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ZA-AHR10W | AHR10-0001021~AHR10-0005450(平成13年 3月27日~平成13年11月23日) |
制動灯用スイッチおよび電動式燃料ポンプの不具合(2004年11月18日届)
(1) 制動灯用スイッチの接点にはたらく電気負荷に対する接点部の形状が不適切なため、接点に酸化物が生成され接触抵抗が増大するものがあります。そのため、スイッチが導通不良となり、制動灯が点灯しなくなるおそれがあります。
(2) 電動式燃料ポンプの製造時に異物の除去が不充分なため、内部モータの配線被覆が異物により損傷して短絡し、燃料ポンプ回路のヒューズが切れたり、モータブラシが異常摩耗することがあります。そのため、燃料ポンプが作動しなくなり、エンジンが停止して再始動できなくなるおそれがあります。
対象車両
型式 | 車台番号 |
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ZA-AHR10W CAA-AHR10W |
AHR10-2006476~AHR10-2010652(平成15年 5月20日~平成16年 7月 8日) |
エスティマハイブリッドの各部品の修理費用
ここでは、前項で解説した「故障しがちな箇所」の修理費用の目安をご紹介していますので、参考にしてください。ただし、作業工賃や部品代などは個別のケースごとに変わるため、おおよその目安として捉えていただければと思います。
故障箇所 | 費用 |
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ハイブリッド ビークル トランスアクスル | 50〜60万円程度 |
バッテリー(VSC) | 20〜25万円程度 |
CVT | 60万円程度(リビルト品で30万円程度) |
エアーコンプレッサー (エキスパンションバルブ、リキッドタンク含む) |
5〜10万円程度 |
ハイブリッドシステム | 50〜60万円程度 |
エスティマハイブリッドのオーナーの評判
ここまで、エスティマハイブリッドで故障が多いポイントや修理費用の目安などをご紹介してきました。実際にエスティマハイブリッドに乗っているオーナーは、どう感じているのでしょうか?
ポジティブな意見
- デザインがかっこいい!
- 車内空間が広い
- 故障が少ない
- 走行性能が抜群
- 低燃費性に優れている
ネガティブな意見
- 故障した際に費用がかさむ
・評判1
私のエスティマハイブリッドは、かなり「当たり」の個体だったのかもしれません。30万kmを超えていますが、バッテリーを交換しただけであとは基本的なメンテナンスしかしておらず、それでも十分活躍してくれています。トヨタというだけあって品質はバッチリですね。
・評判2
発売当初、流線型のデザインがとにかく斬新かつ近未来的な感じがして、それからエスティマのファンです。当然、エスティマハイブリッドに乗っています。10年以上経ちますが、ハイブリッドの低燃費性能の恩恵を存分に享受できていると思います。
・評判3
家族旅行や同僚とのキャンプなどに大活躍してくれています。サードシートを床下格納してセカンドシートを思いっきり後ろにスライドさせるとリムジン?と思うくらいラグジュアリーな空間が完成します。目立った故障もなく、良い買い物をしたと思います。
・評判4
エスティマハイブリッドで念願の低燃費車を手に入れたのも束の間、ハイブリッドシステムの故障で修理代がとんでもないことになりました。乗り心地や運転性能、安全性能などには満足していますが、修理費が高く全然ハイブリッドじゃないなと思いました。
・評判5
18.0km/Lという低燃費性に惹かれて購入。ハイブリッドならではの静粛性と、発進時や加速時の滑らかな走行に満足しています。家族にも好評なので、致命的な故障さえなければ、長く乗ることになりそうです。
エスティマハイブリッドとはどんな車?
エスティマハイブリッドが初めて登場したのは2001年、トヨタのミニバンでは初となるハイブリッドで話題を呼びました。
街中でもひときわ注目を集める“タマゴ型”のボディに魅力を感じるという人も多く、1990年に初めて販売されて以来、長い間ミニバン界のトップクラスを維持しています。
ファミリーカーとしてはもちろん、人数を乗せる、荷物を運ぶ、アウトドアが趣味など幅広い目的で使用できるのも魅力のひとつです。
エスティマハイブリッドにはトヨタのさまざまな技術が搭載されていて、特にVSC(横滑り防止機能)、TRC(発進時のタイヤの空転抑止)、ABS(急ブレーキ時のロック抑止)、ECB(ブレーキアシスト統合制御)など、安全性能が高い評価を得ています。
エスティマハイブリッドを中古車で購入する際に気をつけること
エスティマハイブリッドの中でも特に修理費用が高いのが「ハイブリッドシステム」「CVT」「ハイブリッド ビークル トランスアクスル」といった部品です。中古車で購入する際は、こうした部品の交換歴はあるか、確認しておくと良いでしょう。また、そこまで修理費用はかかりませんが、特にバッテリーは一定期間以上乗り続けると故障しやすくなります。バッテリー交換歴についても併せてチェックしておきましょう。
まとめ
今回はトヨタのエスティマハイブリッドについて、故障しやすいポイントや修理費用の目安、オーナーの声などをご紹介してきました。ハイブリッドカーの修理費は、エスティマハイブリッドに限らず高くなりがちです。故障のリスクを考えると、これからエスティマハイブリッドカーの購入を検討しているという方は、まずは中古車市場から見てみるのもおすすめです。